「アニパロコミックス」の版間の差分

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1986年から放映が開始された『[[聖闘士星矢]]』と、その成功を受けて製作された1988年放映の『[[鎧伝サムライトルーパー]]』などに代表される、いわゆる“美少年アニメ”のブームを受けて、1980年代の末には“美少年アニメ”作品などを題材にした[[2次創作物]]である[[同人誌]]が大量に制作され、一部の作品については最大の同人誌即売会「[[コミックマーケット]]」でも単体ジャンルとして分類を受けるなど、一定のスペースを占有する程の規模で数多のサークルが手掛けるものとなった。このブームに目を付けたのが[[ビブロス (出版社)|青磁ビブロス]]や[[ラポート]]などの中小の[[サブカルチャー]]系出版物を手がけていた出版社で、これらをまとめた同人[[アンソロジー]]本の制作を手掛け、相当数が商業出版ベースで流通・販売される状況が見られた。ここからさらに一歩進んで、同人作家による美少年アニメの2次創作の事実上の新作(同人アンソロジー集の掲載作品は作者個人の同人誌に収録されていることを建前としていたが、実際には作者のサークルの新刊同人誌の[[通信販売]]の宣伝に用いられていた)を商業ベースの出版社がまとめた、事実上の“新作アンソロジー集”までもが登場するという状況になっていった。
 
これらアンソロジー集について、企画した出版社は「アニパロコミックス」と同様、あくまでパロディとして独立した作品であるというスタンスを取り、ノーライセンスの同人アンソロジー集が“元ネタ”とした作品の著作権者からのライセンス許諾を得ることもないまま、一般書店の漫画本売場の一角で堂々と販売されていたのである。しかし、その内実を見ると、これら大量の作品群の大半は、男性キャラクター同士による[[同性愛#ゲイ|同性愛]]の描写が含まれる「[[やおい]]同人誌」であり、本来は[[児童]]層を対象としたテレビアニメ作品の[[二次創作物|2次創作]]である事を鑑みればなおさらに、各方面から少なからず問題視される内容のものであった。
 
この事も要因の1つとなり、1990年代初頭からは、[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]など複数のアニメ制作プロダクションや、[[バンダイ]]などのキャラクター[[玩具]]・[[テレビゲーム]]ソフトなどのメーカーが、“パロディ”の商業作品を含む著作物の2次創作に対する姿勢を大きく改め、著作権管理を厳格化する方向に動き始めた。作品・キャラクターなど著作権の2次使用についても制限の明文化を進め、商業ベースでの無許可使用に対しても、裁判などには中々至らなかったにせよ出版社に対する警告書の送付や資料・情報の提供の中止、広告出稿の停止などの対応を逐次進めていった。