「ガス圧作動方式」の版間の差分

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多くの場合、ピストンがボルトキャリアと一体化した構造となっており、ガス導入孔から導かれた発射ガスの圧力で後方に押されたピストンおよびボルトキャリアが後退し、遊底の閉鎖を解除して後退させる構造となっている。<ref>自衛隊の89式小銃では、ピストン部を分離させた緩衝撃ピストンを使用している。</ref>
 
構造が比較的単純で各部品を大きく作れるため高強度の設計が可能であり、作動す。また、ボルトグループ(ピストン、ボルトキャリア、遊底)の質量・慣性が大きくなるため作動が安定する。一方で、重いボルトグループの作動により重心変動が大きく、遊底が最後部まで後退した時の衝撃も大きくなるため、フルオート連射時の命中精度の低下を招きやすく(とくに通常の肩撃ちでは)射手への負担も大きいという欠点も有する。
<ref>[[AK-107|AK-107/108]]では、ガス・ピストンの後退による重心の移動を相殺するために、ガス・ピストンとボルト・グループに相当する重量のバランス部品が装着されている。<br />
ガス・ピストンとボルトが後退する際に、ガス圧をバランス部品にも伝えて逆進させ、重心の移動を抑制してフル・オート射撃時の射撃姿勢を安定させる事を目的としたものである。<br />
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ボルトキャリアとは独立したピストンのみが短距離を後退し、その後退時に生じた玉突き衝突の慣性のみでボルトグループ(ボルトキャリア、遊底)が後退する方式。その動作から“玉突き式”とも呼ばれる。
 
ロングストロークピストンに比べてボルトグループの質量は小さいうえ部品点数も多くなるため作動が不安定となりやすいが、反動による銃身のブレや射手への負担が抑制され射撃時の安定性が高くなる利点も有する。
 
[[U.S.M1カービン|M1カービン]]開発時に、[[.30カービン弾]]の腔圧では反動の大きいロングストローク式の採用が難しいため{{仮リンク|デビッド・ウィリアムズ|en|David Marshall Williams}}技師により考案された。
 
自動小銃としては主に西側陣営において使用され、フルサイズのライフル弾である[[7.62x51mm NATO弾]]をはじめとした大口径弾を用いた小銃が歩兵の標準となっていた時代に、可能な限り(とくに連射時の)射撃時の反動を軽減する目的で採用されていた。その後、[[5.56x45mm NATO弾]]を用いた小銃が歩兵の標準となってからは、前述したようにロングストロークピストンの方が主流となっていたため採用は減った。しかし、2000年代以降に開発された[[アサルトライフル]]では再び多用され、ほぼ必ずと言っていいほどこの方式が採用されており、現代のアサルトライフルではむしろありふれた方式となっている。
 
;採用例