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== ストーリー ==
亡き元夫・佐藤和夫の命と引き替えにUSBメモリに隠されていた機密データを手に入れた雪平であったが、それをただ公開しても意味はないと、最も有効な形で使用するための協力者を探すものの見つけられずにいた。時を同じくして東京地検特捜部の村上とその父親が殺害されたとの報が入り、その被疑者として監視カメラの映像からシステムエンジニアの津島が拘束される。最高検察庁監察指導部の武部からの呼び出しで、警察庁・検察庁・裁判所全てに潜む「闇の組織」の追及への協力を要請されていた雪平は、彼女を取調官に指名した津島の「『組織』の存在を掴み告発しようとして無実の罪に嵌められた」との主張を聞き入れ、彼の逃走の手引きを行う。
 
警察病院を経て脱走した2人は津島のアジトに向かい彼が持つデータを手に入れ、そこで10年前に彼の父が無実の罪で収監された後に自殺したという過去を共有する。そして彼が告発先として手配していた2人のジャーナリストたちの元に向かうが、2人はいずれも組織の暗殺者の手によって謀殺されてしまう。さらに2人目の殺害現場に駆け付けた武部が実は組織の黒幕人物<ref>組織のボスであるとは明言されていないが、三上が語っていた「権力好きのサディスト」という人物像とは一致する。</ref>であり、津島と別れていた雪平は武部とその手下達の騙し討ちに遭い、二重スパイとして潜り込んでいた三上の抵抗も虚しく雪平と三上は捕らえられてしまう。武部の手下達の手により山路が銃撃され、三上が一条に射殺されるなど仲間達が次々と危害を加えられ、ついには娘の美央の命までもが奪われそうになったことで、雪平は津島の居場所を白状することを余儀なくされ決意する。
 
美央の命を救うべく自らの手で津島の殺害に向かう雪平だったが、自らの命を犠牲にしてまでも信念を貫こうとする津島の訴えに共に逃げることを決め、駆け付けた一条の手引きを得て脱出に成功する。津島は組織の追跡を逃れるべく国外への亡命を決意し、そして津島から彼女の父親に関するデータを渡された雪平は、父を殺害した真の犯人は一条であり<ref>「コード・ブレーキング」での安本の「彼を殺したのは5人の元同志達」との発言との整合性に関しては、作中では言及がなされていない。</ref>、その後の雪平を常に監視するよう命じられていたことを知るが、父の敵を討つと言う長年の誓いを前にし、また一条の「お前になら殺されてもいい」という言葉を受けながらも、芽生えた彼への思いから引き金を引けず涙を流す。
 
そして翌日、雪平は津島を亡命させるべく、東京国際ビルの38階にあるエルドビアの大使館を目指し足を進める。検問の監視を潜り抜けビルにまでは辿り着いたものの、先回りして待ち伏せていた武部達に見つけられ、銃撃を受けた津島が重傷を負う。しかし一条や山路・小久保らの助けもあり、2人はついに大使館にまで到着する。そして自身の持つメモリの入ったペンダントを託しその場を去ろうとする雪平だったが、その時背後から津島に拳銃を突き付けられ、直後に駆け付けた一条の声でなんとか銃撃を躱したものの、流れ弾を食らった一条が地面に倒れ伏す。津島は裏で武部と繋がっており、武部は津島の父の無念を晴らしたいという想いを利用し、事件の再審を執り行う事を条件に雪平の持つUSBメモリの奪還と彼女の殺害を命じていた。互いに銃を構える雪平と津島だったが、雪平は津島の正義を信じ、後の事を全て託すと告げ銃を降ろす。そんな彼女の「最後まで人を信じてしまう」心こそが弱さなのだと語り引き金を引く津島、そして銃弾を受け倒れる雪平だったが、その間際に最後の力を振り絞って一条が放った弾丸により津島もまた致命傷を負い、命を落とす。
 
後を追った山路と小久保が大使館に到着した時、そこに雪平の姿はなく、津島の胸のペンダントはケースが開き中身が持ち去られていた。そして全てが終わった後、外国語の飛び交うホテルの一室では、日本の裁判所・検察・警察に跨る大規模な不正スキャンダルの告発がテレビのトップニュースを流れていた。そして未だ満身創痍ながらも部屋のシャワーを浴びていた雪平は、無言の笑みを天井へと向けるのだった。
 
== 登場人物 ==