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キツツキの場合、自力で幹に穴を掘ってしまう。彼らは多くの場合、ほぼ垂直の幹の側面から穴を掘り、下向きに掘り進める。
 
 
'''幹に形成される防御層'''
 
健全な広葉樹において、枝が折れたり枝を剪定したりすると、木部に防御層が形成され、腐朽の進行が妨げられる。
 
主な防御層は、以下の場所に形成される。
 
●枝の正しい剪定箇所(コレクトカット)である、枝の又にある皺(ブランチバークリッジ)と枝の下の膨らみ(ブランチカラー)を切り残した最短距離の面の幹側。
 
●枝が折れたり剪定したりした場合、枝を包むようにトランクカラーが盛り上がって成長するが、枝が発生したころからの組織が枝の周囲を包むトランクカラーに差し込む、擂鉢状の形の幹側。
 
●大きな枝が折れたり剪定したことで、樹勢にダメージがかかり、幹へ腐朽が進行しそうになった場合、樹木の傷を受けた枝の組織が腐朽しても、それ以上腐朽が進行しないように、木部に放射状に、傷を受けた場所の両側。
 
●樹勢に大きなダメージがかかり、幹への腐朽が更に進行しそうになった場合、ダメージを受けた時点の木部の外側である晩材。
 
これらの防御層が形成されるため、健全な広葉樹において、枝が折れたり剪定したりすると、枝の組織は枯れても、なかなか幹の組織までは腐朽が進行しない。
 
<ref>{{Cite book|title=E de wakaru jumoku no chishiki.|url=https://www.worldcat.org/oclc/825140746|publisher=Kodansha|date=2012.6|isbn=978-4-06-154763-6|oclc=825140746|others=Hori, Taisai, 1947-, 堀, 大才, 1947-}}</ref>
 
 
 
'''ブランチホールの形成'''
 
広葉樹において、枝元直径10cm以上の枝を、枝の又にある皺から15cm以上の長さの切り残し(スタブカット)を切り残すことで、癒合を阻害して、切り残し部分の腐朽によってブランチホールを形成させ、樹洞営巣性動物の生息場所とすることができる。
 
スタブカットは葉からの栄養を得ることができず枯れ、枯れ枝を包むようにトランクカラーが盛り上がって成長するが、スタブカットの先端までトランクカラーが成長した場合、もしくはその前にスタブカットが腐朽した場合、その位置でトランクカラーが内側に巻き込み、窓枠材(ラムズホーン)が形成される。
 
スタブカットの先端側に小枝が出た場合、その都度芽掻きをして、小枝を除去するメンテナンスが必要である。
 
 
'''形成されるブランチホールの大きさ'''
 
●健全な広葉樹において、スタブカットを切り残した場合、空洞化する腐朽部分の最大内径は、スタブカット切断時のコレクトカットの位置の枝元直径となる。
 
●スタブカットの先端側は、形成されるラムズホーンの成長に従って、樹洞の入口内径は次第に小さくなってゆき、最後には癒合して塞がる。
 
●ラムズホーンの幹側の内径は、スタブカットの先端、もしくはスタブカットが腐朽した箇所の、スタブカットの直径となる。
 
●樹洞の長さは、コレクトカットの位置もしくは枯枝の組織が差し込む擂鉢状の形に形成される防御層の位置と、スタブカットの小口の位置もしくはスタブカットが腐朽した位置までの長さから、ラムズホーンの成長に従って少しずつ短くなってゆく。
 
== 洞を隠れ場所にする動物 ==