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'''スティーブン・ミルハウザー'''('''Steven Millhauser'''
1972年、『エドウィン・マルハウス』でデビュー。11歳
次作『ある浪漫主義者の肖像』、1986年に出版された『モルフェウスの国から』
中編集『三つの小さな王国』、短編集『バーナム博物館』を経て、20世紀初頭のホテル経営者マーティンのアメリカン・ドリーム実現と失墜を描いた、ミルハウザーにしてはいささか社会性の強い長編『マーティン・ドレスラーの夢』で[[ピューリッツァー賞]]を受賞。
にわかにミルハウザー再評価の空気が流れるも、本人はほとんど白けていたらしい。次作の『ナイフ投げ師』、『Enchanted Night』、『The King in the Tree』で
2006年、短編「幻影師、アイゼンハイム」を原作にした映画『The Illusionist』が[[エドワード・ノートン]]主演で公開された。
その作風は[[エドガー・アラン・ポー]]や[[ナサニエル・ホーソーン]]などのアメリカ浪漫派の流れを汲み、[[ボルヘス]]や[[イタロ・カルヴィーノ]]や[[ナボコフ]]的な知的遊戯も見られるが、むしろ最大の影響源はドイツ浪漫派か。[[トーマス・マン]]、[[ホフマン]]、[[クライスト]]などの影響は特に色濃く、中でもトーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』『ヴェニスに死す』はその最たる例。ミルハウザー作品に常に登場する“天才的な才能を持ちながら、現実および商業主義に敗退し、破滅する芸術家”はおそらくこの二作から取られている。(比較的ありがちなモチーフではあるが。)また、ひたすら現実に目を背ける天才と、現実的かつ才能もありながら決して天才ではないキャラクター、という対比が頻出するため、しばし映画[[アマデウス]]のモーツァルトとサリエリを絡めて語られる。▼
==作風==
評論家の三浦雅士氏によると、ミルハウザー作品は2タイプに分けることが出来る。現実のミニアチュールを作ることに憑かれた男の物語と、ミルハウザーが空想した架空の世界を肌理細やかに描写して提示する構築的な散文詩の作品だだ。大方はこれで説明がつきそうだが、目立たない存在ではあるものの、ミルハウザーには女性を主人公とした作品が存在する。これは大抵の場合、堅固に見えた現実の中に潜む危機的な状況の前でなすすべもなく立ちすくむ、といったリアリズム小説の体裁を取る。▼
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▲評論家の[[三浦雅士
本人は「もっともインスピレーションを受けた作品」としてポーランドの前衛作家[[ブルーノ・シュルツ]]の『大鰐通り』と、イギリスの歴史家[[R・D・オールティック]]の『ロンドンの見世物』を挙げており、美の極致を行くような艶かしい文体、懐古趣味的なオブジェの羅列とその微に入り細を穿った描写といった点でこれらの作品との類似が見られる。▼
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==作品リスト==
*『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死』(''Edwin Mullhouse: The Life and Death of an American Writer 1943-1954, by Jeffrey Cartwright'')、1972年
*''Portrait of a Romantic'' (1977)
*『イン・ザ・ペニー・アーケード』(''In the Penny Arcade'')、1986年
*『モルフェウスの国から』(''From the Realm of Morpheus'')、1986年
*『バーナム博物館』(''The Barnum Museum'')、1990年
*『三つの小さな王国』(''Little Kingdoms'')、1993年
*『マーティン・ドレスラーの夢』(''Martin Dressler: The Tale of an American Dreamer'')、1996年 - ピューリッツァー賞受賞
*『ナイフ投げ師』(''The Knife Thrower '')、1998年
*''Enchanted Night'' (1999)
*''The King in the Tree'' (2003)
==外部リンク==
* [http://www.randomhouse.com/boldtype/1199/millhauser/ ランダムハウス社の著者紹介]
[[Category:1943年生|みるはうさ すていふん]]
▲[[category:アメリカ合衆国の小説家|みるはうさ]]
[[de:Steven Millhauser]]
[[en:Steven Millhauser]]
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