「ミオパチー」の版間の差分

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;ポンペ病 (Pompe病)
:ライソソームに存在するαグルコシダーゼ(酸性マルターゼ)欠損症であり常染色体劣性遺伝である。全身組織(特に筋と肝臓)に大量のグリコーゲンが蓄積する。発症年齢、罹患臓器、予後の違いから乳児型、小児型、成人型の3タイプに分かれる。乳児型は2歳までに死亡する。小児型はデュシェンヌ型筋ジストロフィーのような経過になり20歳までに死亡する。成人型は20〜30歳以降に緩徐進行性の近位筋優位のミオパチーとして発症する。成人型の場合、'''歩行可能な時点で呼吸不全が起こりえる点が[[ポンペ病]]では特徴的'''である。 四肢筋力低下よりも呼吸筋力低下が先に進行し、早朝の頭痛、夜間の不眠で発症することも多い。早期からの呼吸筋筋力低下は成人型ポンペ病を疑う手がかりになる。'''早期からの呼吸筋筋力低下は筋原線維性ミオパチーやネマリンミオパチーでも認められるためポンペ病の重要な鑑別疾患となる'''。原因不明の血清CK値上昇、近位筋力低下、呼吸筋の筋力低下の3つのうち一つでも認められれば[[ポンペ病]]を考慮する。先に述べた筋原線維性ミオパチーやネマリンミオパチー以外に他の代謝性筋疾患をはじめ肢体型筋ジストロフィー、抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎など[[炎症性筋疾患]]、[[重症筋無力症]]などが鑑別になる。筋病理では筋線維内にグリコーゲンの蓄積と酸ホスファターゼ活性の上昇した空胞の多発が観察される。しかし遅発型Pompe病では筋生検で正常な例も存在する<ref>Neurology. 2006 May 23;66(10):1585-7. PMID 16717227</ref>。乾燥ろ紙血のよる酵素活性測定や遺伝子解析で診断ができる。αグルコシダーゼ静注製剤([[マイオザイム]]&reg;)の投与([[酵素補充療法]])で筋力も改善しうる。
 
==== 脂質代謝異常症 ====