「ガンドレス」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
リード文の順序入れ替え
m →‎未完成での公開: typo 繰り返しす → 繰り返す
123行目:
}}</ref>。4億円の予算があり、アニメの製作は[[サンクチュアリ (アニメ制作会社)|サンクチュアリ]]が請け負い、サンクチュアリからはさらに[[スタジオジュニオ]]に2億円に満たない額で制作が丸投げされた<ref>多田信『これがアニメビジネスだ』[[廣済堂]]、2002年、p64。</ref>。しかし製作管理が破綻し完成が間に合わず、大部分が未完成の状態で劇場公開された<ref name="産経19990328" />。このため、当日の舞台挨拶はなくなり<ref>『[[読売新聞]]』1999年[[3月19日]]号夕刊『ガンドレス』広告</ref>、前売り券は返金に応じ、観客には事情を説明して納得した上で入場してもらい、また後日完全版のビデオを送付するなどの措置が取られた<ref name="朝日19990320" /><ref name="中日19990320" /><ref name="スポニチ19990321" /><ref name="産経19990328" />。ビデオを送る人数は7000人だったという<ref name="zentoei" />。これらビデオ送付対象者には完成版ビデオに先立ち鋭意制作中の旨を記した暑中見舞い葉書も送られた。
 
アニメ映画では、『[[宇宙戦艦ヤマト 完結編]]』や『[[火垂るの墓]]』などが、本作以前に一部未完成のまま上映された例はあったが、大半が未完成のままというものはなく、まさに前代未聞であった。興行を行なう東映は、公開2日前の3月18日の初号試写の段階になってこの事態を把握したが、上映中止による混乱を鑑みて、未完成の状態のままの配給を決定したという<ref name="朝日19990320" /><ref name="中日19990320" /><ref name="産経19990328" /><ref name="zentoei" />。セル画の着色が間に合わず、人物が単色で塗られていたり、制作者の指紋が画面に残っていたり、動画の不足のために登場人物が何度も同じ動作を繰り返すなど、多くのシーンが未完成だった。公開初日に[[新聞]]紙上で珍事と書かれて<ref name="朝日19990320" /><ref name="中日19990320" />話題となり、未完成の度合いを確かめるために劇場に見に行った人もいたという。関西の劇場ではビデオカメラで画面を撮影する人までいたという<ref name="zentoei" />(現在では厳しく禁じられているが、当時はそれほど問題視されていなかった)。
 
パッケージソフト化や衛星放送など二次利用のため<ref name="zentoei" />、上映後も完成のための作業が続けられ、完成版は[[2000年]][[4月29日]]から東京[[上野]]の「上野スタームービー」で2週間上映された。完成のために更に1億円の予算がかかったと言われる。この未完成事件で東映は日活に、日活はサンクチュアリに、サンクチュアリはスタジオジュニオにそれぞれ損害賠償を求めた<ref>多田信『これがアニメビジネスだ』廣済堂、2002年、p65。</ref>。制作を請け負ったスタジオジュニオは、[[1997年]]の[[テレビアニメ]]『[[白鯨伝説]]』でもたびたび納品を落として未放映になるトラブルを起こしており、本作で損害賠償請求をされたことも重なり、ついには事業停止してしまった。