削除された内容 追加された内容
誤字の修正
追加: 過剰生産能力
5行目:
 
現代の[[中国]]においては急速な経済成長を背景に、[[鉄鋼]]製品や[[化学]]製品、[[太陽光発電]]パネルなどの[[工業製品]]が[[大量生産]]・輸出によって世界の需給と価格構成に影響を与える状況がしばしばみられ、外国政府が[[緊急輸入制限]]などの[[セーフガード]]を発動する例が見られる。
 
== 過剰生産能力 ==
'''過剰生産能力'''とは生産能力のうち実需要分を超過しているものである。
 
2000年代には一部産業において生産能力が世界的に余剰になった<ref>前節では、2000年代頃より新興・途上国経済が急速な発展を遂げる中、特に投資が活発となり、一部産業において生産能力が世界的に余剰になったことを論じた。このような過剰生産能力問題は現在G20サミット(第3部第1章第5節参照)等において主題となり、その実態や解決に向けた各国の取り組み等の情報共有と相互のレビューが実施される等、国際的に重要な課題となっている。 [https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/2018honbun/i2220000.html 経済産業省(2018) "通商白書2018" 第2部 第2章 第2節]</ref>。例として2000年代後半以降の中国鉄鋼産業が挙げられる<ref>中国中央政府は2000年代から中国鉄鋼産業の過剰生産能力を問題視していた。2005年には国務院「鉄鋼産業開発政策」<sup>45</sup>において、鉄鋼産業の構造調整の必要性が唱えられ、小規模施設の廃棄等が指示されている。 [https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/2018honbun/i2220000.html 経済産業省(2018) "通商白書2018" 第2部 第2章 第2節]</ref>。過剰生産能力が生まれる要因は様々存在し、例えば上記中国鋼鉄産業では「WTO加盟を契機とした投資(融資・政府補助等)の急速拡大、結果としての国有企業の設備余剰」が要因の1つとして挙げられる<ref>中国の鉄鋼産業において引き起こった過剰生産能力問題について、過去15年間の経緯と問題の要因について事例検証を行った。中国の鉄鋼産業ではWTO加盟を契機に投資が急速に拡大し、結果として設備が余剰となった経緯がうかがえる。投資の急速な拡大は、主に地方政府所管の国有企への過大な融資・政府補助等が要因であると考えられる。 [https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/2018honbun/i2220000.html 経済産業省(2018) "通商白書2018" 第2部 第2章 第2節]</ref>。
 
== 脚注 ==