「強情灸」の版間の差分
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== あらすじ ==
通りかかった知り合いが唸っているので、気になった男、家に招き寄せる。聞けば何でも体がだる
「このお灸な、凄まじく熱いんで評判
余りにも熱すぎるので、せっかく来た
「俺がもらったのが『への36番』、行列のどん尻だぜ。これじゃ日が暮れちまう、帰ろうかなって思ったらヨ、先に並んでた綺麗なお嬢さん
早速内に入る
頭にきた友人、上半身裸になるや「さあ据えてくれ!」と怒鳴る。灸を36箇所に据えると言われ、なおも意気がった友人、「全部いっぺんに据えろ!」と一喝。啖呵に店の者も釣り込まれ、本当に全部いっぺんに据えてしまった。
身体中から煙(けぶ)が上がる……一つで飛び上がるような灸を、36個いっぺんに据えたんだからどうなるか……
「
自業自得で熱い目に遭ってきて帰り道で唸っているような間抜けの、体もないノロケ話を聞かされ、呼び込んだ方の男は面白くない。元来こちらも同類の[[馬鹿]]である。「たかだか灸ぐらいで威張るな」と、奥から[[艾|もぐさ]]を持ってきて、腕に山盛りに積み上げるや早速点火。
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火勢が強まり、煙が上がる。男、脂汗を流しつつ歯を食いしばる。
「うう……灸ぐらいで威張るな、[[石川五右衛門]]なんか、油で茹でられたのに平気で[[辞世の句]]を詠ん
とうとう辛抱たまらずもぐさを払い落とし、なおも「五右衛門……」と唸っている男に友人が意地悪く声をかける。
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なお、もぐさを払い落とさせず、「石川五右衛門」を連発しながら無茶な熱を我慢する男に、友人が意地悪に質問したところで、顔を引きつらせつつ耐えながら、絞り出すように「五右衛門も……さぞ、熱かったろう」と答えてサゲにする形もある。
また、伝・石川五右衛門の辞世を語ってみせるところで、熱さによる錯乱の余り「~浜の真砂は尽きるとも むべ山風を嵐と言ふらむ」と[[小倉百人一首|百人一首]]が混入するパターンもある(5代目志ん生など)。
*吹くからに 秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐と言ふらむ([[文屋康秀]])
**あまりに無意味な内容から百人一首の中でも札付きの駄作と評される歌だが、その馬鹿馬鹿しさがかえってネタとして買われているのか、古典落語で和歌が引用されるくだりには(まったく意味もなく)頻出する。
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