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ナチズムは[[国家主義]]・[[民族主義]]的な[[政権]]によって[[社会]]を全面的に[[統制]]しようとする[[思想]]・[[運動]]{{Sfn|田中|2020|p=「ナチズム」}}。[[結束主義]](ファシズム)や[[全体主義]]の一種で、特徴としては反社会主義、[[反共産主義]]、[[反マルクス主義]]、反民主主義、反自由主義、反個人主義、[[反議会主義]]などを持っている{{Sfn|田中|2020|p=「ナチズム」}}{{Sfn|ブリタニカ・ジャパン|2020|p=「ナチズム」}}。
 
[[アドルフ・ヒトラー]]はナチズムを「あらゆる活動を拘束し、義務づける法則」という「一個の世界観である」と定義した<ref>1933年党大会でのヒトラー演説。南、民族共同体と法(1)、19-20p</ref>。またナチ党の運動の目的は「すべてのドイツ人の生活が(ナチズムの世界観という)根本的価値に基づいて形成され、日々新たに営まれるようになる」ことであった<ref>[[ダス・シュヴァルツェ・コーア]]1936年5月14日号。南、民族共同体と法(1)、23-24p</ref>。このため「ナチズムはドイツ民族のためにのみ生み出されたもの」であり「決して輸出品とならない」思想であるため、人類普遍の法則とは考えられなかった<ref>南、民族共同体と法(1)、24p</ref>。
 
しかしナチ党がその世界観を体系的に示した例は数少ない。初期に発表された[[25カ条綱領]]は永久不変の綱領とされたが、ナチズムの創始者であるヒトラーが生前出版したのは「[[我が闘争]]」の前後編のみである。しかしナチズムの思想はこの本に全て示されたわけではなく、ヒトラーの演説や、指導的立場にある幹部の著作・演説等も民族が従うべき「ナチズムの見解」とされた。[[アルフレート・ローゼンベルク]]の「[[二十世紀の神話]]」、[[リヒャルト・ヴァルター・ダレ]]の「[[血と土]]」イデオロギーに基づく著作、党機関紙「[[フェルキッシャー・ベオバハター]]」などがその代表的なものである。しかし、これらの細部には各人の思想が現れており、ナチズム運動参加者全体で統一された認識とならないものも多かった。また、「[[ヒトラー第二の書]]」や「[[ヒトラーのテーブル・トーク]]」など戦後になって公開された資料も存在している。