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[[ファイル:Ladakh locator map.svg|thumb|200px|旧[[ジャンムー・カシミール州]]におけるラダックの位置]]
'''ラダック'''({{lang-en-short|Ladakh}}、{{翻字併記|bo|ལ་དྭགས་|la dwags|n}})は[[インド]]北部にある旧[[ジャンムー・カシミール州]]東部の地方の呼称。広義には、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれた一帯を指し、[[ザンスカール]]および、現在[[パキスタン]]の支配下となっている[[バルティスターン]]を含む、ヒマラヤ山脈。[[中華人民共和国]]カラコルム山脈の国境挟まれた一帯を指し、[[カシミールアフガニスタン]]の東側半分以上を占める北部にも近い中国が[[実効支配]]する[[アクサイチン]]も、かつてはラダック王国という独立した仏教国の支配下であったが、19世紀に。中心都市は'''[[ジャンム・カシュミ (ラダック)|レル藩王国]]に併合された''' (Leh)
 
かつてはラダック王国という独立した仏教国であったが、19世紀に[[ジャンムー・カシュミール藩王国]]に併合された。長らく、行政区画の名称としては使用されていなかったが、2019年10月31日に発効した{{仮リンク|ジャンムー・カシミール州再編成法|en|Jammu and Kashmir Reorganisation Act, 2019}}に基づく[[ジャンムー・カシミール州|旧ジャンムー・カシミール州]]の分割に伴い、[[連邦直轄領 (インド)|連邦直轄領]]となった<ref>ジャンムー地方とカシミール渓谷地方は[[ジャンムー・カシミール連邦直轄領]]となった。</ref>。[[中華人民共和国]]との国境に接し、[[アフガニスタン]]北部にも近い。中国が[[実効支配]]する[[アクサイチン]]も、かつてはラダックの支配下であった。中心都市は'''[[レー (ラダック)|レー]]''' (Leh)
 
ラダックの総人口のうち、46.6%は[[ムスリム]]、39.7%は[[チベット仏教|チベット仏教徒]]文化圏に属す、12.1%は[[ヒンドゥー教徒]]であ<ref>{{Cite web|title=District-wise population of Jammu, Kashmir and Ladakh - All you need to know|url=https://www.businessinsider.in/district-wise-population-of-jammu-kashmir-and-ladakh/articleshow/70684689.cms|website=Business Insider|accessdate=2021-01-20}}</ref>。ラダック、よく'''小チベット'''と称され仏教徒が多く、[[チベット仏教]]の中心地の一つとして有名である。インダス川流域に、多くのゴンパが存在している。[[文化大革命]]で破壊された中華人民共和国の[[チベット自治区]]よりも古い文化が良く残っていると言われる。特に'''[[曼荼羅]]美術'''の集積はチベット自治区を凌ぐとされている。
 
== 歴史 ==
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== 気候 ==
[[ファイル:Ladakhtemp2.svg|サムネイル|200x200ピクセル|レーの月平均気温]]
ラダックは標高が高く、南部からのモンスーン雲が来ないため、非常に乾燥している。そのため一部の標高の高い地域では砂漠が見られる。冬の数カ月間、平均気温は-10℃を下回り、大雪が降るため地域の交通が遮断される。この時、山に積雪した雪がラダック一帯の水源となっている。夏は短いが、平均気温が10℃を超え作物を育てることができる。ラダックは一年を通して日中の寒暖差が大きく、夜には20℃を下回ることもある。また紫外線が強いため、旅行者にとっては対策が必要である。
 
ラダックは標高が高く、南部からのモンスーン雲の影響を受けないため、非常に乾燥している。そのため一部の標高の高い地域では砂漠が見られる。年間降水量は50〜70mmで、7月と8月以外はほとんど雨が降らない<ref>{{Cite journal|author=Shafiq MU, Bhat MS, Rasool R, Ahmed P*, Singh H and Hassan H|year=2016|date=2016|title=Variability of Precipitation regime in Ladakh region of India from 1901-2000|journal=Journal of Climatology & Weather Forecasting Shafiq|volume=|page=}}</ref>。ラダックにおいても地球温暖化の影響が見られ、雪が減少傾向にある。乾いた農地に水を供給するため積雪時に氷の仏塔を作り、農業用の水源を確保するという活動が行われている<ref>{{Cite web|title=インド 気候変動と闘う「氷の仏塔」|url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/062200370/|website=natgeo.nikkeibp.co.jp|accessdate=2020-08-03|language=ja}}</ref>。
 
== 宗教 ==
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[[ジャンムー・カシミール連邦直轄領]]は[[イスラーム教|イスラム教]]が支配的だが、'''ラダック連邦直轄領'''では[[仏教]]([[チベット仏教]])が支配的である。ただし、[[バルティスターン]]ではチベット民族が多く住んでいるが[[イスラム教]]が信仰されている。ラダック中央部やザンスカールでも、バルティスターンに近いカルギリなど西部方面を中心に、かなりの数のラー教徒も住んでいる。旧ラダック王国の時代にも信仰の自由が認められていたため、レーやチョグラムサルにも古いムスリム寺院がある。
 
=== 仏教僧院(ゴンパ) ===
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=== 葬儀 ===
チベットでは「[[鳥葬]]」が有名だが、ラダックでは「[[火葬]]」が一般的である。ゴンパの近くや村の郊外に設置される[[日干し煉瓦]]で出来た「[[プルカン]]」と呼ばれる四角い窯で死体が焼かれる。日本語を解するラダッキは、しばしばプルカンのことを「墓」と訳して教えてくれるが、日本人が言う墓とは異なり、火葬場と呼ぶのがふさわしい。裕福な家系は一族だけのプルカンを持っている。プルカンで焼いた後の遺灰は集められて、高い峠で風に乗せてまかれるか、あるいは大きな川([[インダス川]]など)へと流される。葬式の1年後など決まった時期に僧を招いて法要を行う場合もある。チベタンと同様にラダックの人が魚を食べないのは、「一つの命を維持するためにより多くの命を奪うことになるから」という理由と、遺灰を水に流すことによる宗教的な[[不浄観]]も理由に含まれている。
日本語を解するラダッキは、しばしばプルカンのことを「墓」と訳して教えてくれるが、日本人が言う墓とは異なり、火葬場と呼ぶのがふさわしい。裕福な家系は一族だけのプルカンを持っている。プルカンで焼いた後の遺灰は集められて、高い峠で風に乗せてまかれるか、あるいは大きな川([[インダス川]]など)へと流される。葬式の1年後など決まった時期に僧を招いて法要を行う場合もある。チベタンと同様にラダックの人が魚を食べないのは、「一つの命を維持するためにより多くの命を奪うことになるから」という理由と、遺灰を水に流すことによる宗教的な[[不浄観]]も理由に含まれている。
 
=== 芸術 ===
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== 言語・民族 ==
* [[バルティスターン]]や[[ザンスカール]]を含めて、ラダックの住民の大多数は[[チベット民族]]である。レーを中心としたラダック中央部の'''ラダック語'''はチベット語の一派であり、古いチベット語の用法をよく残していると言われる。チベット語で「こんにちは」などを意味する「'''ジュレー'''(もしくは'''ジュライ''')」が広く使われ、見知らぬ人でも言葉を返してくれる。また、ラダックでも「タシ・デレ(ク)」は使われるが、よりフォーマルな挨拶語とされ目上の人や尊敬する僧に対して使われるといった違いが見られる。
 
* [[ドーグラー|ドーグラー人]]