「心筋炎」の版間の差分

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==原因==
: ヒト
::[[細菌]]、[[ウイルス]]、[[クラミジアオウム病|クラミジア]]、[[マイコプラズマ]]、[[真菌]]、[[寄生虫]]などの感染によって発症する例が多く、なかでも[[ピコルナウイルス科|ピコルナウイルス]]科の[[コクサッキーウイルス|コクサッキー]]B群ウイルスが心筋炎の原因になりやすいと言われている。[[HIVヒト免疫不全ウイルス]](HIV)感染症や[[C型肝炎]]ウイルスの感染も心筋炎発症の原因となる。また、[[感染症]]以外にも、薬物や代謝障害、免疫異常、妊娠なども原因となる。<ref>{{Cite web|url=http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_izumi_h.pdf|title=急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン|accessdate=2019/12/26|publisher=}}</ref>
: 犬
:: 心筋炎の原因となるもののうち、感染性のものとしては、ウイルスとして'''コクサッキーB群ウイルス'''(最多)、脳心筋炎ウイルス、[[パルボウイルス#犬パルボウイルス|犬パルボウイルス]]、口蹄疫ウイルス、犬ジステンパーウイルス、ヘルペスウイルス、オーエスキー病ウイルス、豚生殖器呼吸器症候群ウイルス、悪性カタル熱ウイルス、ブルータングウイルスなど、細菌として''[[:en:Listeria monocytogenes|Listeria monocytogenes]]''、''Actinobacillus equuli''、''Haemophilis somnus''など、原虫として[[トキソプラズマ]]、[[トリパノソーマ]]などがある。
 
== 症状と所見 ==
急性心筋炎は、無症状の場合もあるが、多くは感冒様症状 ([[風邪|かぜ]]症候群]]) や消化器症状などの前駆症状を伴う。前駆症状の1〜2週間後に、胸痛、[[心不全]]症状、[[ショック]]、[[不整脈]]などの症状を呈する。
 
上述のとおり、心筋炎は特徴的な所見に乏しい疾患であるが、かろうじて特徴を見いだせるのが[[心電図]]である。心筋炎の急性期には、ほとんどの症例で完全[[房室ブロック]](II, III度)、陰性T波、ST変化、[[心室性期外収縮]](PVC)などの異常が見られる。また、これらに比べると稀ではあるが、[[心室頻拍]](VT)、異常Q波、[[心房細動]](AF)などが見られることもある。
: 非特異的ST変化はほぼ全例に認められる。R波減衰、異常Q波は、ほぼ半数に認められる。
 
また、心筋細胞の障害をきたすことから、一般生化学検査においては心筋逸脱酵素([[クレアチンキナーゼ|CPK]], [[アスパラギン酸アミノ基転移酵素|AST]], [[乳酸脱水素酵素|LDH]])が上昇する。[[トロポニンT]]Tは迅速診断キットがあり、早期から異常を呈し、心筋特異的物質であることから、診断に特に有用である。[[脳性ナトリウム利尿ペプチド|BNP]],NT-proBNPは心機能の把握に有用である。
 
[[心臓超音波検査|心エコー]]では、軽度の内腔拡大と心膜液貯留のほか、左室の壁運動低下と駆出率の著明な低下、壁肥厚などが認められる。