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== '''<small>日本の公衆衛生大学院</small>''' ==
日本における公衆衛生教育は、長い間、医学をはじめとする医療系学部の学部教育や、その大学院教育として学術的探究を行う博士課程の教育として行われてきた。公衆衛生学および衛生学は主に医学部医学科の一講座として存在しており、医師中心、また研究に重点を置いたものであった。しかしながら公衆衛生学の今日的課題の解決には医学のみならず、学際的な対応が必要であり、そのための専門的人材の養成が必要であるとの認識から独立大学院・独立専攻として公衆衛生大学院設立が望まれてきた。▼
=== '''<small>設立背景と現在の大学院</small>''' ===
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公衆衛生に限らず、多様な資格、経験を有する学生を各職業領域の専門家として育成する専門職大学院(プロフェッショナルスクール)は、経営管理、法曹分野、会計などでも検討が始まっていた。文部省大学審議会は、平成10年10月「21世紀の大学像と今後の改革方策について」答申を取りまとめ、高度専門職業人養成に特化した実践的教育を行う新しい大学院の設置促進が取り上げられた<ref>{{Cite web|url=https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmonshoku/detail/1299338.htm|title=「21世紀の大学像と今後の改革方策について-競争的環境の中で個性が輝く大学-」(平成10年10月26日 大学審議会)(答申)-抜粋-|accessdate=2020年3月27日|publisher=文部科学省}}</ref>。また平成11年4月には文部省21世紀医学・医療懇談会第4次報告「21世紀の命と健康を守る医療人の育成を目指して」において、公衆衛生分野の大学院修士課程の設置の答申が出された<ref>{{Cite web|url=https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/009/toushin/990401.htm|title=21世紀医学・医療懇談会 21世紀の命と健康を守る医療人の育成を目指して(21世紀医学・医療懇談会第4次報告)平成11年4月|accessdate=2020年3月27日|publisher=文部科学省}}</ref>。
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日本には2020年3月現在、公衆衛生大学院(SPH)が5校あり、修了後に「公衆衛生学修士※(専門職)」すなわちMPHが授与される。従来の医学系大学院、あるいは独立した研究科や専攻で公衆衛生学に力点を置いた教育を行い、公衆衛生学に関する修士号をMPHとして授与する大学院14校をプログラム校と称する。SPHとプログラム校は、共に日本のMPH教育に取り組む大学院として、公衆衛生大学院プログラム校連絡会議を組織して協力している。 ※学位の名称は大学によって一部異なる。
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日本では旧[[厚生省]]所管の機関であった[[国立公衆衛生院]]が昭和13年3月29日より、公衆衛生技術者の養成訓練と公衆衛生に関する機関として活動を続けてきた。国立公衆衛生院は、現在、国立保健医療科学院に改組され、国立保健医療科学院の教育研修のうち専門課程を修了すると「Certified Public Health Professional (CPHP)」が与えられている。従来はMaster of Public Health (MPH)の称号を授与し[[世界保健機関|WHO]]も国立保健医療科学院を「School of Public Health(公衆衛生大学院)」として紹介しているが、わが国の学制上、大学院でもなく[[省庁大学校]]にも該当しない。省庁大学校の修了者は[[大学評価・学位授与機構]]の学位授与事業により[[学校教育法]]に基づく学位が授与されるが、国立保健医療科学院は対象になっていない。一般国民に誤解を招かないよう、2009年度入学者より表記のように名称変更されている。
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'''プログラム校 '''
2008年
筑波大学 筑波大学人間総合科学研究群公衆衛生学学位プログラム
長崎大学 大学院国際健康開発研究科 (2015年に熱帯医学・グローバルヘルス研究科グローバルヘルス専攻
国際健康開発コースに改組)
Master of Occupational Health(MOH 産業衛生学修士号)を授与
2015年
東北大学 大学院医学系研究科公衆衛生学専攻
広島大学 大学院医系科学研究科総合健康科学専攻公衆衛生学プログラム
2017年 高知大学 大学院総合人間自然科学研究科修士課程医科学専攻公衆衛生学コース
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2018年 国際医療福祉大学 医学研究科公衆衛生学専攻
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 グローバルヘルスリーダー養成(MPH)コース
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