「マグネトソーム」の版間の差分

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'''マグネトソーム'''(Magnetosome)とは、ある種の地球上の生物([[:{{仮リンク|磁性細菌|en:|Magnetotactic bacteria]])}}が細胞内に持っている器官の1つである。マグネトソームの内部には、彼らが作り出した[[磁力]]を持った[[鉱物]](小さな[[磁石]]が見られる。
 
== 概要 ==
=== 構造・機能 ===
マグネトソームは[[:en:Magnetotactic bacteria]]が[[細胞膜]]の内側に抱えているもので、この中には15個から20個程度の[[磁力]]を持った[[鉱物]](つまり小さな[[磁石]])が含まれている。そしてマグネトソームはこの鉱物が脂質などでできた膜に包まれてできている。マグネトソームに含まれる鉱物は、マグネトソームを持つ生物自身が金属元素を代謝しながら体内で合成している。その鉱物の大きさは通常35nmから120nmまでの範囲で、鉱物の化学組成はほぼ均質(高純度)になっている。地球には[[地磁気]]が存在しているため、マグネトソームの中でこの鉱物は[[方位磁針]]の針のように振る舞う。なお、[[:en:Magnetotactic bacteria]]が利用する鉱物は1種類ではない。どの鉱物を利用するかは、[[:en:Magnetotactic bacteria]]の種類によって異なるが、普通は[[酸化鉄]]か[[硫化鉄]]のどちらか一方を利用する。酸化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]のマグネトソームには普通Fe<sub>3</sub>O<sub>4</sub>が含まれていて、硫化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]のマグネトソームには普通Fe<sub>3</sub>S<sub>4</sub>が含まれている。ただし硫化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]の中には、FeSを使う種類も見られる。さらに[[アメリカ]]の[[ロードアイランド州]]を流れる[[:en:Pettaquamscutt River]]の流域の南部では、酸化鉄と硫化鉄を両方用いる[[:en:Magnetotactic bacteria]]も発見されている<ref>Bazylinski, D and Heywood, B and Mann, S and Frankel, R (18 November 1993). "Fe<sub>3</sub>O<sub>4</sub> and Fe<sub>3</sub>S<sub>4</sub> in a Bacterium". Nature 366 (6452): 218. doi:10.1038/366218a0.</ref><ref>Bazylinski, D and Frankel, R and Heywood, B and Mann, S and King, J and Donaghay, P and Hanson, A (September 1995). "[http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1388570 Controlled Biomineralization of Magnetite (Fe3O4) and Greigite (Fe3S4) in a Magnetotactic Bacterium]". Applied and Environmental Microbiology 61 (9): 3232?9. PMC 1388570. PMID 16535116.</ref>。
マグネトソームは磁性細菌が[[細胞膜]]の内側に抱えている物で、この中には15個から20個程度の[[磁力]]を持った[[鉱物]]、つまり小さな磁石が含まれている。この磁石はリン脂質などでできた膜に包まれており、この膜が、それぞれの磁石が引き寄せ合う事で、磁石が1つの塊にならないようにしている<ref name="Nakanisi_b_p142">中西 貴之 『人を助ける へんな細菌 すごい細菌』 p.142 技術評論社 2007年10月25日発行 ISBN 978-4-7741-3220-4</ref>。この複数個の小さな磁石が塊にならないように膜で包まれた細胞内の小器官が、マグネトソームである。
 
マグネトソームに含まれる鉱物は、マグネトソームを持つ生物自身が金属元素を取り込み、それを代謝しながら体内で合成している。その鉱物の大きさは、通常35&nbsp;nmから120&nbsp;nmまでの範囲で、鉱物の化学組成は、ほぼ均質で高純度である。地球には[[地磁気]]が存在しているため、マグネトソームの中でこの鉱物は[[方位磁針]]の針のように振る舞う。なお、磁性細菌の中で、地磁気に沿って移動する細菌を'''走磁性細菌'''と呼ぶ<ref name="Nakanisi_b_p142">中西 貴之 『人を助ける へんな細菌 すごい細菌』 p.142 技術評論社 2007年10月25日発行 ISBN 978-4-7741-3220-4</ref>。
 
=== 磁石の材料 ===
マグネトソームは[[:en:Magnetotactic bacteria]]が[[磁性胞膜]]の内側に抱えているもので、この中には15個から20個程度の[[磁力]]を持った[[鉱物]](つまり小さな[[磁石]])含まれている。そしてマグネトソームはこの鉱物が脂質などでできた膜に包まれてできている。マグネトソームに含まれる鉱物は、マグネトソームを持つ生物自身が金属元素を代謝しながら体内で合成している。その鉱物の大きさは通常35nmから120nmまでの範囲で、鉱物の化学組成はほぼ均質(高純度)になっている。地球には[[地磁気]]が存在しているため、マグネトソームの中でこの鉱物は[[方位磁針]]の針のように振る舞う。なお、[[:en:Magnetotactic bacteria]]が利用する鉱物は1種類ではない。どの鉱物を利用するかは、[[:en:Magnetotactic bacteria]]のによって異なるが、普通は[[酸化鉄]]か[[硫化鉄]]のどちらか一方を利用する。酸化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]磁性細菌のマグネトソームには普通Fe<sub>3</sub>O<sub>4</sub>が含まれていて、る事が普通である。硫化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]磁性細菌のマグネトソームには普通Fe<sub>3</sub>S<sub>4</sub>が含まれている事が普通である。ただし硫化鉄を利用するタイプの[[:en:Magnetotactic bacteria]]磁性細菌の中には、FeSを使う種類も見られる。さらに[[アメリカ合衆国]]の[[ロードアイランド州]]を流れる[[:en:Pettaquamscutt River]]の流域の南部では、酸化鉄と硫化鉄を両方用いる[[:en:Magnetotactic bacteria]]磁性細菌も発見されている<ref>Bazylinski, D and Heywood, B and Mann, S and Frankel, R (18 November 1993). "Fe<sub>3</sub>O<sub>4</sub> and Fe<sub>3</sub>S<sub>4</sub> in a Bacterium". Nature 366 (6452): 218. doi:10.1038/366218a0.</ref><ref>Bazylinski, D and Frankel, R and Heywood, B and Mann, S and King, J and Donaghay, P and Hanson, A (September 1995). "[http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1388570 Controlled Biomineralization of Magnetite (Fe3O4) and Greigite (Fe3S4) in a Magnetotactic Bacterium]". Applied andan Environmental Microbiology 61 (9): 3232?9. PMC 1388570. PMID 16535116.</ref>。
 
== 利用 ==
[[:en:Magnetotactic bacteria]]磁性細菌はマグネトソームを自身が生育するのに最適な場所にたどりつくために利用している。
<!--主に「Magnetosome crystals are typically 35-120 nm long, which makes them single-domain.」以下のパラグラフに書かれている。キーワードはaerotaxisやmagneto-aerotaxisなど。他[[:en:Magnetotactic bacteria]]も参照。-->
{{節stub}}<!--上記のコメントの内容が解消された段階で、このタグを除去してください。-->
 
== 研究 ==
磁性細菌が体内にあるマグネトソームから磁石を取り出し、その磁石を[[リポソーム]]に入れておき、リポソームの内部に封じ込めた[[抗がん剤]]を、体外から磁石を使って動かして、腫瘍の所に運ぶという[[ドラッグデリバリーシステム]]に利用できないかとの研究も存在する<ref>中西 貴之 『人を助ける へんな細菌 すごい細菌』 p.143 - p.145 技術評論社 2007年10月25日発行 ISBN 978-4-7741-3220-4</ref>。
 
== 出典 ==
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{{biosci-stub}}<!--恐らく分野別のstubから、この記事の加筆に来る人もいると思われますので、このタグも存置しておきました。ただ「{{節stub}}」の部分が解消された段階で、このタグも取り外しを検討してください。-->
{{biosci-stub}}
[[Category:生物]]
[[Category:細胞小器官]]