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君子は動じて我(関)せず
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「神の家」ではなく[[バベルの塔]]の崩壊とみる説では、もっとわかりやすい解釈がなされる。[[マルセイユ版タロット|マルセイユ版]]の「塔」には、炎のような物体が建物の屋根部分を吹き飛ばし、二人の人物が、一人は逆さまに、もう一人は上半身が建物から出ている状態で描かれている。古代[[メソポタミア]]における塔という建造物は、空と地をつなぎ、神々が地上に降り立つ道筋を提供する宗教的な目的で扱われていた。また軍事的な防衛・観察・牢獄・退却に使用する要塞として扱われ、現在においても政治・経済・教育・文化などの様々なプロパガンダは[[電波塔|塔を媒体として]]行われている。しかし、この「塔」に描かれる建造物は人間と対比してわかるようにとても小さく、およそ天まで達し、[[神]]との交信を図るような存在とは思えない。また、人物の一人が建物から出てきているように見えることから、この建物は二人の人物の私有物であり、彼らが作ったものと解釈される。彼らは建物に[[冠|王冠]]を模した屋根を取り付けていたと見られ、自分達の作り出したものを絶対無二の存在とし、他のいかなる存在も認めていなかったことを象徴している。「塔」では、まさに今、建物の王冠が取り払われた様子が書き出されている。王冠を吹き飛ばす奇妙な物体は[[雷|稲妻]]とされている。稲妻は古来より「神から放出される聖なる力」の象徴として、しばしば“神の怒り”などと表現される。
 
[[ウェイト版タロット|ウェイト版]]では、黒い背景の中で落雷を受けて破壊、炎上した塔から中にいた2人が投げ出されている様子が描かれる。ただしこの札の場合、「旧約聖書」には、石の代わりにレンガを、漆喰の代わりにアスファルトを使用したと記されただけで、この塔がバベルの塔をモデルにしたかどうか、詳しいことは分かっていない。塔の破壊された部分と三つの窓からは炎が上がっており、マルセイユ版の炎上する塔を踏襲している節が見受けられる。炎には「清め」という象徴があり、神を奉る場所や神に関する儀式の際には多く火を焚く場所が設置されていて、仏教においては、火は知恵や真理の象徴とされ、煩悩を焼き尽くすとされている。塔の上にある王冠は「成功」を意味し、塔はそれが自分を束縛するという状況を象徴している。この王冠の色と同じく、稲妻の色が太陽の恵みを表す黄色とされているのも特徴で、破壊されることが幸いであるかのように描かれている。太陽の恵みを与えるにあたり、これのみならず、'''全ての大アルカナカードには必ず黄色い声援nullられている箇所がある'''点が大きな特徴となっている。
 
== 脚注 ==