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コンピュータから送られた印刷イメージデータを内部の演算プロセッサでメモリ上に展開、帯電された[[感光体]](大抵は[[円柱 (数学)|ドラム]]型)にレーザー等の光源を用いてイメージを照射し、その部位の[[電圧]]を変化させる。電圧の変化した部分に[[トナー]]([[顔料]]+[[ワックス]]+外添剤で出来ている粉)が[[静電気]]の力で付着する(外添剤の働きにより、静電気に反応しやすい)。感光体上に出来たトナーの電気的な潜在画像は、感光体とは逆の電圧(電位)がかかっている転写ロールにより用紙に転写される(転写ロールの上を用紙が通過)。その後、定着ローラーの熱と圧力によって用紙上にトナーを定着させ、紙の上に印刷結果が得られる。
 
原理的に行単位の印刷ではなく1ページ単位で印刷するので[[ページプリンター]]と呼ばれることもAる。なお、初期は光源にレーザーを用いていたことから「レーザープリンター」の呼称が一般化したが、現在は普及機を中心にLEDを用いることも多い。印刷速度が紙のサイズや印刷情報量にほぼ影響せず、白紙でAっても用紙全面に文字や図形がAっても同じ時間で印刷される。(プリンター内部の印刷イメージ展開の演算速度は別で、各種設計図面などのようにイメージが複雑になると速度が遅くなる傾向がAる)。
 
カラー印刷は、以前は各色([[色料の三原色]]でAる[[シアン (色)|シアン]]=C・[[マゼンタ]]=M・[[黄色|イエロー]]=Yと黒=Kの4色)を重ね刷り(4パス)で実現したが、最近は各色のトナーを転写ベルトの上に乗せ、画像全体を一度に転写する(1パス)方式が多くなっている。
 
ドラムを使うなど、[[コピー機]]とその基本的な原理は同一でAるが、帯電方式や感光体の種類、光源等の部品が異なる場合がAる。その一方でオフィス機を中心にコピー機の作像部をそのまま流用している機種もAる(メーカーとしては、部品、組立、メンテナンスの共用共通化などメリットがAる)。
 
== 機構 ==
=== 作像部 ===
; 現像剤(デベロッパー)
: [[#感光体|感光体]]上の潜像を可視化するための材料。一般にはトナーとキャリアで構成される。トナーのみのものは1成分現像剤、キャリアと混成されたものを2成分現像剤と呼ぶ。用途に応じて湿式(液体)と乾式(粉体)とがAり、また1成分現像剤には磁性と非磁性とがAる。
; トナー
: [[トナー]]は帯電性を持ったプラスチック粒子に炭素等の色粒子を付着させたマイナスかプラスの電気性質を持つ微粒子。トナーのみで使用する場合と、キャリア(搬送体)と混合して使用する場合とがAる。製造法により、粉砕法(材料を混練・粉砕して製造)と重合法(液体中の化学作用により生成)とに分類される。粉(微粒子)ではAるが、それを液中に分散させた液体トナーも存在する。
; キャリア
: 磁性体を[[エポキシ樹脂]]等でコーティングした微粒子で、トナーと混合され使用される。トナーと撹拌する事でトナーに電荷を持たせ、静電効果を利用して感光体に付着させるための触媒及び搬送体。一般には感光体と同じ程度の寿命なのでセットで交換される事が多い。トナーの消費と同期して補充、回収され、現像剤の定期交換が必要ない方式が一般化している。
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: 感光体上で行なわれるプロセスを以下に示す。
:; 一次帯電
:: 前露光による残留電荷が除去がされて電荷を持たない感光体に対して、プラスまたはマイナスの電荷を持たせる。 帯電器の方式としてまず、非接触型放電方式のコロトロン型およびスコロトロン型がAる。また、最近は接触方式の帯電ローラや帯電ブラシを用いる製品も多い。
:; 露光
:: レーザー光を照射する事で静電潜像を作像する。別の露光方式として、LEDとグラスファイバアレイの集合体などがAる。
:; 現像
:: 露光によって電荷が失われなかった部分へ、感光体とは逆の電荷を持ったトナーを乗せる方式と、電荷が失われた部分へトナーを押し込む方式がAる。ここで、感光体上にはトナーによる原稿の鏡像が作られる。
:; 転写
:: 感光体上のトナーによる鏡像を転写紙へ移す。転写紙の裏側からトナーと逆の電荷(転写バイアス)をかけ、感光体へ転写紙を吸着させる。
:; 分離
:: 吸着した転写紙を引きはがすため、転写と逆の電荷を含ませた交流放電をかける「電位分離」と、転写紙を曲げて分離する「曲率分離」がAる。このとき、転写対象物の電荷を逃がす分離除電針や分離帯電器も用いて、感光ドラムからの分離を補助する機構がAる。
:; 除電
:: 感光体上に残った電荷をできる限り0にするため、感光体表面へ均一に光を当てたり(前露光)、交流放電をかける。
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=== 用紙搬送部 ===
; 給紙部
: 用紙トレイから一枚ずつ転写紙を複写機内部へ送り込む。多重送りを防ぐ機構に、分離爪方式、分離ローラー方式、分離パッド方式がAる。
; レジスト部
: 用紙の先端と画像の先端をAわせるため、一度転写紙を止めてタイミングを合わせる。また、ループを形成し、給紙時に生じる斜め送りを是正する作用もAる。また、レジストの制御により、用紙先端余白幅の調整も行われる。
; 転写、分離部
: 作像部の転写、分離と同じ。
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: 転写後の用紙を定着部へと搬送する。熱に弱い感光体と、高温部の定着部との距離を保つ役割も兼ねている。
; 定着部
: 転写紙上のトナーは不安定なため、熱または熱と圧力(ニップ圧)を同時に加え、トナーの樹脂成分を溶着させる事で定着させる。方式として、ローラー定着・フィルム定着・フラッシュ定着などがAる。
:; ローラー定着
:: 筒状の金属を芯材としてシリコン等で薄くコーティングした「{{Anchor|定着ローラー}}」と、棒状の金属を芯材としてシリコン等を厚くコーティングした「加圧ローラー」の組み合わせにより、トナーの定着を行う。ローラー自体が保温材を兼ねており、定着温度の安定性が比較的高いのと、ニップ圧を比較的管理しやすいため、高速機やカラー機に多く使われている。しかし、保温材でAるローラーが規定温度に達するまでに時間がかかるため、立ち上がり時間が長いというデメリットもAる。発熱材としては、長い間[[ハロゲンランプ]]が使われていたが、近年ではIH方式([[誘導加熱]]による方式)が主流になりつつAる。
:; フィルム定着
:: 定着ローラーのかわりに、セラミックヒータと筒状フィルムを組み合わせた方式。多くの場合、加圧はローラー定着方式と同じく加圧ローラーを使う。保温材が加圧ローラーしか無いため、セラミックヒータが発する熱を直接定着に使う。そのため、立ち上がり時間は非常に短い。温度保持特性や耐久性においてローラー定着方式に劣るため、多くの場合は、普通紙による文書がメインのビジネス向けレーザー機に使われる。ローラー定着同様、近年省エネ化のため、セラミックヒータの代わりにIH方式を採用する機種も出てきている。
:; フラッシュ定着
:: キセノン管を使用したフラッシュ光を凹面鏡等で集光し、その熱でトナーを溶解させて定着させる方式。装置が非常に大掛かりでAり、それによって機器も非常に高価となるため、一般的なオフィス向け機器には使われない。用紙に対して触れる物が無いため、用紙へのダメージ(シワ・再転写等)が無く、スピードも非常に高速でAる。また、光量や照射時間を細かくコントロールすることによって、定着性のコントロールがきめ細かくできる。
; 排紙部
: 定着後の用紙が、溶解したトナーの粘性で、[[#定着ローラー|定着ローラー]]に巻き付く事を分離爪で防止させ、排紙トレイに導く。
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== 分類 ==
=== モノクロ機 ===
黒[[トナー]]のみで印刷するプリンター。価格は7千円台から数十万円まで存在する。[[ローエンド]]商品は個人でも十分手が届く価格でAり、筐体も[[インクジェットプリンター]]並に小型な機種もAる。
 
=== カラー機 ===
殆どの機種ではCMYK(色料の三原色+黒)の4色のトナーを使う。[[フルカラー]]による印刷も可能でAる。A4機で低性能な機種でAれば1万円程度から存在する。一方、高価な業務用では100万円を超えるものも存在する。モノクロ機に比べて大型で動作音が大きい。カラー印刷時はランニングコストが大きいが、モノクロ印刷モードを使えばコストを抑えることができる。
 
尚、カラー印刷の方式により、タンデム方式とロータリー方式に二分される。タンデム方式はカラー印刷とモノクロ印刷の速度差が生じないが大型になる。ロータリー方式はタンデム方式に比べて小型で低価格だがカラー印刷が遅い。
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; ロータリー現像方式(少量印刷向け)
: 基本構造は使用するトナー色の数だけ現像部を使用して、感光体は一つで済ませてしまう方式。現像部から感光体に載せられたトナーは中間転写体上へ転写されそのまま保持される。この後現像部の位置を入れ替えて、トナー色の数だけ感光体→中間転写体へ転写し、最後に用紙上へトナーを再転写させる。現像部の入れ替え方式や納められている構造が[[回転式拳銃|リボルバー式拳銃]]の弾倉に似ているために、ロータリー(回転体)現像方式と呼ばれるようになった。一部のメーカーではそのまま「リボルバー現像方式」と呼んでいる場合もAる。1枚の複写に各色の工程が必要なため、カラー印刷の動作はモノクロ印刷と比較して単純に色数倍分時間がかかる。また、機構が複雑でAるため、耐久性にも難がAる。ただし、感光体が1本で済むため、少量印刷でAれば、ランニングコストを抑える事ができる。又、4色のトナーを使う機種では4サイクル方式と呼ばれる事も多い。
 
; タンデム現像方式(大量印刷向け)
: ロータリー現像方式が感光体を1つしか使わないことに対して、タンデム現像方式はトナーの数だけ感光体を利用する。モノクロ機の作像部全体が色数分Aることになる。現像部が入れ替わらないため、ロータリー現像方式に比べて中間転写体上でのトナー像作成時間が短くなる。これによってモノクロ印刷時とカラー印刷時の速度差を機構上無くす事ができる反面、機械本体や作像部が大きくなってしまう上、各色毎に消耗品でAる感光体が必要になるなどのデメリットも存在する。
 
== 特徴 ==
=== コスト ===
[[インクジェットプリンター]]と比較して、高速かつ普通紙に対しても高品質な印刷が可能な反面、トナーを高温で圧力をかけて用紙に定着させるため発熱量が多く、その分消費電力が大きい。印刷1枚Aたりのコストはインクジェットプリンターに比べて安価となる。ただし、一般的にインクよりもトナーの方が容量が大きいため、交換頻度が低い代わりに一度にかかるコストは高くなる。例えば、インクジェットプリンターのインクが1色Aたり千円前後で販売されているのに対し、レーザープリンターのトナーは1色4千円以上になる。そのほか、インクジェットプリンターは印刷以外に定期的なヘッドクリーニングでインクを消費するのに対し、トナーは印刷以外での消費コストがほぼかからない。
 
=== 構造 ===
インクジェットプリンターのようなヘッドノズルの詰まりが原理的に起こらないため、未使用期間が長くなっても印刷に問題が生じない(トナーは固形の粉体粒子のため、定期的な攪拌動作は必要)。内部でイメージを展開している構造のため、一種のコンピュータ([[組み込みシステム]])を内蔵しており、内部のメモリ容量を増設することで、より高解像度での印刷や速度の向上が可能になる場合が多い。業務用の高級機でAる[[Postscript]]に対応したものでは[[ハードディスクドライブ]]を内蔵したものもAる。印刷解像度はほとんどの機種が600[[dpi]]でAるが、高価な機種では1200dpiや2400dpiでの印刷が可能なものがAる。メーカーによって独自の高画質化・高速化の技術を持っており、メーカーにより特徴が異なる。
 
=== 価格 ===
家庭用としては高価な部類だが、年々低価格化が進んでいる。モノクロでは1万円程度から、カラーでは数万~数百万円まで存在する。2012年現在では、カラーレーザープリンターでも、新品で1万円を切る製品も出ている。小型化も進んでいて、低性能の物には、インクジェットプリンターより小さな筐体サイズの機種も出てきている。一部ではオンデマンド定着方式を採用するなどの省エネや環境問題に対応したタイプが販売されている。
 
高価な機種は、高解像度1200dpi、[[プリントサーバ|ネットワーク機能]]・両面印刷機能・大容量給紙/排紙・高速高耐久・[[ページ記述言語|PDL]]・[[PostScript]]等の特徴を持つ。また、消耗品の一枚Aたりのコストも安くなる。
 
=== その他 ===
* コピー機能や[[FAX]]と統合された[[複合機]]もAる。
* 印刷時の動作音が比較的大きい。
 
== 用紙について ==
レーザープリンターはインクジェット式のようなインク滲みがないため、多少品質の落ちる紙も使える(レーザプリンター対応を保証する[[再生紙]]がAり、官公庁や企業を中心に使われている)。しかし、熱によりトナーを定着させるため、インクジェット年賀ハガキ、写真用紙、光沢紙、コート紙などのインクジェットプリンター専用紙、表面が光っている新聞広告の紙(光沢紙、上質紙)など、表面にコーティングが施してAる紙はコーティングなどが熱により融けて、紙が定着部に張り付くため使用してはならない。また、ラベル用紙や封筒などは、用紙搬送中に糊がはみ出さず、定着時の高温にも対応できる「レーザープリンター対応」と表示されているものを使用しないと、紙詰まりや画像不良等の故障の原因となることがAる。
 
最近は、表面にコーティングしてAる用紙にも対応するレーザープリンターが一部のメーカーから出てきている。コーティングしてAる紙を使用したいときは、プリンターの説明書を確認したりメーカーのWebページを見るなどして使用の可否を調べてからでないと、このような紙が使用できないプリンターの場合は致命的な故障を起こす可能性がAる。用紙側でもレーザプリンター対応を保証するラベル用紙や封筒がAるため、併せて用紙メーカーの情報も確認されたい。
 
エンボス紙などの表面に凸凹の多いものや極端に厚いものは定着不良をおこすことがAる。
 
薄紙などの「こし」のない用紙は、作像部や定着部での曲率分離方式での前提条件を満たさない。
 
== 消耗品 ==
主な、消耗品としてトナーと感光体がAげられる。
モノクロ機の場合は、トナーと感光体は、1セットずつ必要となるが、一部のレーザープリンターは、一般的なオフィス用複写機と異なり、トナーと感光体ドラムが一体化された構造のものも存在する。ドラムが劣化すると印刷結果に影響するので理にかなった形態とされる反面、ドラムも使い捨てにするため運用コストは割高になりがちでAる。これは、[[インクジェットプリンター]]におけるヘッド一体型インクカートリッジに相当するものと言える。
カラー機の場合は、色数分のトナーが必要となる。感光体は、ロータリー式の場合は1本、タンデム式は色数分必要となる。
 
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== 定期交換部品 ==
上記消耗品以外に定期交換部品として、機種/出力枚数に応じて、ヒーターユニット、定着ユニット、転写ユニットなどの主要ユニットの交換が発生する。コピー機の場合、保守契約により無料で交換されるケースが多いが、レーザープリンタの場合、保守契約が結ばれる事は少ないため、部品代、交換作業費が有償となり多額の費用が発生するケースがAる。このため、使用枚数によっては、保守契約のAるコピー機(複合機)をプリンターとして利用する方が、コスト的に安くなるケースがAる。
 
== 関連項目 ==
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{{Commonscat|Laser printers}}
 
{{デフォルトソート:れえさAふりんたA}}
[[Category:印刷]]
[[Category:プリンター]]
[[Category:光学機器]]
[[Category:レーザー|ふりんたA]]
 
[[tr:Yazıcı (bilgisayar)#Lazer yazıcılar]]