「阿毘達磨」の版間の差分

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|en=higher teaching,<br />meta-teaching
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'''阿毘達磨'''(あびだつま、{{lang-pi-short|Abhidhamma}}, '''アビダンマ'''、{{lang-sa-short|Abhidharma अभिधर्म}}, '''アビダルマ'''、音写:阿毘曇(あびどん)、毘曇(びどん)、阿鼻達磨)とは、[[仏教]]の教説(具体的には[[スートラ経_(仏教)|経]]蔵、[[律 (仏教)|律]]蔵など)の研究・思想体系<!--{{sfn|櫻部・上山|2006|p=18}}に、アビダルマとはブッダの教えを学僧たちが研究し、解明し、組織づけて、一つの思想体系にまとめげた知的努力を意味する、とあることから、解説書としての意味の他にそれを作るための研究ないし思想体系を含む用語であると判断される。-->、およびそれらの解説書{{sfn|櫻部|2002|p=18}}・注釈書のこと<ref name="kb21" />。'''大法'''、'''無比法'''、'''対法'''と漢訳する<ref name="kb21">{{Cite book |和書 |author=中村元 |date=2001-06 |title=広説佛教語大辞典 |publisher=東京書籍 |volume=上巻 |page=21 |isbn=}}</ref>。
 
[[三蔵]]を構成する、[[律 (仏教)|律]](ヴィヤナ)、[[経 (仏教)|経]](スートラ)、[[論 (仏教)|論]](アビダルマ)の一つをなす。これらのアビダルマをまとめたものを「[[論蔵]]」({{lang|sa|Abhidharma-piṭaka}})と呼ぶ。
 
==概要==
[[仏陀]]逝去の後まもなく、弟子の僧たちが集まって、記憶していた仏陀生前の教説をまとめ伝承したものを[[阿含経|アーガマ]](阿含経:{{lang-pi-short|agama}})という{{sfn|櫻部・上山|2006|p=18}}。アーガマに対する研究は僧団の内部で熱心に行われた。これらには、中阿含根本分別品など[[スートラ経_(仏教)|経]]蔵と[[律 (仏教)|律]]蔵の二蔵に分かれる以前のもの{{sfn|岩波仏教辞典第2版|1989|p=168}}を含むが、原始仏教時代に経蔵と律蔵が成立した{{sfn|岩波仏教辞典第2版|1989|p=168}}。
 
これらの研究は、仏陀の説く真理を仏陀自身、ダルマ([[法 (仏教)|法]]:{{lang-sa-short|dharma }})と呼んだ{{sfn|今枝|2015|p=13}}ことから、「ダルマに対する研究」の意味でアビダルマ(漢語で「対法」)と呼ばれる{{sfn|櫻部・上山|2006|p=19}}。通常は、仏教僧団が当初の統一を失い、多くの部派に分裂して後の教義の組織化をさす{{sfn|櫻部・上山|2006|p=19}}。結果として生み出された教義の解説書、綱要書、論述書などは、厳密にいえば'''アビダルマ・シャーストラ'''('''阿毘達磨論'''または'''阿毘達磨論書''')と呼ぶべきであるが、おなじく略してアビダルマ(阿毘達磨)と呼ばれる{{sfn|櫻部・上山|2006|p=18}}。時期としては仏陀没後300~900年{{efn|ブッダの没年を紀元前400年頃と考える([[釈迦]]の項目の「歴史学的な成果」ー「生没年」を参照。)と、紀元前100~紀元500年頃。}}のもの{{sfn|櫻部・上山|2006|p=19}}。