「青青の時代」の版間の差分

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 本作の主人公の少女。戦乱を逃れて島にたどり着き、義理の叔父の家にばばさまとともに居候していたが、叔父が戦死すると家を追い出される。村人たちからの迫害・暴力を受けながら放浪生活を続け、狗智日子に出会って大和に渡る。そして、彼女の意図しないところで巫女の血が働き、権力闘争に巻き込まれて行く。
*照日女(ティラヒルメ)=ばばさま
 壱与の祖母。気がふれた老婆(実際は60代、当時の基準としては老婆)。先代の聞こえさまとして名を馳せたが、ヒミコの陰謀によって転落、大和に渡った後病気が悪化し、亡くなる。
*鮪(シビ)
 島のクロヲトコ(葬儀を司る職の者一族)。先祖代々クロヲトコで、その証拠に足首に刺青をしている。その職業故に村人たちから忌み嫌われていたが、壱与には懐かれる。壱与に誘われて大和に渡り、そこで兵士として従軍したり日子殺害容疑をかけられたりと、様々な出来事に遭遇する。
*太郎(タラ)
 壱与の義理の従兄(叔父の長男)。島では壱与を率先していじめていた。また、戦死した父の代わりに大和に渡り、そこで壱与やシビと再会する。彼の所業は物語を進行させる上で重要な役割を果たす。
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 前王の第一王子。妾腹ながらエヒコよりわずかに早く生まれ、さらにヒミコの後ろ盾があったため第一王子になっていた。巨漢。敵国の兵に暗殺され、シビがその濡れ衣を着せられる。
*兄日子(エヒコ)
 第二王子。正室の長男(つまり、本来なら第一王子になるはずであった)。姓は天(アマ)。権力闘争の過程で狗智日子に暗殺される。
*弟日子(オトヒコ)
 第三王子。正室の次男。一番年下なので甘ったれな部分があり、いつもエヒコと一緒に行動していた。狗智日子に暗殺されそうになるが間一髪で難を逃れ、壱与たちに助けられながら権力闘争を乗り切り、精神的にも王家の者にふさわしく成長していく。
*狗智日子(クチヒコ)
 第四王子。壱与たちを大和に迎えた張本人。人質であった敵国の王女の子供であるため、4人の王子の中では最も年上だが身分が低く、正妻も居ない。神権政治の時代は終わったと考え、自分が王として政権を執るため他の兄弟を殺そうとし、ヒミコを蹴落とすためにアヨを利用した。そして弟日子が行方不明の間に勝手に即位するが……
*天日男(アマヒルオ)
 前王。4人の王子の父親で、ヒルメ・ヒミコとは片親を同じくする兄妹。彼が崩御した事で、4人の王子の権力闘争が表面化する。
*アヨ
 ヒミコのもとに仕える女官。豪族の娘。狗智日子に好意を抱いた所につけこまれ、彼の策略に利用され……脇役ながら物語終盤まで登場し続け、ある意味では重要人物。
 
*聞こえさまの資格を持つのは王族の血を引く処女である。一般的には、王の代替わりに伴って聞こえさまも交代し、新王の姉妹が就任する。この制約が、壱与の運命に関わってくる。