「封印作品」の版間の差分

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{{複数の問題|参照方法=2013年2月|単一の出典=2016年1月|一次資料=2016年1月|独自研究=2018年12月24日 (月) 09:19 (UTC)}}
{{Notice|''封印された''と読者が感じている作品の列挙は、記事の充実のために個別に作品を引き合いに出す場合を除いておやめください。公開できなくなった表現物は'''非常に'''多岐にわたり、それらの全リストを恣意的に列挙することは不可能です。([[WP:IINFO|ウィキペディアは情報を無差別に収集する場ではありません]])|お願い}}
{{Notice|[[安藤健二]]が『'''封印作品'''』として書籍で取り上げているもの以外、作品の記述はおやめください。([[WP:IINFO|ウィキペディアは情報を無差別に収集する場ではありません]])|お願い}}
'''封印作品'''(ふういんさくひん)は、何らかの事情により公開できなくなった作品を指す[[ルポライター]]の[[安藤健二]]によって広められた[[造語]]である。
'''封印作品'''(ふういんさくひん)は、何らかの事情により公開できなくなった(とされている)作品を指す一種の[[俗語]]である<ref>「封印」の定義や理由、また特定の作品が「封印」に当てはまるかどうかについては非常に曖昧で客観的な定義が存在しないため、話者の恣意的な判断によるところが大きい。したがって、その定義は作品によって異なる。</ref>。
 
== 概要 ==
[[文学]]、[[漫画]]、[[アニメ]]、[[映画]]、[[テレビ番組]]、[[歌謡曲]]その他の作品の中には、製作あるいは公開された後、市場原理による淘汰を除く、「特別な支障」(後述)が生じたため公開・流通がなされなくなった、あるいは「封印」([[欠番]])の理由を述べないまま公開をストップすることがままあり、背景には「特別な支障」が存在しているのではないかと噂されている作品が多く存在する。
 
需要の有無や、作品の人気と無関係に公開・流通が止められるため、かえって読者・視聴者の興味を惹き、かつて正規ルートで出回っていた単行本・映像ソフトが中古市場で高値をつけたり、[[ブートレグ|海賊版]]の[[ビデオ]]・[[DVD]]が出回るなどの闇市場が形成されている事例もある。また、[[YouTube]]等の[[動画投稿サイト]]にて無断配信されている場合もある。
 
過去には[[インターネットオークション]]でこのような海賊版も大量に出品されていたが、監視と規制が強化されたため、見かけることは少なくなった(たとえ非公開の作品であれ[[著作権]]を有することに変わりはないため見かけることは少なくなった
 
ルポライターの[[安藤健二]]は、その範疇に含まれるいくつかの作品について「'''封印作品'''('''ふういんさくひん'''。'''[[お蔵入り]]'''とも)」と称して取材を行い、『封印作品の謎』・『封印作品の謎2』として単行本にまとめた。公開できない表現物についての噂話が市井で飛び交うことがあっても、公式に封印作品という単語が出版物で定義されたのはこれが初めてのことであった。
 
この出版それ以降、トラブルを抱えたがために公開・流通に何らかの影響が出た著作物と関連づけて「封印作品」という語は、頻繁に用いられるようになってきている。安藤による著書の公刊後、製作者自らが封印と呼ぶ事例もあった<ref>{{Cite web |url = https://web.archive.org/web/20200308174653/https://pbs.twimg.com/media/D4TeIlWUUAACVUb.jpg:small|title = 封 MUSASHI 印|website = 封 MUSASHI 印|publisher = pbs.twimg.com|date = |accessdate = 2020-03-08}}</ref>
 
=== 注釈問題点 ===
かつては「お蔵入り<ref group="注釈">江口寿史のお蔵出しの初版が1994年である。</ref>」という単語のほうが多く使われていた。2000年4月号のミリオン出版による「GON!」の巻頭特集は「封印特撮大検証」の文字が躍るが、封印作品という単語は表れておらず、やはり「お蔵入り」という使い慣れた単語で説明されている。
上記のように便宜的に用いられている語であり、何をもって「封印作品」とみなすのか、なぜ「封印作品」「欠番」としたのか、原作者や制作スタッフも(公式の場で)その理由を語らないため、必ずしも共通の理解がされているわけではない。
 
『封印作品の謎2』でとりあげられた『[[キャンディ・キャンディ]]』について、安藤の取材を受けた原作者の水木杏子([[名木田恵子]])は、「『封印』という呼び方は適当ではない」という旨の発言をしている。封印作品という単語の発案者はもしも別人である可能性があったとしても、安藤による流布が効いていることが深く認識された。これは、「封印」という言葉を使うと、誰かが意図的に作品の公開を妨げているとの印象があるが、『キャンディ・キャンディ』に関しては「問題が解決され、再び公開されることを望んでいるから」と述べている。
== 異論 ==
上記のように便宜的に用いられている語であり、何をもって「封印作品」とみなすのか、なぜ「封印作品」「欠番」としたのか、原作者や制作スタッフも公式の場でその理由を語らないため、必ずしも共通の理解がされているわけでは'''全く'''ない。典型例は[[近藤譲]]の未出版作品で、「これらは撤回作品ではありません<ref group="注釈">2014年7月23日開催:近藤譲×佐々木敦トークショーで質疑応答に答える形で撤回ではないことを発言。</ref><ref>{{Cite web |url = http://espacebiblio.superstudio.co.jp/?p=407|title = 近藤譲×佐々木敦トークショー「いま、「音楽を聴くこと」について」|website = espacebiblio.superstudio.co.jp|publisher = espace biblio|date = |accessdate = 2020-03-08}}</ref>」と本人から正式に回答があった。この種の受け手の勘違いといった問題は、[[メインカルチャー]]ではないカルチャーでは、[[コミケ]]で自由に出版できる場を持たない当時には頻繁に発生していた。
 
原板メディアの不良が発生し再生が困難、または原板自体が紛失した場合については[[1970年代]]後半頃までは記録用のVTRやフィルムの質が低く、また使い回しが多かった為、含めるべきではない。ただし、過去の番組制作者は公的にマスターテープの消去を理由にしながら、実際には関係者が放映時に家庭用のVTRで収録していたケース<ref group="注釈">[[プリンプリン物語]]</ref>があるなど、意図して使いまわしたのか不可抗力で使いまわしたのかは不明なケースが多くある
『封印作品の謎2』でとりあげられた『[[キャンディ・キャンディ]]』について、安藤の取材を受けた原作者の水木杏子([[名木田恵子]])は、「『封印』という呼び方は適当ではない」という旨の発言をしている。封印作品という単語の発案者はもしも別人である可能性があったとしても、安藤による流布が効いていることが深く認識された。これは、「封印」という言葉を使うと、誰かが意図的に作品の公開を妨げているとの印象があるが、『キャンディ・キャンディ』に関しては「問題が解決され、再び公開されることを望んでいるから」と述べている。
 
[[ヴィルヘルム・ケンプ]]の「Familie Gozzi」、[[アルフレード・カゼッラ]]の「Il Deserto Tentato」はともに[[ベニート・ムッソリーニ]]政権を賛美するオペラであり、カゼッラに至っては出版社が削除するほどの問題を引き起こしたが、両者は封印をいかなる場においても明言していない。
 
原板メディアの不良が発生し再生が困難、または原板自体が紛失した場合については[[1970年代]]後半頃までは記録用のVTRやフィルムの質が低く、また使い回しが多かった為、含めるべきではない。ただし、過去の番組制作者は公的にマスターテープの消去を理由にしながら、実際には関係者が放映時に家庭用のVTRで収録していたケース<ref group="注釈">[[プリンプリン物語]]</ref>があるなど、意図して使いまわしたのか不可抗力で使いまわしたのかは不明なケースが多くある。
 
== 封印作品の例 ==
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}}</ref>
 
== 脚注・出典 ==
==参考文献==
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== 参考文献書籍 ==
* 『封印作品の謎』 [[安藤健二]] [[太田出版]] ISBN 4872338871
* 『封印作品の謎2』 安藤健二 太田出版 ISBN 4778310063
 
== 関連文献 ==
* 『放送禁止映像大全』 天野ミチヒロ [[三才ブックス]] ISBN 4861990041
* 『封印歌謡大全』 石橋春海 太田出版 ISBN 4861990661
66 ⟶ 64行目:
* [[廃盤]]
 
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{デフォルトソート:ふういんさくひん}}
{{Normdaten}}
[[Category:作品]]
[[Category:テレビ]]