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'''伊東 潤'''(いとう じゅん、[[1960年]][[6月24日]]<ref name=Mysteryjp>{{Cite web|url=http://www.mystery.or.jp/member/detail/1062|title=会員名簿 伊東潤|publisher=[[日本推理作家協会]]|accessdate=2020-05-13}}</ref> - )は、[[日本]]の[[歴史小説]]作家、[[ノンフィクション]]作家。[[日本推理作家協会]]会員<ref name=Mysteryjp />
 
== 略歴 ==
[[神奈川県]][[横浜市]]生まれ。[[浅野中学校・高等学校]]を経て、[[早稲田大学社会科学部]]卒業。[[日本アイ・ビー・エム|日本アイ・ビー・エム(株)]]をはじめとした外資系企業に勤務20062003初頭(株)クエーサー・マネジメントというコンサルティング会社を設立。一時はコンサルタント6名を使いに転身<ref name=profile>{{Cite web|url=https://itojun.corkagency.com/profile/|title=著者紹介|publisher=伊東潤|accessdate=2020-05-13}}</ref> - )は手広く事業展開していたが、2008年9月[[日本]]の[[リーマ歴史小説]]作家、[[ノフィクショック|リーマショック]]作家。[[日本推理作家協会]]会員<ref name=Mysteryjp />。2002年より執筆活動を始め<ref name=Mysteryjp />事業が不振2007年なったため清算し、初の単行本『武田家滅亡』が発売される<ref name=profile />。2010年初頭からより専業作家となったる<ref name=profile />
 
企業経営のかたわら2002年頃から小説の執筆を開始し、2007年に角川書店(現[[KADOKAWA]])から『武田家滅亡』で持ち込みデビューを果たした。
 
子供の頃から読書を趣味とし、2015年の「新刊展望」に書いたエッセイ「ぼくは”ゴン”が好きな子供だった」では、「母によると、私は三、四歳の頃、「何か一つ買ってあげる」と言われると、デパートのおもちゃ売り場を、さんざん回った末、結局、本屋さんに入り、「[[ゴン (漫画)|ゴン]]」と言って絵本を買ってもらう子供だった」と書いている。
 
子供の頃から無類の小説好きで、[[夏目漱石]]、[[森鴎外]]、[[三島由紀夫]]といった文豪作品はもとより、[[司馬遼太郎]]、[[吉川英治]]、[[吉村昭]]、[[海音寺潮五郎]]、[[井上靖]]、[[新田次郎]]、[[津本陽]]といった作家たちの歴史小説を乱読。さらに[[江戸川乱歩]]、[[松本清張]]、[[横溝正史]]、[[高木彬光]]、[[森村誠一]]といったミステリー系の作家から、[[小松左京]]や[[筒井康隆]]といったSF系の作家までジャンルにこだわらず読んでいた。
 
2002年頃までは小説家になりたいと思ったことはなかったが、家族旅行で静岡県三島市の山中城に行った折、「自分の作った作品の中で死ねるのは築城家だけ」というフレーズが突然浮かび、「小説を書こう」というインスピレーションを受けたという。だが最初に取り組もうとしたのは全国のお城のホームページの作成で、後に親友となる本間朋樹氏の「埋もれた古城」のようなホームページを作ろうとした。しかし文章が小説になってしまうので断念し、43歳にして小説家を志すことになる。その時に書いた作品が『悲雲山中城 戦国関東血風録』(絶版)になる。
 
その後、『戦国関東血風録 北条氏照修羅往道』(後に『[[北条氏照]] 秀吉に挑んだ義将』として[[PHP研究所]]から文庫化)と『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』(後に『虚けの舞』として[[講談社]]から文庫化)を書き、叢文社や彩流社から半ば自費出版のような形で刊行する。
 
2005年頃に勤めていたコンサルティング会社(日本ビジネスクリエイト株式会社)の社長(長谷昭)に献本したところ、「面白い」となり、長谷が電通出身で出版業界にコネクションがあったため、人を介して、当時[[角川書店]]で文芸編集長を務めていた[[新名新]]を紹介された。一読した新名は伊東の才能を見抜き、徹底的にコーチングした末、2007年に『武田家滅亡』でメジャーデビューさせる。
 
== 作風 ==
質実剛健で男っぽい作風を旨とする。自分の強みを常に意識していれば「ハズレなし」を実現できると主張し、歴史解釈力とストーリーテリング力を融合させた作風を持ち味とする。
 
デビュー当初は戦国関東を舞台にした歴史小説が少ないため、[[北条氏]]と[[武田氏]]をメインに据えて書いていたが、次第に[[上杉氏]]、[[徳川氏]]、[[織田氏]]なども手掛け、さらに戦国以外の時代も取り上げ始めている。とくに幕末から明治維新期の作品は多く、[[大鳥圭介]]、[[村田新八]]、[[川路利良]]らを取り上げた。
 
また歴史ノンフィクション作品も手がけ、本人は「[[海音寺潮五郎]]氏や[[南條範夫]]氏の築いた史伝の伝統を、次世代に伝えていきたい」とインタビューで語っている。
 
『横浜1963』『ライトマイファイア』『真実の航跡』といった近現代物を手掛けている。
 
== 対外関係 ==
いち早く出版エージェントの存在に注目し、2015年から佐渡島庸平率いる(株)コルクと契約している。その後、コルクとは密接な関係を保って今に至っている。
 
佐渡島庸平の提唱するコミュニティ活動にも熱心で、二カ月に一度の頻度で行われる「伊東潤の読書会」、読者と一緒に城跡や名所旧跡をめぐる「伊東潤のオフ会」を開催している。
 
またメールマガジンの発行にも熱心で、一月に二度の頻度で発行している。内容は歴史から文学にわたる。
 
== エピソード ==
=== 文壇 ===
浅田次郎との初対面の折、「たいていの作家は見た目と作品のギャップが著しいが、君はまったくずれていない」と言われ、褒められたと思って喜んだという逸話がある。
 
ある文壇のパーティで、面識のない東野圭吾がにこにこ笑いながら近づいてきたので、自作を褒めてくれると思い込み、先んじて「ありがとうございます」と言って頭を下げたが、東野は伊東の背後にいる友人に近づいてきたと分かり、その場に居づらくなって帰ったという。
 
=== 城めぐり ===
2003年頃から「お城めぐりファン」というメーリングリストに加入し、城めぐりのオフ会に参加し始める。日本全国津々浦々の古城をめぐり、2019年時点で550城前後の城をめぐっている。
 
こうした趣味が高じて、『城を攻める 城を守る』『歴史作家の城めぐり』というお城ガイド的作品も出している。またNHK第一放送の「まいあさラジオ」内の「城めぐりのススメ」のコーナーは、2015年から月二回の頻度でレギュラー放送している。2019年4月からは月一度になったが、5年目を迎えている。2017年から始まった「お城EXPO」にも毎年出演し、講演を行っている。
 
=== 合戦祭り ===
2003年頃から合戦祭りに参加し始め、2011年に引退するまで50前後の祭りに参加した。とくに「山中城まつり」と「川中島合戦絵巻」には毎年のように出演していた。自前甲冑も所持しており、小説家になった頃は、自宅内で甲冑に着替えてから書いていた。本人によると、「誰かに背中を押されるように筆が進んだ」とのこと。
 
=== ロック系アーティストとの交友 ===
好きな音楽のジャンルはプログレッシヴロックで、イタリアンロックをとくに好み、来日アーティストのライヴにはほとんど行っている。
 
音楽好きが高じ、日本を代表するプログレバンドの一つである金属恵比須とコラボレーションをし、2018年に金属恵比須が『武田家滅亡』というアルバムを出した際、二曲に歌詞を提供している。また2019年に同バンドが、伊東の短編小説からインスピレーションを受けた『ルシファーストーン』という曲を作ったが、こちらでも作詞という形で歌詞を提供している。
 
日本を代表するデスメタルバンド「兀突骨」の高畑治央は伊東作品の大ファンで、それが縁で伊東が「兀突骨」の5thアルバム「背水之陣 ~The Final Stand~」の帯の言葉を書き、同バンドのライヴにも行っている。
 
=== テレビ出演 ===
2013年の『日本史探求スペシャル ライバルたちの光芒 ~宿命の対決が歴史を動かした』以来、歴史番組には多数出演している。数多く出演した番組は『[[英雄たちの選択]]』『高島礼子・日本の古都 ~その絶景に歴史あり』『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』『諸説あり』。
 
== 文学賞受賞・候補歴 ==
 
=== 文学賞受賞 ===
* [[2011年]](平成23年)- 『黒南風の海』で[[本屋が選ぶ時代小説大賞]]2011受賞<ref>{{Cite web|url=https://shuchi.php.co.jp/article/436|title=本屋が選ぶ 時代小説大賞 2011 受賞作|date=2011-11-25|publisher=[[PHP研究所]]|accessdate=2020-05-13}}</ref>。
 
* [[2012年]](平成24年)- 『国を蹴った男』で第34回[[吉川英治文学新人賞]]受賞<ref>{{Cite web|url=https://www.kodansha.co.jp/award/yoshikawa_bn/list.html|title=吉川英治文学新人賞過去受賞作|publisher=[[講談社]]|accessdate=2020-05-13}}</ref>。『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回[[歴史時代作家クラブ]]賞作品賞、受賞<ref name=PHP2015>{{Cite journal|journal=[[PHP文芸文庫#文蔵|文蔵]]|date=2015-01-15|publisher=[[PHP研究所]]|volume=112|chapter=第20回中山義秀文学賞受賞作決定!}}</ref><!--電子版に付きページ番号無し-->。『巨鯨の海』で第4回[[山田風太郎賞]]受賞<ref>{{Cite web|url=https://awards.kadobun.jp/yamadafutaro/past_awards/04.php|title=第四回 山田風太郎賞が決定|date=2013-10-28|publisher=[[KADOKAWA]]|accessdate=2020-05-13}}</ref>。
* [[2011年]](平成23年)- 『黒南風の海』で'''本屋が選ぶ時代小説大賞2011'''受賞。
* [[20122014年]](平成2426年)- 『国を蹴った男峠越え』で'''3420吉川英治[[中山義秀文学新人賞'''受。『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回[[歴史時代作家クラブ]]賞作品賞、受賞<ref name=PHP2015 />。『巨鯨の海』で'''41回[[山田風太郎高校生直木賞]]'''受賞<ref>{{Cite web|url=http://koukouseinaoki.com/choose/list.html|title=過去の受賞作&候補作一覧|date=2013-10-28|work=[[高校生直木賞]]|accessdate=2020-05-13}}</ref>
* [[2014年]](平成26年)- 『峠越え』で'''第20回中山義秀文学賞'''受賞。『巨鯨の海』で'''第1回[[高校生直木賞]]'''受賞。
 
=== 候補歴 ===
* [[2011年]](平成23年)- 『戦国鬼譚 惨』で第32回[[吉川英治文学新人賞]]候補。『城を噛ませた男』で第146回[[直木三十五賞]]候補<ref>{{Cite web|url=https://www.oricon.co.jp/news/2005583/full/|publisher=[[オリコン]]|title=第146回直木賞は葉室麟氏『蜩ノ記』が受賞|date=2012-01-17|accessdate=2020-05-13}}</ref>
 
* [[2011年]](平成23年)- 『戦国鬼譚 惨』で第32回[[吉川英治文学新人賞]]候補。『城を噛ませた男』で第146回[[直木三十五賞]]候補。
* [[2012年]](平成24年)- 『黒南風の海』で第18回[[中山義秀文学賞]]候補。
* [[2013年]](平成25年)- 『国を蹴った男』で第148回直木賞候補<ref>{{Cite web|url=https://www.oricon.co.jp/news/2020660/full/|publisher=[[オリコン]]|title=第148回芥川賞は史上最高齢で黒田夏子氏 直木賞は朝井リョウ氏と安部龍太郎氏の2作|date=2013-01-16|accessdate=2020-05-13}}</ref>。『巨鯨の海』で第149回直木三十五賞候補<ref>{{Cite web|url=https://www.kinokuniya.co.jp/c/20130711153707.html|publisher=[[紀伊國屋書店]]|title=第149回芥川賞・直木賞の候補作が発表されました。|date=2013-07-11|accessdate=2020-05-13}}</ref>。
* [[2013年]](平成25年)- 『巨鯨の海』で第149回直木三十五賞候補。『国を蹴った男』で第148回直木賞候補。
* [[2014年]](平成26年)- 『王になろうとした男』で第150回直木三十五賞候補<ref>{{Cite web|url=https://www.oricon.co.jp/news/2032178/full/|publisher=[[オリコン]]|title=第150回「芥川賞・直木賞」候補11作決まる いとうせいこう氏が2回目の選出|date=2013-12-20|accessdate=2020-05-13}}</ref>
* [[2016年]](平成28年)- 『天下人の茶』で第155回直木三十五賞候補<ref>{{Cite web|url=https://www.oricon.co.jp/news/2075322/full/|publisher=[[オリコン]]|title=第155回「芥川賞」に村田沙耶香氏『コンビニ人間』 直木賞に荻原浩氏『海の見える理髪店』|date=2016-07-19|accessdate=2020-05-13}}</ref>
 
== 作品 ==
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=== 実用書 ===
 
* 天下人の失敗学 - 2009年、講談社
* 敗者烈伝 - 2016年、実業之日本社
 
=== 歴史ノンフィクション ===
 
* 関東戦国史と御館の乱 - 2011年、洋泉社、[[乃至政彦]]:共著
* 武士の王・平清盛 - 2011年、洋泉社