「虚数単位」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
28行目:
虚数単位 {{mvar|i}} の導入は、実係数の[[三次方程式]]が相異なる 3 個の実数解を持つ場合、係数の[[算術|加減乗除]]と実[[冪根]]では解が表せず([[還元不能]])、負の数の平方根を取ることが必要になることが分かる過程で行われていった。
 
同様に、'''「複素数全体 {{math|'''C'''}} にさらに複素数でない新たな虚数単位 {{mvar|j}} を含む最小の添加した」'''の元を[[四元数]]という。このとき、{{math|''ij'' {{=}} ''k''}} とおくと、{{mvar|k}} も虚数単位である。すなわち {{math|''k''{{sup|2}} {{=}} −1}} を満たす。この {{math2|''i'', ''j'', ''k''}} をそのまま虚数単位とすることもできるが、複素数体の場合に {{math|−''i''}} を {{mvar|i}} と置き直しても同じ構造であるのと同じように、四元数体 '''H''' においても、虚数単位を取り直すことができる。すなわち、'''R'''{{sup|3}} の[[正規直交基底]]を一組選び、
:<math>f : \mathbb{R}^3 \to \mathbb{H} \quad ((a,b,c)\mapsto ai+bj+ck)</math>
によって写した像を新たに {{math2|''i'', ''j'', ''k''}} とおいて虚数単位としてもよい。基底を[[左手系]]に取ると {{math2|''ij'' {{=}} &minus;''k''}} となってしまうので、数学的な必然性はないが、慣習として右手系が選ばれる。