「比較発生学」の版間の差分

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[[チャールズ・ダーウィン]]の[[進化論]]は、生物学全体を大きく変えた。『[[種の起源]]』は、種の変化する可能性を様々な観点から論じているが、そこには発生学からの証拠も利用されていた。同時にこの説はこの分野に大きな影響を与えた。上記のような現象の理由が、進化論によってはっきり説明されると考えられたからである。
 
たとえば[[フリッツ・ミューラー|ミュラー]](Fitz Mueller 1821-187)はダーウィンの書が出版されるとすぐにその支持者になった。彼の観察がそれによってきれいに説明できると考えたからである。彼によると、[[甲殻類]]の発生では[[ノープリウス]]・[[ゾエア]]・[[ミシス]]などの[[幼生]]の段階があるが、多くのものでその出発点はノープリウスであること、[[カイアシ類]]ではほぼそのままの構造で、アミ類の場合はミシス期の形で成体になる。このようなことが進化の系列として捉えれば説明しやすいと考えたのである。同時にそこから甲殻類の祖先はノープリウスのようなものだったろうと推察している。彼はこの論文に「ダーウィン賛同」という名を付けた(1864)。ちなみにダーウィンは『種の起源』の後の版でこの論文を引用している。ミュラーはその中で、おおよそ以下のように述べた。
*個体の発生過程は、その個体の属する種の進化してきた経歴を示す。
*子孫は先祖の発生の過程をたどり、そのまま先祖の親を超えて進むこともあり、その場合には発生全部が子孫の中で繰り返される。