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核実験は、実施された場所と高度により4つの種別に分類される。
 
'''1.大気圏内核実験'''<br>
地上、海上、及び空中で行われる核実験である。実験方法には、棟上、[[気球]]、船舶、離島、及び航空機からの投下が用いられる。また数は少ないが、[[高高度核爆発]]実験も[[ロケット]]により行われる。地上近くの核爆発では、土砂とチリが[[キノコ雲]]により巻き上げられ大量の[[放射性降下物]]が発生してしまう。また高々度での核爆発では強力な[[電磁パルス]]が発生し、周辺の電子機器に深刻な障害を引き起こす。
 
'''2.地下核実験'''<br>
地表面下の様々な深度で行われる核実験である。実験の手法は、冷戦時に米国及びソ連にて確立されたが、本実験以外の手法は1963年に締結された[[部分的核実験禁止条約]] (PTBT) で禁止された。核爆発が完全に地中で収束した場合には、放射性降下物は殆ど発生しない。しかし爆発によって地面に穴が空いてしまった場合には、そこから大量の放射性降下物が発生してしまう。地下核実験では、その[[核出力]]と爆弾の構造に応じた[[地震波]]が発生するが、多くの場合で地殻の陥没による[[クレーター]]も生成される。1974年には、地下核実験の最大核出力を150キロトンとする[[地下核実験制限条約]] (TTBT) が米国とソ連の間で署名されている。
 
'''3.大気圏外実験'''<br>
大気圏外で行われる核実験であり、実施にはロケットが使われる。この実験の目的は、主に敵国から発射された[[ICBM]]を大気圏外で迎撃すること、及び敵国の衛星(主にスパイ衛星)を破壊することの検証である。ただし宇宙空間には大気が無く、核爆発の衝撃波によるターゲットの破壊が出来ないため、目的の達成には近接距離の核爆発による熱線・放射線によるターゲットの物理的な破壊、および電磁パルスによるターゲットの“電子的”破壊(無能化)が必要になる。しかし核爆発で生ずる電磁パルスは、地上の電子機器にまで影響を及ぼすこと、及びターゲットの物理的破壊は近年特に問題になっている[[スペースデブリ]]を大量に発生させることから、PTBTにて実験が禁止された。
 
'''4.水中核実験'''<br>
水面下で行われる核実験であり、実施には船舶や[[はしけ]](これらは実験時の爆発で破壊されてしまう)が用いられる。この実験の目的は、水中核爆発の艦船への効果([[クロスロード作戦]]等)と、艦船用兵器([[爆雷]]や[[魚雷]])への核兵器の転用可能性を検証することである。しかし海面近くの核爆発では、放射性の水及び蒸気を大量に拡散させ、近くの艦船や建物を汚染してしまう。
 
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{| class="sortable wikitable" style="line-height:1.4em; font-size:95%;"
|+''' 歴史的重要度の高い核爆発・核実験'''
|-
! 年月日
! 名称(実験名)
! [[核出力]] (kt)
! 実施国
! 重要性
|-
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references/>