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[[File:Blair House daylight.jpg|thumb|right|325px|ブレアハウス]]
'''ブレアハウス''' (Blair House) は、[[アメリカ合衆国大統領]]の賓客が宿泊する施設。[[ホワイトハウス]]の北西、大統領府の一画を成す[[アイゼンハワー行政府ビル]]から[[ペンシルベニア大通り]]を挟んだ北側に位置する。
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1980年代には、今度はブレアハウスの方に大規模な改修工事が施された。旧ブレア邸側と旧リー邸側の間に残っていた内部の壁はすべて取り除かれ、また裏手には新たに北棟が増築された。さらに隣接するトローブリッジハウスが連結されて、これが元大統領がワシントンを訪問する際にはいつでも使用できる宿泊所として整備された(アメリカでは退任した大統領も儀礼上は生涯大統領として接遇される)。この結果、4棟の総部屋数は119室、総床面積は7万平方フィートを超え、ホワイトハウスの本館・[[ホワイトハウス#レジデンスの施設|レジデンス]]よりも規模の大きい施設となった。それでいてペンシルベニア大通りからの外観は建築当初からほとんど変わらないため、ブレアハウスは外観は小さな3階建て、内部は両脇の建物をぶち抜きさらに奥深く広がる壮大な邸宅という、独特のコントラストを見せることになった。ブレアハウスを初めて訪れる外国元首の多くは、まず旧ブレア邸の外観とそのこぢんまりとした入り口に困惑の表情を隠せず、しかし一歩中に立ち入ると今度はその広大さに驚きの表情を隠せないという。<!--なお、なぜ全棟一体に見えるよう外壁を塗り直さないのかは未だ不明。--><!--薮蛇-->
 
== 逸話 ==
=== 姻戚の因縁 ===
フランシス・ブレアの娘・エリザベスの夫となったサミュエル・リーは、[[南北戦争]]で[[アメリカ連合国|南軍]]を率いた[[ロバート・E・リー|ロバート・リー]]将軍の再々従弟にあたる。一方エリザベスの兄で、ブレア家を継いだ[[フランシス・プレストン・ブレア・ジュニア|フランシス・ブレア・ジュニア]]は、南北戦争で[[アメリカ合衆国|北軍]]の将校として各地を転戦した歴戦の勇士だった。南北戦争でリー将軍の好敵手として知られたのが北軍を率いた[[ユリシーズ・グラント]]将軍だったが、フランシス・ジュニアはこのグラントと折り合いが良くなかった。戦後、1868年の大統領選にグラントが[[共和党 (アメリカ)|共和党]]から立候補すると、フランシス・ジュニアは[[民主党 (アメリカ)|民主党]]のホレイシオ・シーモア候補の副大統領候補として出馬したが、圧倒的な人気を誇るグラントの前にあえなく敗北している。このときもし民主党が勝利してフランシス・ジュニアが副大統領になっていたら、ブレアハウスは後々まで副大統領府となっていたかもしれなかった。現在の副大統領府は、このブレアハウスからペンシルベニア大通りを隔てて建つアイゼンハワー行政府ビルの中にある。
 
=== 英雄の顕彰 ===
[[歴代アメリカ合衆国大統領の一覧|歴代のアメリカ大統領]]の中には暗殺されたり狙撃されて重傷を負ったりした者が少なくない<!--(しかも被害に遭った全員が、末尾にゼロの付く年に就任しており、これは「[[テカムセの呪い]]」として知られている)--><!--脱線トリビア-->。暗殺計画や未遂事件も枚挙に暇がないが、日本の[[五・一五事件]]や[[二・二六事件]]のように[[世界の官邸|官邸]]であるホワイトハウスが襲撃されて大統領に危害が及んだことだけはこれまでに一度もない。唯一、あわや、という事件が起きたのはこのブレアハウスにおいてだった。1950年11月1日、[[プエルトリコ]]独立運動の過激分子二人組がブレアハウスに居住するトルーマン大統領の暗殺を企て同家屋内に浸入しようとした。しかしこれを察知した[[シークレットサービス]]とたまたま居合わせた警護担当警察官の[[:en:Leslie Coffelt|レスリー・コッフェルト]]との間で銃撃戦となる。コッフェルトが犯人の一人を射殺することに成功したこともあって大統領は無事だったが、コッフェルト自身も被弾して4時間後病院で死亡した。現在ブレアハウスの玄関脇にはこのコッフェルトの殉職を顕彰する銅製刻板が置かれている。
 
=== 盟友の激励 ===
ブレアハウスはアメリカ合衆国の元首である大統領の賓客が宿泊する施設なので、ここに滞在する人物は大統領と「同格」である各国の君主や元首が圧倒的に多い。[[首相]]は行政府の長であって国家の元首ではないので、[[外交プロトコル]]上かならずしも君主や元首と同等の待遇を受けるものとは限らない。しかしそこはあくまでも大統領個人の賓客のための施設だけあって、大統領は時に気心の知れた親しい首相をブレアハウスに泊めて親しくもてなすことがある。日本の総理では[[ジョージ・W・ブッシュ|ブッシュ大統領]]と極めて親密な関係にあった[[小泉純一郎]]がブレアハウスに滞在しているが、これが2001年の[[9/11テロ]]から二週間と経たない、首都ワシントンがまだ戒厳下ある時期だったので大きな話題となった。小泉はゲストブックへの署名に、次のような異例の激励の言葉を添えている。
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== 関連項目 ==
* [[キャンプ・デービッド|キャンプデービッド]]
* [[迎賓館|赤坂迎賓館と京都迎賓館]]
 
== 外部リンク ==
{{commonscat|Blair House}}
* [http://www.blairhouse.org/home.html 公式サイト](英語)
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