「伊藤仁斎」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
20行目:
仁斎の[[学問]]手法は、当時支配的だった[[朱子学]]的[[経典]]解釈を廃し、直接テクストを検討するというものである。朱子学は学問体系としては非常に整ってはいたが、その成立過程に流入した禅学や[[老荘思想]]といった非[[儒教]]的な思想のために[[経書]]の解釈において偏りがあった。仁斎はそのような要素を儒学にとって不純なものとみなし、いわば[[実証主義]]的な方法を用いた。このような傾向は同時代の儒学研究に共通にみられるものである。仁斎は朱子学の「理」の思想に反して、「情」を極的に価値づけした。客観的でよそよそしい理屈よりも人間的で血液の通った心情を信頼している。四端の心や[[性善説]]を唱えた。
 
== 校注著作 ==
*『論語古義』(関儀一郎編『日本名家四書注釈全書』論語部壱、東洋図書、1922年4月)
*『孟子古義』(関儀一郎編『日本名家四書注釈全書』孟子部壱、東洋図書、1924年10月)
*[[清水茂 (中国文学者)|清水茂]]校注 『[[童子問]]』 [[岩波文庫]]<ref>元版は岩波書店「[[日本古典文学大系]]97 近世思想家文集」岩波書店、原文も収録</ref>[[岩波文庫]]、1970年 度々重版。ISBN 978-4-00-330091-6 - 度々重版 
*[[木村英一]]編集・解説 『日本の思想11 伊藤仁斎集』 [[筑摩書房]]、1970年
*[[貝塚茂樹]]編集・解説 『[[日本の名著]]13 伊藤仁斎』<ref>「論語古義」の現代語訳を収録</ref> 中央公論社 1977年、新版・中公バックス 1983年
*[[吉川幸次郎]]編集・解説、清水茂校注 『[[日本思想大系]]33 伊藤仁斎 [[伊藤東涯]]』 [[岩波書店]]、1971年
*浅山佳郎、厳明校注『日本漢詩人選集4 伊藤仁斎』 [[研文出版]]、2000年、ISBN 978-487636-190-8
*植谷元校注 『新[[日本古典文学大系]]99 仁斎日札 ほか』 岩波書店、2000年3月