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| 視等級 = 10.10{{R|simbad}}<br />10.10 - 11.50{{R|Samus’Kazarovets2017}}
| 変光星型 = [[オリオン変光星|オリオン型]] (INST){{R|Samus’Kazarovets2017}}
| 分類 = [[おうし座T型星]]
}}
{{天体 位置
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}}
 
'''オリオン座GW星''' (GW Orionis, GW Ori) は、[[太陽系]]から[[オリオン座]]の方向に約1,310 [[光年]]離れたところにある[[連星|三重連星系]]{{R|BergerMonnier2011|alma20200904}}。[[前主系列星]]の段階にあり、おうし座T型星に分類される{{R|BergerMonnier2011|alma20200904}}、連星を取り囲む巨大な原始惑星系円盤が存在する。
 
== 特徴 ==
約1 天文単位 (au) の距離で相互に周回するA星とB星と、このペアの周囲を約8 au 離れた軌道で公転するC星の3つの星からなる三重連星系{{R|alma20200904|CzekalaAndrews2017}}で、これらの星を取り囲む大きな原始惑星系円盤が存在する{{R|BergerMonnier2011|alma20200904}}。この原始惑星系円盤は、珍しい3層のリング構造を持っており{{R|FangSicilia-Aguilar2017}}、
オリオン座GW星は、オリオン座&lambda;星周辺の星生成領域に位置しており{{R|FangSicilia-Aguilar2017}}、約1 天文単位 (au) の距離で相互に周回するA星とB星と、このペアの周囲を約8 au 離れた軌道で公転するC星の3つの星からなる三重連星系である{{R|alma20200904|CzekalaAndrews2017}}。誕生してから約100万年程度{{R|CzekalaAndrews2017}}と非常に若い星で、まだ[[核融合|水素核融合]]ではなく[[ケルビン・ヘルムホルツ機構]]で輝いている前主系列段階にある。主星Aはそのスペクトルと質量から[[B型主系列星]]の前駆体であるが、まだ[[ハービッグAe/Be型星|ハービッグBe型星]]まで進化していないものと考えられている{{R|FangSicilia-Aguilar2017}}。
 
== 原始惑星系円盤 ==
2020年8月、[[アルマ望遠鏡]]での観測によって、原始惑星系円盤の中に軌道傾斜角の異なる3つの塵のリングの存在を示す結果が得られたとする研究が発表された{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。リングの半径は、内側から46 au、188 au、338 auで、最も外側のリングは既知の塵のリングとしては最大の半径を持つ{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。3つのリングはいずれも3連星の軌道面に対して大きく傾いており、中でも最も内側のリングは他の2つのリングに対しても大きく傾いていることが判明した{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。
三重連星を取り囲んで巨大な[[原始惑星系円盤]]が存在するという珍しい構造を持ち{{R|BergerMonnier2011|alma20200904}}、[[連続スペクトル]]の観測結果から塵円盤は半径400 au、ガスは半径1300 auに亘って広がっているとされている{{R|FangSicilia-Aguilar2017}}。
 
2020年9月、[[カナダ]]の[[ビクトリア大学]]のジャーチン・ビー、[[工学院大学]]の武藤恭之らの研究チームは、[[アルマ望遠鏡]]を用いた観測から、原始惑星系円盤の中に軌道傾斜角の異なる3つの塵のリングが存在するとした研究結果を[[アストロフィジカルジャーナル]]誌に発表した{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。リングの半径は、内側から46 au、188 au、338 auで、最も外側のリングは既知の塵のリングとしては最大の半径を持つ{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。3つのリングはいずれも3連星の軌道面に対して大きく傾いており、中でも最も内側のリングは他の2つのリングに対しても大きく傾いていることが判明した{{R|alma20200904|Bivan der Marel2020}}。また同年同月、[[イギリス]]の[[エクセター大学]]のステファン・クラウスらのチームも、アルマ望遠鏡と[[超大型望遠鏡VLT|超大型望遠鏡]] (VLT) を使った[[サブミリ波]]と[[近赤外線]]による観測から、内側のリングが外側の領域に影を落としていることを明らかにし、内側のリングが連星の軌道面や外側のリングに対して傾いているとする研究結果を[[サイエンス]]誌に発表した{{R|alma20200904|KrausKreplin2020}}。[[惑星]]の有無に関しては、ビーのグループが3連星の影響だけではこのような構造は形成できないとして肯定的な見解であるのに対して、クラウスのグループは必ずしも惑星を必要としないとするシミュレーション結果を示しており、見解が分かれている{{R|alma20200904}}。
 
== 脚注 ==
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|doi=10.1051/0004-6361/201628792|arxiv=1705.01917|bibcode=2017A&A...603A.132F}}</ref>
 
<ref name="KrausKreplin2020">{{cite journal|display-authors=1
|last1=Kraus|first1=Stefan|last2=Kreplin|first2=Alexander|last3=Young|first3=Alison K.|last4=Bate|first4=Matthew R.
|last5=Monnier|first5=John D.|last6=Harries|first6=Tim J.|last7=Avenhaus|first7=Henning|last8=Kluska|first8=Jacques
|last9=Laws|first9=Anna S. E.|last10=Rich|first10=Evan A.|last11=Willson|first11=Matthew|last12=Aarnio|first12=Alicia N.
|last13=Adams|first13=Fred C.|last14=Andrews|first14=Sean M.|last15=Anugu|first15=Narsireddy|last16=Bae|first16=Jaehan
|last17=ten Brummelaar|first17=Theo|last18=Calvet|first18=Nuria|last19=Curé|first19=Michel|last20=Davies|first20=Claire L.
|last21=Ennis|first21=Jacob|last22=Espaillat|first22=Catherine|last23=Gardner|first23=Tyler|last24=Hartmann|first24=Lee
|last25=Hinkley|first25=Sasha|last26=Labdon|first26=Aaron|last27=Lanthermann|first27=Cyprien|last28=LeBouquin|first28=Jean-Baptiste
|last29=Schaefer|first29=Gail H.|last30=Setterholm|first30=Benjamin R.|last31=Wilner|first31=David|last32=Zhu|first32=Zhaohuan
|title=A triple-star system with a misaligned and warped circumstellar disk shaped by disk tearing
|journal=[[サイエンス|Science]]|volume=369|issue=6508|year=2020|pages=1233-1238|issn=0036-8075
|doi=10.1126/science.aba4633}}</ref>
 
<ref name="alma20200904">{{cite press release