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Izayoi2000 (会話 | 投稿記録)
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多義語
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'''唯名論'''(ゆいめいろん、{{Lang|en|Nominalism}})は、主に[[哲学]]・[[形而上学]]における立場の一つ。対義語は[[実在論]]({{Lang|en|Realism}})。文脈によって様々な意味をもつ<ref>{{Cite book|edition=Summer 2019|title=Nominalism in Metaphysics|url=https://plato.stanford.edu/archives/sum2019/entries/nominalism-metaphysics/|publisher=Metaphysics Research Lab, Stanford University|date=2019|first=Gonzalo|last=Rodriguez-Pereyra|editor-first=Edward N.|editor-last=Zalta|year=}}</ref>。
'''唯名論'''(ゆいめいろん、'''Nominalism''')とは、[[中世]][[西欧]]の[[普遍論争]]における一方の立場である。[[スコラ哲学]]において、「人間」とか「イヌ」あるいは「薔薇」などは、類の[[概念]]として[[形相]]存在として[[実在]]するのかどうかという議論(普遍論争)があり、これに対し唯名論は、類の概念は実在しないと答えた。
 
# [[普遍論争]]における唯名論。普遍者実在論(実念論・概念実在論とも)に対する唯名論。
唯名論の立場は、類の概念(普遍概念)は、[[名前]]として存在するのであり、実在するのは類の概念の形相(フォルマ)ではなく、具体的な個物(レース)、つまり個々の具体的な人間やイヌや薔薇であると考えた。これに対する考えが実念論([[実在論]])で、「薔薇」とか「ネコ」などの類の概念が形相として実在するとした。
# それ以外の唯名論。[[科学的実在論]]に対する唯名論など。
 
== 普遍論争 ==
西欧では、[[13世紀]]末以降に、[[理性]]が[[信仰]]から独立して行くのと並行して唯名論が優勢となる。[[フランシスコ会|フランシスコ会士]]である[[オッカムのウィリアム|オッカム]]などは唯名論の立場をとった。
'''唯名論'''(ゆいめいろん、'''Nominalism''')とは、[[中世]][[西欧]]の[[普遍論争]]における一方の立場である。[[スコラ哲学]]において、「人間」とか「イヌ」あるいは「薔薇」などは、類の[[概念]]として[[形相]]存在として[[実在]]するのかどうかという議論(普遍論争)があり、これに対し唯名論は、類の概念は実在しないと答えた。
 
唯名論の立場は、類の概念(普遍概念、普遍者)は、[[名前]]としてのみ存在するのであり、実在するのは類の概念の形相(フォルマ)ではなく、具体的な個物(レース)、つまり個々の具体的な人間やイヌや薔薇であると考えた。これに対する考えが実念論([[普遍者実在論]])で、「薔薇」とか「ネコ」などの類の概念が形相として実在するとした。
概念や[[カテゴリー]]などは、[[主観]]が、個物からなる対象世界を任意に切り取って、そこに外的に付与したものであると考える点で、現代の相対論的な哲学につながっており、現代ではむしろ、外的物質世界に、内在的な形相として、概念やカテゴリーの客観的根拠が実在するという[[科学的実在論]]との対比が問題となる。
 
西欧では、[[13世紀]]末以降に、[[理性]]が[[信仰]]から独立して行くのと並行して唯名論が優勢となる。[[フランシスコ会|フランシスコ会士]]である[[オッカムのウィリアム|オッカム]]などは唯名論の立場をとった。
 
<!-- 概念や[[カテゴリー]]などは、[[主観]]が、個物からなる対象世界を任意に切り取って、そこに外的に付与したものであると考える点で、現代の相対論的な哲学につながっており、現代ではむしろ、外的物質世界に、内在的な形相として、概念やカテゴリーの客観的根拠が実在するという[[科学的実在論]]との対比が問題となる。 -->
唯名論を表すにvia modernaとすることがある。
 
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* [[オッカムのウィリアム]]
* [[構造主義]]
 
== 出典 ==
<references />
 
== 外部リンク ==