「不条理」の版間の差分

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20世紀半ばに再び不条理の意識に注目したのが[[実存主義]]である。とりわけ[[フランス]]で、 カミュや[[ジャン=ポール・サルトル|サルトル]]らによって不条理の[[倫理]]的[[美学]]的次元が探求された。実存主義において「不条理的」という形容は、既存の意味の全てを剥ぎ取られたものに対して用いられる。「不条理」という言葉が用いられる時、世界が根本的に不条理であること、人間の条件はそもそも不条理であって、無根拠であることが喚起されている。
 
カミュは『シジフォスの神話』の中で、不条理な英雄として[[シーシュポス]]を描いている。つまり、神々を怒らせることになるのを意に介さず生への情熱を貫徹するからである。ちなみに、決して頂上にとどまることの無い岩を、転げ落ちるごとになお運び上げ続けざるを得ないシーシュポスの苦役は神々からの処罰であるのためなのだが、そんなものは捨ておけという意味でカミュは、シーシュポスをその山の麓にとどめようとする。
 
不条理主義者の哲学の中では、不条理は人による世界の意味の追究と世界の明らかな意味のなさの基本的な不調和によって生じるとされる。意味を持たない世界で意味を探す。人はこのジレンマを解決する3つの方法を持っている。キルケゴールとカミュはその解決法を著書の中で書いている。『[[死に至る病]]』と『[[シーシュポスの神話]]』である。
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** [[シュール (曖昧さ回避)]]
* [[ギャグ漫画#不条理ギャグ|不条理ギャグ]]
*『[[ひきこもりの手記]]』(2020)- 自伝的小説。手記の筆者でもある主人公は、現実は矛盾しているものであるとして不条理を肯定した思想を展開する。また、手記の記述自体にも矛盾が含まれている。
*『[[キャッチ=22]]』 (1961)- 第二次世界大戦中の不条理な状況をコミカルに描いた小説。 ナンセンスな会話が繰りひろげられる。「キャッチ=22」は、矛盾した命令で身動きがとれない状況を指すスラングとして定着した。
 
== 参考文献 ==