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→‎聖公会: 司教冠、主教帽/司祭のカラーシャツやキャソックには黒色が用いられる。
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== 聖公会 ==
[[File:Bishop-priest-acolytes-vimpas.jpg|thumb|聖公会の聖職者とアコライト|両脇の4名はアコライト(侍者)。中央右側の主教は白色のチャジブル、金色の主教帽(マイター)、牧杖を身に着けている。]]
[[聖公会]]の祭服は特にカトリック教会のものと似通う。ただし、カトリックでいうカズラをチャジブル、ストラをストールと呼ぶなど、[[イングランド国教会|英国教会]]の流れを汲んでいることから英語発音になっている物が多い。また、訳語については聖公会は[[司教]]ではなく[[主教]]が用いられるため、カトリック教会の[[ミトラ (司教冠)|「司教(ミトラ)]]に相当する主教が保持する杖の被りものには「牧杖」または「パストラルスタッフ主教帽」の呼び名が当てられる。
 
[[聖職(教役)]]には、[[主教(bishop)]](bishop)[[司祭(priest)]](priest)[[執事 (deaconキリスト教)|執事]](deacon)の3つの職位があり、祭服もそれぞれ共通の部分と異なる部分がある。
 
また、聖公会の中でも[[高教会派|ハイチャーチ]]と呼ばれる伝統的な典礼の形式を重んじる教会と、リベラルプロテスタント的な傾向が強い[[低教会派|ウ・チャーチ]]では慣習が異なったり、教役者個人の考え方で着用に幅がみられる。
 
カトリック同様に祭色の規定があり、赤([[ペンテコステ|聖霊降臨主日]]、[[受難週|聖週]][[聖職按手|聖職按手]]など)、白([[クリスマス|降誕節]]、[[イースター復活祭|復活節]]、三位一体主日、葬儀など)、紫([[アドベント|降臨節]][[四旬節|大斎節]]、葬儀など)、緑(聖霊降臨後年間平常主日など)が用いられる。
 
=== 主教 ===
主教には大主教、首座主教、総裁主教等も含まれる。主教は、カラーシャツやアルブ[[キャソック]]に紫色を用い、胸に届く長さの紐または鎖のついた[[ペクトラルクロス]]と呼ばれる十字架を首からかける。また袖口を赤いバンドで止めるゆったりとした白い「[[ロチェット]]」に、赤または黒の丈の長いチョッキ状のローブである「[[シミアー]]」を羽織る。また、「[[ミトラ (司教冠)|主教帽]]」(マイター)や、先がゼンマイのようになった「[[司教杖|主教杖]](牧杖/パストラルスタッフ)」、右手薬指につける主教用の指輪は主教のみが着用を認められている。なお、牧杖と指輪は主教任命式の中で司式主教からする授与される。なお、礼拝時にはシミアーの上から「[[カズラ (衣服)|チャジブル]]」やマント状の上着「[[コープ (祭服)|コープ]]」を着用することがある。
また袖口を赤いバンドで止めるゆったりとした白い「ロチェット」に、赤または黒の丈の長いチョッキ状のローブである「シミアー」を羽織る。また、「主教帽(ミトラ、マイター)」や、先がゼンマイのようになった「主教杖(牧杖/パストラルスタッフ)」、右手薬指につける主教用の指輪は主教のみが着用を認められている。なお、牧杖と指輪は主教任命式の中で司式主教からする授与される。なお、礼拝時にはシミアーの上から「チャジブル」やマント状の上着『コープ」を着用することがある。
 
=== 司祭 ===
司祭は典礼を行う中心となる役割の職位であり、祭服は司祭が礼拝等で着用するものが基本となる。礼拝時以外の常服としては、多くの聖職者はプリーストカラーの襟のシャツに、スラックス、一般的なジャケットを常用するが、「[[キャソック]]」と呼ばれる丈の長い衣服を常用することもある。司祭のカラーシャツやキャソック(アルブキャソック以外)には黒色が用いられる。
 
礼拝時には、その上に「[[サープリス]]」という薄手の白い服を着用したり、「[[アミス]]」と「[[アルバ (衣服)|アルブ]]」、またアミス・アルブ・キャソックが一体になった「[[アルブキャソック]]」と呼ばれる白い衣を着用し、「ガーター」(腰ひも)で止め、「[[ストラ|ストール]]」などを着用したりする。[[チャント|唱詠]]聖餐式などの式な礼拝では、ポンチョ状の「[[カズラ (衣服)|チャジブル]]」を着用することがある。ストールやチャジブルは当日の祭色のものを用いる。聖餐式以外の礼拝などの場合はストールを省略したり、「スカーフ」を着用することがある。
 
=== 執事 ===
執事は司祭の服装に準じるが、ストールを着用する際に、左肩から右腰に斜め掛けにする。また、正装時はダルマチック/[[ダルマチカ]]を着用する。ダルマチックは両肩付近の垂直の2本の線およ、前面・後面にそれを結ぶ2本(執事)または1本(副執事)の線の模様がある。
前面・後面にそれを結ぶ2本(執事)または1本(副執事)の線の模様がある。
 
=== 信徒奉事者 ===
聖職(者([[教役)]])以外にも、[[侍者 (キリスト教)|侍者]](アコライト、サーバー)や聖歌隊など礼拝に奉仕する信徒がアルブキャソックやキャソックとサープリスなどの祭服を着用することがある。陪餐の補助などを行う[[信徒奉事者]]は水色のスカーフをつけることがある。
 
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File:Cassock.jpg|黒いキャソックを着た聖公会の司祭。
File:Choirhabit.jpg|黒いキャソックの上にサープリスを着用し、スカーフを首からかけた聖公会の聖職者。首元の紫色の布はアカデミックフード。
File:Anglican priest vested in an alb, cincture and purple stole.jpg|アルブと紫色のストールを着用した聖公会の司祭。チャジブルを着用しない場合は、ストールをクロスさせずそのまま垂らすこともある。
File:Chasublepurple.jpg|ストールの上からチャジブルを着用した状態
File:Army Chaplain joins priesthood 130307-A-ZD229-346.jpg|アルブを着用した聖公会の聖職者。白のストールを斜め掛けしていることから、職位が執事であるとわかる。
File:Bishop Martyn Minns.jpg|紫色のキャソックの上にロチェットと赤いシミアーを着用し、ストールをつけた聖公会の主教
File:BishopAlanSmith.jpg|前方(画像右側)の2名がキャソックとスープリスの上にダルマチックを着用。中央の主教の奥にはカトリックの司教の姿がある。写真左・後方の人物は、アルブキャソックに赤いストールを着用した司祭。
File:Tcranmer.JPG|[[カンタベリー大主教]][[トマス・クランマー]]の肖像画。ロチェットの上に黒いシミアーを着用している。