「ヒッグス粒子」の版間の差分

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== 実験 ==
素粒子の標準模型がヒッグス機構に拠って立つことを完全に立証する為には、ヒッグス粒子の探索が重要となる<ref>仮に標準模型のヒッグス粒子が存在しなかったとしても、近似理論としての意味は否定されない。</ref>。ヒッグス粒子は標準模型の中で最後まで未発見のまま残された素粒子であり、実際に捕捉すべく長年に渡って実験が行われてきた。その発見は[[高エネルギー物理学]]の加速器実験の最重要目的の一つと位置づけられるようにもなり、[[ジュネーブ]]郊外に建設され、[[2008年]]より稼働した[[欧州原子核研究機構]](CERN)の[[大型ハドロン衝突型加速器|LHC]](以下LHC)での発見が期待されていた。その実験はたやすいものではなく、LHCを用いた衝突実験でも、理論計算によるとおよそ10兆回に1回しか生成されないとされている。つまり理論が正しい場合でも、それによって予測される粒子は、[[巨大科学|巨大・巨額の装置および大量の人員を長年に渡って用いる手法]]で実験を行っても、生成自体が大きな困難だとされている。
 
[[2011年]]12月のこと、「ヒッグス粒子」が「垣間見られた」と発表され<ref name="cern1" /><ref name="cern2" /><ref name="nature1" /><ref name="bbc6" /><ref name="bbc5" /><ref name="bbc1" /><ref name="bbc2" /><ref name="bbc3" /><ref name="bbc4" />、そのニュースが世界を駆け巡った。
 
2011年12月、[[CERN]]は、2つの研究グループが示した[[LHC]]の10月末までの実験データの中に、ヒッグス粒子の存在を示唆するデータがあることを見つけ、[[12月12日|12日]]、ヒッグス粒子は 「{{en|glimpse}}(垣間見えた)」と発表した。これは、「発見」の発表ではない。発表の最後にCERNの所長は、「ヒッグス粒子が発見されたかどうかを決定するにはより多くのデータが必要である。次の稼働期間([[2012年]]11月のデータ収集期間)が終われば決定されるであろう」と語った。
 
翌日の[[12月13日|13日]]に、ATLAS実験グループとCMS実験グループはそれぞれ、ヒッグス粒子が存在するとして95%の信頼性区間に対応する質量領域が 115–{{Val|130|u=GeV/c2}} (ATLAS)、115–{{Val|127|u=GeV/c2}} (CMS) と発表した。最も可能性の高い範囲は、3.6''σ''(''σ'' は1[[標準偏差]])の統計レベルで 125-{{Val|126|u=GeV/c2}} (ATLAS)、2.6''σ'' で{{Val|124|u=GeV/c2}} (CMS) である<ref name="cern1">{{Cite news |url=http://www.atlas.ch/news/2011/status-report-dec-2011.html |title=ATLAS experiment presents latest Higgs search status |publisher=CERN |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120106070159/http://www.atlas.ch/news/2011/status-report-dec-2011.html |archivedate=2012年1月6日 |deadurldate=2017年9月 }}</ref><ref name="cern2">{{Cite news |url=http://cms.web.cern.ch/news/cms-search-standard-model-higgs-boson-lhc-data-2010-and-2011 |title=CMS search for the Standard Model Higgs Boson in LHC data from 2010 and 2011 |publisher=CERN |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011}}</ref><ref name="nature1">{{Cite news |url=http://www.nature.com/news/detectors-home-in-on-higgs-boson-1.9632 |title=Detectors home in on Higgs boson |publisher=Nature News |date=13 December 2011 |accessdate=13 December 2011}}</ref><ref name="bbc6">{{Cite news