「日米貿易協定」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
153行目:
日米貿易協定にアメリカの自動車関連が含まれないことから、WTOで許容される自由貿易協定の要件を満たさないのではないかと指摘がされている<ref>{{cite web|url= https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00020/?P=3 |title= 日米貿易協定で日本がWTOルールの‟抜け穴”つくる? |date= 2019-9-30|publisher= 日経ビジネス |author= 細川昌彦中部大学特任教授(元・経済産業省貿易管理部長) |accessdate= 2019-10-9}}</ref><ref name="hosokawa">{{Cite news|title= 日米貿易協定から「自由貿易」が消えた!|date= 2019-10-16|url= https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00021/?P=1|author= 細川昌彦中部大学特任教授(元・経済産業省貿易管理部長)|newspaper= [[日経ビジネス]]}}</ref><ref name="reti">{{cite web|url= https://www.rieti.go.jp/jp/special/special_report/108.html|title= 日米貿易協定はWTO協定違反か? |date= 2019-10-7|publisher= 経済産業研究所 |author= 川瀬 剛志ファカルティフェロー |accessdate= 2019-10-9}}</ref>。これらの指摘については、日本政府は自動車関連品目がさらなる交渉の対象であり、これを含めると合意の関税撤廃率はアメリカ側で92%、日本側で84%となるとしている。上記の論説でも直ちには違反とは断言できないとしているが、今後自由化レベルの低い協定が標準となることが問題であり、定発効後速やかに第2ラウンド交渉に着手し、自動車関税も含めて今後日米協定が本格的なFTAに至る道筋を示すことが必要<ref name="reti" />、「通商政策として問題なのだ。深刻なのは日本が自らルールの抜け道の前例を作って、結果的にWTOの規定を空文化してしまうこと」<ref name="hosokawa" /> と指摘している。
 
このような指摘がされているが、日本政府は日米貿易協定は「物品貿易について、ガット二十四24条に整合的な協定」であるとの認識を公表している<ref>第200回国会 外務委員会 (令和元年11月6日(水曜日)における澁谷政府参考人の答弁 [http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000520020191106004.htm 第200回国会 外務委員会 第4号(令和元年11月6日(水曜日)]</ref>。しかし発効後7月を経過した2020年7月23日現在、[http://rtais.wto.org/UI/PublicMaintainRTAHome.aspx WTO通報] がされていない。日本がいままで締結したEPA/FTAはほとんどが発効前に通報([[経済連携協定#日本のEPA/FTAの署名者、署名日、発効日、WTO通報日]]参照)されているが、日米貿易協定について何らかの意図があるか単なる事務上の遅延であるかは不明であったが、下記の報道で事情が明らかになった
 
2020年7月6日から8日まで行われた、WTOの日本に対する貿易政策検討(TPR)会合における各国から、日米貿易協定のWTO整合性について質問があった<ref>イスラエルからの質問1(WT/TPR/M/397/Add.1 p8)、EUからの質問1(WT/TPR/M/397/Add.1 p83)、中国からの質問1(WT/TPR/M/397/Add.1 p98)、カナダからの質問60(WT/TPR/M/397/Add.1 p202)、ニュージーランドからの質問2(WT/TPR/M/397/Add.1 p223)</ref>。これに対する日本の回答は、ガット24条にいう「実質的にすべての貿易」の定義についてWTO加盟国の間に合意がないことに言及しつつ、日米貿易協定は、ガット24条に整合的と答えている。つまり「実質的にすべての貿易」の定義についての合意がない以上、どのような協定であっても当時国が整合的とすれば整合的であるとしている。
 
また、地域間貿易協定は、WTOへの通報が義務付けられているが、発効後7月を経過した2020年7月23日現在、[http://rtais.wto.org/UI/PublicMaintainRTAHome.aspx WTO通報] がされていない。日本がいままで締結したEPA/FTAはほとんどが発効前に通報([[経済連携協定#日本のEPA/FTAの署名者、署名日、発効日、WTO通報日]]参照)されているが、日米貿易協定について何らかの意図があるか単なる事務上の遅延であるかは不明であったが、下記の報道で事情が明らかになった。
 
2020年7月23日の[[日本農業新聞]]は、「日米貿易協定 中ぶりん WTOへ通報せず 玉虫色の合意内容が影響?」との見出しのもと、日米貿易協定のWTO通報がされていないことを報道した<ref name="okure">{{Cite news|title= 日米貿易協定 中ぶりん WTOへ通報せず 玉虫色の合意内容が影響?|date= 2020-07-23|accessdate= 2020-07-24|url= https://www.agrinews.co.jp/p51430.html|author=特別編集委員 山田優|newspaper= [[日本農業新聞]]}}</ref>。日米貿易協定がWTO通報されていないことを報道した。報道では、日本国外務省北米2課の回答として「現時点で日米貿易協定はWTO通報していない。日米間で調整を続けているが交渉中なので内容は明らかにできない」となっている<ref name="okure" />。この報道では、(引用始め)「現在の協定は中間段階なので通報が遅れている」との理屈らしい(引用終わり)とも伝えている<ref name="okure" />。
 
WTOの日本に対する貿易政策検討(TPR)会合における各国からの質問<ref>)、中国からの質問3(WT/TPR/M/397/Add.1 p98)、カナダからの質問58(WT/TPR/M/397/Add.1 p202)、ニュージーランドからの質問1(WT/TPR/M/397/Add.1 p223)、</ref>で、いつ通報すると問われたが、これに対して日本は、「米国と協議中(Notification of the Japan-US Trade Agreement to the CRTA is under coordination with the U.S.)」と回答した。2020年10月19日現在でも通報はない<ref name="wtolhullist">{{cite web|url=http://rtais.wto.org/UI/publicsummarytable.aspx|title=Figures on Regional Trade Agreements notified to the GATT/WTO and in force |date= 2020-9-16|publisher= [[WTO]] |author= |accessdate= 2020-10-19}}</ref>。
 
 
== 協定の位置づけ ==