「連続 (数学)」の版間の差分

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=== 各点連続 ===
{{Main|位相空間}}
連続性は、各点の周りで考えられる概念である。1変数実関数 {{math|''f''(''x'')}} がある点 {{math|''x''<{{sub>|0</sub>}}}} で'''連続'''であるとは、''{{mvar|x''}}{{math|''x''<{{sub>|0</sub>}}}} に限りなく近づくならば、{{math|''f''(''x'')}}{{math|''f''(''x''<{{sub>|0</sub>}})}} に限りなく近づくことを言う:
:<math>\lim_{x\to x_0} f(x) = f(x_0).</math>
これは[[イプシロン-デルタ論法|ε-δ論法]]を用いれば次のように定式化できる:
 
:任意の正の数 {{mvar|ε}} に対して、ある正の数 {{mvar|δ}} が存在し、{{math|''x''<{{sub>|0</sub>}}}}{{mvar|δ}} 以内の距離にあるどんな ''{{mvar|x''}} に対しても、{{math|''f''(''x'')}}{{math|''f''(''x''<{{sub>|0</sub>}})}} の差が {{mvar|ε}} より小さくなる:
これは[[イプシロン-デルタ論法|ε-δ論法]]を用いれば次のように定式化できる:
:<math>{}^{\forall\ x_0\in I,\ \forall\} \varepsilon >0,\ {}^{\exists\} \delta>0 \ ;\text{s.t.}\; {}^{\forall\} x \in I\; [\ |x-x_0|<\delta \Rightarrow |f(x)-f(x_0)|<\varepsilon\ ].</math>
 
また、関数 {{math|''f''(''x'')}} がある[[区間 (数学)|区間]] ''I'' で連続であるとは、''I'' に属するそれぞれの点において連続であることを言う:
任意の正の数 ε に対して、ある正の数 δ が存在し、''x''<sub>0</sub> と δ 以内の距離にあるどんな ''x'' に対しても、''f''(''x'') は ''f''(''x''<sub>0</sub>) の差が ε より小さくなる:
:<math>{}^{\forall} x_0 \in I, {}^{\forall} \varepsilon >0,\ {}^{\exists\} \delta>0\ \;\text{s.t.}\; {}^{\forall\} x \in I\ [\ |x-x_0|<\delta \Rightarrow |f(x)-f(x_0)|<\varepsilon\ ].</math>
関数 {{math|''f''(''x'')}} が多変数であったり、または[[ベクトル]]値関数である場合にも、基本的には上の[[絶対値]]の記号を[[ノルム]](長さ)に変更すれば同じようにして連続性を定義することができる。関数空間のような無限個の変数で表される対象や、さらに抽象的な位相空間上で定義された写像についての連続性は[[近傍系]]や[[フィルター (数学)|フィルター]]、[[有向点族]](ネット)などの概念を通じて定義される。
また、関数 ''f''(''x'') がある[[区間 (数学)|区間]] ''I'' で連続であるとは、''I'' に属するそれぞれの点において連続であることを言う:
:<math>\forall\ x_0\in I,\ \forall\ \varepsilon >0,\ \exists\ \delta>0\ \text{s.t.}\ \forall\ x \in I\ [\ |x-x_0|<\delta \Rightarrow |f(x)-f(x_0)|<\varepsilon\ ].</math>
関数''f''(''x'') が多変数であったり、または[[ベクトル]]値関数である場合にも、基本的には上の[[絶対値]]の記号を[[ノルム]](長さ)に変更すれば同じようにして連続性を定義することができる。関数空間のような無限個の変数で表される対象や、さらに抽象的な位相空間上で定義された写像についての連続性は[[近傍系]]や[[フィルター (数学)|フィルター]]、[[有向点族]](ネット)などの概念を通じて定義される。
 
==== 一般の位相空間に対して ====
一般に、''{{mvar|f''}}} を[[位相空間]] ''{{mvar|X''}} から位相空間 ''{{mvar|Y''}} への[[写像]]とするとき、''{{mvar|f''}}{{math2|''x'' ∈ ''X''}} で連続であるとは、{{math2|''f''(''x'') ∈ ''Y''}}どんな任意の近傍 ''{{mvar|V''}} であっに対し''{{mvar|x''}}適当なある近傍 ''{{mvar|U''<{{sub>''|x''</sub>}}}} をとれば、その近傍の像が {{math2|''f''(''U''<{{sub>''|x}}''</sub>) ⊆ ''V''}} とできることをいう。
 
これは、''{{mvar|Y''}} の点 {{math|''f''(''x'')}} を含む任意の近傍の ''{{mvar|f''}} による逆像がまた ''{{mvar|x''}} の近傍であるとき、''{{mvar|f''}}''{{mvar|x''}} において連続であるというと言い換えることができる。また、''{{mvar|f''}}''{{mvar|X''}} 全体で連続であるということは、単に'' {{mvar|Y''}} の任意の[[開集合]]の逆像がまた ''{{mvar|X''}} の開集合であるのと同じである。
 
実数や[[複素数]](あるいはその列)の全体に対して、絶対値(あるいはノルム)を距離関数として[[距離空間]]の位相を導入すれば、「連続関数」は「連続写像」の例であることが理解される。