「A・E・ヴァン・ヴォークト」の版間の差分

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== 戦後の変化 ==
1944年、ヴァン・ヴォークトは[[ハリウッド]]に移り、[[第二次世界大戦]]が終わると彼の作風は新たな次元へと進化した。ヴァン・ヴォークトは常々、知識の網羅的体系という考え方に興味を持っていた。初期の作品(ビーグル号)にも 'Nexialism' (ネクシャリズム)と名付けた総合的学問によって異星人の行動を分析するという話が出てくる。
 
またこの頃注目を集めていた[[アルフレッド・コージブスキー]]の[[一般意味論]]に興味を持ち、これをテーマとして2冊の長編『非Aの世界』、『非Aの傀儡』を書く。「非A(Null-A)A、なる・えー)」の「A」は「アリストテレス」の略であり、一般意味論の別名「非アリストテレス的論理」を意味し、再帰的かつ条件付きの[[演繹]]的推論よりも、[[直観]]的な[[帰納]]的推論を重視し、それを実践するための能力の開発を唱えたものである。1980年代にはこの3作目 ''Null-A Three'' を書いている。
 
ヴァン・ヴォークトはまた、戦後明らかになった[[全体主義]][[警察国家]]の内情に大きな衝撃を受けた。彼は大陸の中国を舞台にした主流小説 ''The Violent Man'' (1962年)を書いた。この執筆のために中国に関する本を100冊ほど読んだという<ref name="HLDrake" />。同時に、彼は[[専制君主制]]を擁護するような小説も書いている<ref name="DK">{{cite book|last=Knight|first=Damon|authorlink=デーモン・ナイト|year=1967|title=In Search of Wonder|location=Chicago|publisher=Advent}}</ref>。具体例として、《武器店》シリーズや『宇宙嵐のかなた』がある。
 
ヴァン・ヴォークトは、原語で800語前後に分けられた一場面ごとに冒頭と末尾で状況の簡潔な描写を行い、その中に起承転結の山場を盛り込む独特の構成方法を特徴としている。時間軸を錯綜させることもよくある。その創作技法を考案した原点として、Thomas Uzzell の ''Narrative Technique'' と [[:en:John Gallishaw|John Gallishaw]] の ''The Only Two Ways to Write a Story'' と ''Twenty Problems of the Short-Story Writer'' を挙げている<ref>[[アレクセイ・パンシン|Alexei Panshin]], ''[http://www.enter.net/~torve/articles/vanvogt/vanvogt1.html The Abyss of Wonder, Man Beyond Man, The Early Stories of A. E. van Vogt]{{リンク切れ|date=2014年9月}}''.</ref>。