「献血」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
「個人情報の問題点」の節を後方へ移動し独自研究等タブ貼付け |
|||
12行目:
問診は、服薬・体調・病歴や海外渡航歴などプライバシーに関わることも含まれているため、個室にて行われる。[[医師]]が事前検査や問診を通じて献血者保護と血液製剤の安全性が確保できると判断できない場合は、献血ができない場合もある。また、輸血歴(自己血は除く)の有無やヒト由来[[プラセンタ]]の投薬の有無が不明な場合も次回に献血を延期してもらうことがあるため注意が必要である。
== 個人情報の問題点 ==▼
献血を行うと「氏名」「住所」「血液型」などが登録される。それによって献血カードが発行され、次回から簡潔に採血をすることができる。全国どこでも献血ができるが、その登録データーベースには、献血回数だけでなく「献血時に貧血を起こしやすい」「血漿献血などでは口内にしびれが起きやすい体質」そういったことがらも記録できる備考欄がある。しかし、その備考欄を悪用した事象が起きている。例えば、献血をおこなったときに受付や事務担当者、採血担当が「社会的に問題な行動を採血者に対して起こしたときに、それを注意したり、トラブルが起きた場合」であっても、その内容を歪曲して備考欄に記録されるケースがある。正しく記載されればよいが、一方的に間違った記載をされれば、「献血活動に非協力的」「要注意人物」「危険人物」、などと名誉を棄損した記録をされる場合がある。それが事実であればよいのだが、歪曲した誤った記録がなされている場合、システム上、この備考欄は書いた者、書いた献血ルーム責任者しか修正できないようであり、他の献血ルームで大きな恥をかくことになる。ゆえに、献血を行う際は「検査採血時」「本採血時」には個人情報が記録されているモニターは必ず見せてもらうことが大切である。昨今はコロナの問題があるため、この備考欄に、何が書かれているか献血者はしっかり確認すべきであり、その権利もある。▼
== 日本における献血 ==
30 ⟶ 26行目:
** 400mL献血
* 成分献血
**
**
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|+
! rowspan="2" | !! colspan="2" |全血献血!! colspan="2" |成分献血
|-
!200mL献血!!400mL献血!!血漿献血!!血小板献血
46 ⟶ 42行目:
|-
!可能な体重
|男性:45kg以上<br />女性:40kg以上||50kg以上|| colspan="2" |男性:45kg以上<br />女性:40kg以上
|-
!最高血圧
| colspan="4" |90mmHg以上 179mmHg以下
|-
!最低血圧
| colspan="4" |50mmHg以上 109mmHg以下
|-
!脈拍
| colspan="4" |40回/分以上 100回/分以上
|-
!体温
| colspan="4" |37.4℃以下
|-
!血色素量
|男性:12.5g/dL以上<br />女性:12.0g/dL以上||男性:13.0g/dL以上<br />女性:12.5g/dL以上|| colspan="2" |12.0g/dL以上<ref name="exception">例外として血漿成分献血では、女性で一定の赤血球指数を超える場合、11.5g/dL以上で可能である</ref>
|-
!血小板数
| colspan="3" |規定なし||15万/uL以上
|-
!年間可能献血回数
|男性:6回<br />女性:4回||男性:3回<br />女性:2回|| colspan="2" |24回<br />(血小板は1回を<br />2回に換算)
|-
!年間総献血量
| colspan="2" |男性:1200mL以内<br />女性:800mL以内|| colspan="2" |規定なし
|-
!次回献血可能日
|男女とも4週間後||男女とも8週間後(成分献血)<br />男性:12週間後(全血献血)<br />女性:16週間後(全血献血)|| colspan="2" |男女とも2週間後
|}
92 ⟶ 88行目:
2011年4月1日より、男性のみ400mL全血献血の対象年齢が18歳から17歳に引き下げられ、男女とも18歳から54歳に限定されている血小板成分献血については、男性のみ上限を69歳に引き上げた<ref>[http://www.jrc.or.jp/blood/l3/Vcms3_00002035.html 平成23年4月1日より採血基準が一部改正されます] - 日本赤十字社</ref>。
2018年4月1日から「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則」が一部改正され、献血における1年間の算定方法が「365日」から「52週(364日)」に変更された<ref>[http://www.jrc.or.jp/activity/blood/news/pdf/52weeks.pdf
2020年9月1日には「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」が改正され、献血者の健康診断基準(最高血圧の上限・最低血圧の上下限・脈拍数・体温)が新たに定められた<ref>[https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/2020/08/post-163.html
=== 献血の方法 ===
294 ⟶ 290行目:
** 一食だけ抜いている場合は用意されている菓子などを摂るように薦められる。
* 特定の病気の罹患または既往歴がある。
**
* 睡眠不足(おおむね4時間以下。しかし生活習慣として恒常化している場合は自己申告ののちに医師の判断となる。基本的に睡眠時間が不足していれば受付で献血を断られるが、当日の採血計画を大きく下回るなどの状況によっては仮眠時間なども聞かれて医師の問診に通されることもある)。
* 体重40kg未満の女性、45kg未満の男性(200mL献血)。男女とも50kg未満(400mL献血)。
306 ⟶ 302行目:
* 発熱時・体調が思わしくない場合。
* 特定の病気の罹患または既往歴がある。
**
** 肝[[逸脱酵素]]([[アラニントランスアミナーゼ|ALT]]、[[アスパラギン酸アミノ基転移酵素|AST]])高値の場合。
* 特定の感染症([[感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律|感染症新法]]に定められたほとんどの感染症)の感染疑いがある場合。
313 ⟶ 309行目:
採血された血液は抗HBs抗体、抗HBc抗体、抗HCV抗体、HIV-1抗体、HTLV-1抗体、パルボウイルスや梅毒の7項目を検査されるが、感染後まもないウイルスはウインドウ・ピリオド期間内では検知できずに、輸血による二次感染を招いた事例がある。以下に当てはまる場合は献血を辞退し、献血後に気付いた場合は輸血を防ぐために一刻も早く血液センターへ連絡する必要がある。
* HIV感染の可能性がある場合(6か月以内に不特定の異性と性的接触を持った、同性同士で性的接触を持った、覚醒剤・麻薬類の注射、針刺し事故の経験およびHIV陽性者・エイズ発症者)。
*
*
*
===== 服薬・輸血 =====
323 ⟶ 319行目:
**[[風邪薬]]も含む。問診に於いては「直近3日以内」が不適格基準とされているが、薬剤によってはさらに長い期間体内に貯留したり血液に影響を与えるものもある。3日以内なら[[サプリメント]]の服用も問診時に相談することが望ましい。
** 当日服用でも献血可能な薬の例として、サプリメント、胃腸薬、降圧薬、漢方薬、高脂血症治療薬、アレルギー治療薬、ホルモン補充療法のホルモン剤、点眼や点鼻などの局所治療薬、抗潰瘍薬、緩下剤が挙げられている<ref>[http://www.jrc.or.jp/donation/qa/index.html Q.服薬していると献血はできないのでしょうか。] - 日本赤十字社</ref><ref>[http://www.kochi.bc.jrc.or.jp/about/medicine.php 献血可能な服薬剤について] - 日本赤十字社・高知県赤十字血液センター</ref>が、検診医が最終的な判断を行う。
**
*
*
* 男性型脱毛症の治療に使われる育毛服用剤を使用の際は一定期間。たとえば[[フィナステリド]]は内服後1か月間。
===== 歯科・外科治療 =====
*
* 輸血(自己血を除く)・臓器移植を伴わない[[外傷]]・[[疾病]]による[[手術]]後は最低6か月間。
340 ⟶ 336行目:
*** 英国に1980年から1996年に1日でも滞在した場合は献血ができなくなっていたが、2010年1月27日より通算1か月以上(31日以上)滞在した場合へと緩和された<ref name="jrc-eikoku">[http://www.jrc.or.jp/blood/eikoku/index.html 英国滞在歴に関する献血制限について] - 日本赤十字社</ref>。
* 日本国外特有の[[伝染病]]・感染症
**
===== 予防接種投与 =====
359 ⟶ 355行目:
===== 外傷・皮膚疾患 =====
*
** 医療機関で行った場合および使い捨て器具を使用した場合は最低でも1か月間、医療機関以外(友人同士など)で行った場合では1年間にわたって献血できない。なお粘膜を貫通している場合([[鼻腔]]、[[口唇]]など)は一切献血できない。
* タトゥー([[刺青]])、アートメイク施術後は最低6か月間<ref>[http://wanonaka.jp/faq/ 献血のQ&A] - 日本赤十字社・大阪府赤十字血液センター</ref>。
*
以下のケースは血液に細菌が混入している恐れがあるため不可となる。
* 怪我をして[[化膿]]ないし、じくじくした生傷がある。
* 出血を伴う[[口内炎]]に罹っている。
*
そのほか、成分献血の返血の際に内出血があった場合、反対側の腕の血管が細いなどの理由で返血できなかった場合は成分献血ではなく全血献血扱いとなり、次回献血可能日も全血献血に相当する期間となる。
395 ⟶ 391行目:
==== 献血手帳の歴史 ====
*
*
*
*
* 1964年:預血手帳廃止。
*
*
*
*
* 2006年10月:制度全面改訂。愛-ca、全国で使用開始<ref>{{PDFlink|[http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/kenketsu_20081110.pdf 献血カード]}} - 日本赤十字社</ref>。
448 ⟶ 444行目:
=== キャラクター ===
*
==== 各地の献血キャラクター ====
460 ⟶ 456行目:
* 滋賀県 - ちーたん<ref>[http://www.pref.shiga.lg.jp/e/imuyakumu/kenketsu.html 献血情報/滋賀県] - 滋賀県</ref>
* 京都府 - ユートン<ref>[http://www.kyoto-np.co.jp/info/chara/070709.html キャラっと@HAPPY] - 京都新聞</ref>
*
*
*
*
*
*
*
*
== 欧米における献血 ==
510 ⟶ 506行目:
== 献血関連の事件・事故 ==
* 1964年3月ごろ、[[エドウィン・O・ライシャワー#.E3.80.8C.E3.83.A9.E3.82.A4.E3.82.B7.E3.83.A3.E3.83.AF.E3.83.BC.E4.BA.8B.E4.BB.B6.E3.80.8D|ライシャワー事件]]が発生。輸血された血液からC型肝炎にかかり、この事件がもとで、有償での採血が禁止になる。
*
* 2004年[[1月7日]]、[[藤田徳人]]([[整形外科学|整形外科]]医で作家)の開設していたウェブサイト恋愛科学研究所に、エイズ検査目的の献血を勧める内容が記載されていたことが発覚。
* 2005年9月、献血者が採血終了直後に昏倒し、頭部強打で急死する事故が発生。血管迷走神経反射性失神の疑い。
*
*
*
== 世界記録 ==
オーストラリアのジェームズ・ハリソンは、1955年から2018年5月(オーストラリアの献血可能年齢制限の81歳になったため)に渡って延べ1173回の献血を行い、ギネスから世界記録を認定された<ref>{{cite web|url=https://jp.reuters.com/video/2018/05/18/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E3%81%AA%E6%8A%97%E4%BD%93%E3%82%82%E3%81%A4%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%A7240%E4%B8%87%E4%BA%BA%E6%95%91%E3%81%86-%E8%B1%AA%E5%B7%9E%E3%81%AE%E3%80%8C%E7%8C%AE%E8%A1%80%E7%8E%8B%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%BC%95%E9%80%80%E5%AD%97%E5%B9%95%E3%83%BB16%E6%97%A5?videoId=427675047|title=特殊な抗体もつ血液で240万人救う、豪州の「献血王」が引退(字幕・16日)|publisher=ロイター|date=2018-05-18|accessdate=2018-08-15}}</ref>。彼の血液には[[Rh式血液型不適合妊娠]]に対する抗D人免疫[[グロブリン製剤]]を生成することが出来る希少な抗体が含まれており、彼の献血によって救われた[[新生児]]・[[乳児]]は240万人以上になった<ref>[https://www.dplay.jp/article/0000017103 特殊な血液で200万人の赤ちゃんを救ったスーパーヒーロー、引退へ]</ref><ref>[https://www.bs.jrc.or.jp/th/iwate/ebook/Blood%20Information201806.pdf 7月は 「愛の血液助け合い運動」月間]</ref><ref>[https://www.youtube.com/watch?v=QA3cPsCZfHg 2 million babies - The man with extraordinary blood 「抗D人免疫グロブリン製剤」を生成することが出来る。このワクチンは「Rh式血液型不適合妊娠」]</ref>。
▲== 個人情報の問題点 ==
{{独自研究|date=2020年10月17日 (土) 16:38 (UTC)|section=1}}{{出典の明記| date = 2020年10月| section = 1}}
▲献血を行うと「氏名」「住所」「血液型」などが登録される。それによって献血カードが発行され、次回から簡潔に採血をすることができる。全国どこでも献血ができるが、その登録データーベースには、献血回数だけでなく「献血時に貧血を起こしやすい」「血漿献血などでは口内にしびれが起きやすい体質」そういったことがらも記録できる備考欄がある。しかし、その備考欄を悪用した事象が起きている。例えば、献血をおこなったときに受付や事務担当者、採血担当が「社会的に問題な行動を採血者に対して起こしたときに、それを注意したり、トラブルが起きた場合」であっても、その内容を歪曲して備考欄に記録されるケースがある。正しく記載されればよいが、一方的に間違った記載をされれば、「献血活動に非協力的」「要注意人物」「危険人物」、などと名誉を棄損した記録をされる場合がある。それが事実であればよいのだが、歪曲した誤った記録がなされている場合、システム上、この備考欄は書いた者、書いた献血ルーム責任者しか修正できないようであり、他の献血ルームで大きな恥をかくことになる。ゆえに、献血を行う際は「検査採血時」「本採血時」には個人情報が記録されているモニターは必ず見せてもらうことが大切である。昨今はコロナの問題があるため、この備考欄に、何が書かれているか献血者はしっかり確認すべきであり、その権利もある。
== 脚注 ==
|