「前蹴り」の版間の差分

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空手の基本動作では、真っ直ぐ突き出すように蹴るもの(狭義の前蹴り・蹴放し)と下から上に蹴り上げるもの(蹴上げ)の区別がある<ref>参考文献の2、84頁、「前蹴り」</ref><ref>蹴上げには振り子のように足刀を蹴り上げる横蹴上げもあるが、これとは異なる。→参考文献の3、55頁、「蹴上げ」</ref>。普通に前蹴りという場合はこの前者をさす場合が多い。
* '''前蹴り(狭義)'''
: 構えから、蹴る側の足を一旦、自分の胸前に抱え込むように高く引き上げ、加撃対象(おもに胴体もしくは下半身)に向けて垂直もしは幾分か蹴り下ろすような感覚で膝を伸ばして中足または足裏を突き出すように蹴る<ref>参考文献の2、52頁、「前蹴り」</ref>。結果的に蹴りの軌跡は直線を描くことになる。'''蹴放し'''(けはなし)の場合は中足部分を当てた直後に瞬時に足裏全体で相手を蹴り放す。これらは主に腹部・脇腹などの中段攻撃に使われる<ref>参考文献の2、84頁、「1 前蹴り」</ref>。
* '''蹴上げ'''
: 構えから、蹴る側の足の膝頭を前に引き上げ、曲げた膝のバネを活かして中足または背足を上方に向けて蹴り上げる。また膝をほとんど曲げずに蹴り足の元の位置からそのまま大きく蹴り上げる仕方もあり、こちらを'''前蹴上げ'''と称する流儀もある。後者の「前蹴上げ」は、実際の攻撃技術というより蹴り技の練習方法あるいは準備体操・補強運動として行われる場合も少なくない。蹴る対象は中足の場合は相手の顎や前傾した胸部・腹部、スネや膝関節などへの下段攻撃、あるいは構えた手や突いてくる手の手首肘の後ろ、あるいは相手の手に持っている武器などを狙う。背足は股間の急所に用い、その場合は'''金的蹴り'''とも呼ばれる<ref>参考文献の2、84頁、「1 前蹴り」</ref>。
* '''飛び蹴り'''
: 大きく踏み切り、前方に跳躍して空中で前蹴り(狭義)をするもので、踏み切った足で蹴る場合と、その逆側の足で蹴る場合がある。前者の場合は'''飛び二段蹴り'''と呼ばれ、踏み切った足で蹴る前に逆側の(最初に上げた)足でフェイントの飛び前蹴りもしくは飛び膝蹴りを行い放ちその直後に踏み切った足で前蹴りを決める。後者は踏み切った足とは逆の最初に振り上げたを突き出し、そのまま突進の勢いに任せて蹴る、いわゆる'''飛び前蹴り'''である。これらは大技で威力があるが、技を見切られたり失敗すると反撃を受けやすくリスクが高い<ref>参考文献の2、89頁、「5 飛蹴り」</ref><ref>参考文献の3、43頁、「飛び蹴り」</ref>。
 
== 技の使用の実際 ==