「エンドサイトーシス」の版間の差分

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「ライソソーム」を「リソソーム」に統一。「リソソーム」初出箇所にもとりあえずwikilink。未知用語は、最初に説明するように語順変更。
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[[File:Membrantransport.png|thumb|300px|エキソサイトーシスとエンドサイトーシスの模式図]]
'''エンドサイトーシス''' (endocytosis) とは[[細胞]]が細胞外の[[物質]]を取り込む過程の1つ。細胞に必要な物質のあるものは[[極性]]を持ちかつ大きな[[分子]]であるため、[[疎水性]]の物質から成る[[細胞膜]]を通り抜ける事ができない、このためエンドサイトーシスにより細胞内に輸送される。[[エキソサイトーシス]]とは反対の現象であり、これとは逆に細胞膜の一部から細胞外へ[[小胞]]を形成する現象は[[エキソサイトーシス]]と呼ばれる。エンドサイトーシスは、取り込む物質の種類やその機構の違いから、'''[[食作用]]'''(しょくさよう、phagocytosis)と、'''[[飲作用]]'''(いんさよう、pinocytosis)とに大別される。
 
== エンドサイトーシスの過程 ==
[[タンパク質]]のような大きな細胞外物質([[リガンド]])が細胞膜上の[[受容体]](レセプター)に結合することにより始まる。この受容体は多くの場合細胞膜表面の[[クラスリン]]タンパク質に関連づけられている。このクラスリンは細胞膜表面を覆い窪みを形作っている。受容体がリガンドと結合するとクラスリンに覆われた穴は深くなり細胞質の中に陥入、被覆小胞となる。細胞膜から離れた被覆小胞はすぐにクラスリンを脱離させ、初期[[エンドソーム]]に融合する。初期エンドソーム内部は[[リソソーム]]同様に[[プロトンポンプ]]の作用によって[[酸性]]に保たれている。ここで被覆小胞の膜内側に結合している受容体蛋白質の多くは再利用されるために細胞膜へと回帰する経路に乗る。一方受容体に結合してエンドソーム内腔に取り込まれたリガンドは、酸性条件下で受容体のコンフォメーションが変化するに伴い乖離する。この際残りのタンパク質、その他膜構成物質等も遊離し、大半は再利用され再び細胞膜の形成に関わる。
 
エンドソームは後期エンドソームに成熟した後、[[リソソーム]]と結合したり[[ゴルジ体]]からの小胞と合体し取り込まれたリガンドの消化などが行われる。
 
== 食作用 ==
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== 飲作用 ==
{{Main|飲作用}}
飲作用(ピノサイトーシス)は[[細胞外液]]を取り込むエンドサイトーシスのことで、細胞外液を満たした小胞(エンドソーム)を形成する。食作用とは異なり、食細胞以外の細胞でも発達した機構の一つであり、細胞外液を細胞質に取り込むことで、細胞に必要な水溶性の栄養分を取り込む、細胞の生存に必須の機構だと考えられている。ピノサイトーシスは全ての細胞で行われている取り込み機構でありクラスリン介在性エンドサイトーシス、カベオラ介在性エンドサイトーシス、マクロピノサイトーシスが知られている<ref>Pharmacol Rev. 2006 Mar;58(1):32-45. PMID 16507881</ref>。クラスリン介在性エンドサイトーシスはファゴサイトーシスと同様に取り込んだ物質を分解することを主な働きとする経路である。[[エンドソーム]]は[[ライソソーム]]による分解を受ける。カベオラ介在性エンドサイトーシスはカベオラと呼ばれる丸フラスコ様の窪みから物質を取り込み、カベオソームにより物質輸送がおこわなれる。カベオソームは通常のエンドソームとは異なり、pHの低下は起こらず中性を示し、ライソソームによる分解は誘導されない。マクロピノサイトーシスは大量の液体を細胞内に取り込む機構である。マクロピノソームの大きさは0.2~10μmと広い範囲にわたり、その大きさや形は取り込む物質に依存しない。マクロピノソームは必ずしもライソソームとは融合せず、他のエンドソームとくらべても中身が漏出しやすい。
 
== 病原体とエンドサイトーシス ==