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[[画像:Koro-pok-guru photo 01.jpg|right|thumb|220px|コロポックルの木彫り人形]]
{{main|コロポックル}}
アイヌ民族伝承の一つとして知られるコロポック伝説のモチーフが千島アイヌであった、とする説が存在する。
 
一般的に「アイヌ民族の小人伝承」と言うと「蕗の葉の下の人(korpokkur)」が想像されるが、実は前近代の記録にはアイヌ民族の伝える小人を「トイチセコッチャカムイ(トイコイカムイ、トイチセウンクルとも。竪穴住居に住む人、の意)」或いは「クルムセ(千島の人、の意)」という名称でも記録していた<ref>瀬川2012,27-30頁</ref>。
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となり、これらの特徴は全て千島アイヌの特徴と一致する<ref>瀬川2012,104-109頁</ref>。
 
更に注目されるのは、樺太アイヌ・北海道アイヌ・南千島アイヌといったほぼ全ての地域で伝承される「小人伝説」が、唯一千島アイヌの間でのみ知られていないという点である<ref>高岡直吉は『北千島調査報文』(1900年)において、千島アイヌが基本的な風俗習慣は北海道アイヌとほとんど変わらないにも関わらず、小人伝説や英雄神[[オキクルミ]]といったなど北海道アイヌの間では一般的な歴史的伝説を千島アイヌが全く知らないと述べている(瀬川2012,70-71頁)</ref>。
 
以上の点を踏まえて、考古学者の[[瀬川拓郎]]はアイヌの小人伝説について「……十五……15世紀に北千島へ進出したアイヌは、その奇妙な習俗によって異人され、15〜16世紀には道東アイヌのあいだで小人として語られることになった」のであり、「19世紀ころには、様々なモティーフを取り込み、他の伝説とも融合して、もはや北千島アイヌの現実の習俗を反映した伝説であったとは思われないほど、小人伝説はアイヌ世界の物語として『成長』を遂げていた」と纏めている<ref>瀬川2012,104/113頁</ref>。
 
== 脚注 ==