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[[File:North Sentinel Island 1732160137 dff5236475 o.jpg|thumb|250px|北センチネル島の地図]]
'''北センチネル島'''(きたセンチネルとう、North Sentinel Island)は、[[インド洋]]東部[[ベンガル湾]]内に所在する未開の島。[[インド]]領[[アンダマン諸島]]に所在し、[[南アンダマン島]]の西約30kmに位置する。この島の[[先住民]]である[[センチネル族]]は外部との接触を強く拒否しており、行政当局も何度も追い返されている。行政当局は[[感染症]]の流行により民族絶滅の可能性もあるため干渉しない方針であり(いわゆる[[未接触部族|非接触部族]])、インドの法律で島への接近は禁止されている。
 
== 概要 ==
島には[[センチネル族]]が50人から400人程度{{Sfn|Daniel|2014|p=204}}<ref name="sankei20180125"/>居住していると見積もられている。彼らは[[狩猟]]や沿岸での[[釣り]]で食料を確保しつつ石器時代的な生活を営んでおり<ref name="sankei20180125"/>、外部との接触を一切拒否している<ref name="sankei20180125"/>。[[21世紀]]に入っても、漂着をしたり、上陸を試みたりした外部の人間がセンチネル族に[[殺害]]される事件が発生している<ref name="sankei20180125"/>。
 
1947年以降、インドの連邦直轄領[[アンダマン・ニコバル諸島]]に属していることになっており<ref name="contact" />、行政上は{{仮リンク|南アンダマン県|en|South Andaman district}}[[ポートブレア]][[テシル|郡(テシル)]]に含まれる<ref>{{Cite web |url=http://censusindia.gov.in/2011census/dchb/3500_PART_B_DCHB_ANDAMAN%20&%20NICOBAR%20ISLANDS.pdf |title=Census of India 2011 ANDAMAN & NICOBAR ISLANDS |format=pdf |accessdate=2019-10-28}}</ref>。しかし、インド政府は島民とはいかなる条約も結んだことがなく、事実上島民の主権が認められている状態である。現在(2019年時点)、[[アンダマン・ニコバル諸島]]自治政府も、センチネル族は現代文明を必要とせず干渉も求めていないとして、深刻な自然災害や病気の発生がない限りは干渉しない方針である<ref name="sankei20180125"/>。インド政府は外国人の上陸も認めておらず、島に近付かないよう警告している{{Sfn|Bonnett|2015|p=98}}<ref name="thewe" />。2018年の事件に関する報道によれば、インドの少数民族保護法によって<ref name="sankei20190111"/>、北センチネル島から半径5[[キロメートル]]以内への立ち入りは違法である<ref name="afp-181121" /><ref name="sankei20190111"/>。
 
==== 2018年の宣教師殺害事件 ====
[[2018年]][[11月16日]]には、漁船を雇って島に[[カヌー]]で単身接近し、住民を[[キリスト教]]に[[改宗]]させるために上陸しようとした自称「[[冒険家]]」<ref name="natgeo-181201"/>の[[宣教師]]<ref name="cnn-181121" /><ref name="it-181121" /><ref name="sankei20181127" /><ref name="natgeo-181201"/>([[アメリカ合衆国]][[ワシントン州]]在住で[[中国系アメリカ人]]の26歳男性)が住民に弓矢を射掛けられ、傷を負った所を首に縄をかけられて死亡した<ref name="afp-181121" /><ref name="sankei20190111" />。この人物は観光査証でインドに入国し、[[アンダマン・ニコバル諸島]]への入域許可も得ていたというが<ref name="afp-181121" />、この島への接近・上陸は違法行為である<ref name="afp-181121" />。漁船を雇って11月14日夜に島に接近、15日以降繰り返し接触を試みたが2度失敗、3度目に殺害された<ref name="natgeo-181201"/><ref name="sankei20190111" />。男性の遺体は砂浜に埋められている模様だが、回収は困難という<ref name="natgeo-181201"/><ref name="sankei20181127" />。インド政府は漁師たちとエンジニア1名、計画に携わった宣教師1名の合計7名を「過失殺人」で告発した<ref name="natgeo-181201"/>。
 
この宣教師は終末思想を奉じる[[福音派]]の教団に属しており、地上のすべての国々の民にキリストの教えを伝える、という宗教的信念に基づいての行動とみられる<ref name="newsweekjapan-181211"/>。北センチネル島上陸の試みもこれが初めてではなく、2016年・2017年にも行っていた<ref name="newsweekjapan-181211"/>。宣教師の行動は欧米メディアでも総じて批判的に報じられている<ref name="newsweekjapan-181211"/>。インドの法律に違反した不法侵入であること<ref name="newsweekjapan-181211"/>が批判点の一つであるが、一方的なアプローチが先住民族の権利を侵害するもので(2007年の「[[先住民族の権利に関する国際連合宣言]]」には、未接触部族が孤立して暮らす権利を支持している)<ref name="newsweekjapan-181211"/>、「見当違い」な「思想の押し付け」であること<ref name="newsweekjapan-181211"/>が大きな批判点である。殺害された宣教師には、その年最も「驚くべき愚行」によって死亡した人物を(皮肉交じりに)顕彰する[[ダーウィン賞]]が授与された<ref>{{Cite web|title=2018 Darwin Award: The Missionary Position|url=https://darwinawards.com/darwin/darwin2018-13.html|website=darwinawards.com|accessdate=2020-07-16}}</ref>。