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== 概要 ==
書名にある「'''[[酉陽]]'''」は[[地名]]で、現在の[[湖南省]][[沅陵県]]の小酉山のふもとをさす。そこに書1000巻を秘蔵した穴が存在するという伝承に則っている。
 
内容は、[[神仙]]や仏[[菩薩]]、人鬼より、怪奇な事件や事物、風俗、さらには動植物に及ぶ諸事万般にわたって、異事を記しており、中国の[[小説]]あるいは随筆中においてその広範さは一、二を争う。[[魯迅]]の愛読書であり、[[南方熊楠]]が、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]の『[[博物誌]]』と名を比した書としても知られる{{sfn|岡本綺堂|1994|pages=4-5}}{{sfn|曾雪梅|段成式|2018}}。[[インド]]や[[ペルシア]]などの海外に関する伝聞も多く記されている。中でも[[撥抜力国]]は西南海中にあって「[[象牙]]と阿末香([[龍涎香]])」を産するといい、今の[[ソマリア]]の[[ベルベラ]]地方を指すとされる<ref>今村訳による。</ref>。また、[[継子いじめ譚]]である[[葉限]]の話は[[シンデレラ]]と共通性が高い。
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=== 撰者の段成式 ===
撰者の[[段成式]]は、時の宰相や剣南西川[[節度使]]であった[[段文昌]]の子。[[字]]は柯古。[[青州 (山東省)|青州]][[臨淄区|臨淄県]]の出身。[[本貫]]は[[斉州]][[鄒平県]]。官は[[秘書省]]の[[校書郎]]となり、宮中にある秘閣の蔵書に精通していた<ref>{{Cite book|title=唐詩選|date=2000年10月16日|year=|publisher=岩波文庫}}</ref>。その上、段家には蔵書が多く、また、[[仏典]]にも詳しかった。[[江州 (江西省)|江州]]刺史、太常少卿などの官を歴任した。官を辞してからは、[[襄陽郡 (中国)|襄陽]]に居を構え、[[863年]]([[咸通]]4年)に没した<ref>{{Cite book|title=酉陽雑俎 1 382|page=7|date=1980年07月01日|year=|publisher=平凡社}}</ref>。
 
== 関連文献 ==