「オールステンレス車両」の版間の差分

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もっとも、この画期的な設計手法が日本の鉄道各社へ広く普及するにはしばらく時間をおく必要があった。これは、[[国鉄205系電車]]への採用条件<ref group="注釈">公企業の国鉄では車両設計製作などの技術情報は国民の共有財産であるとされ、1社独占技術を非公開のまま採用することは不可能だった。</ref>とされ、それに渋々ながら同意して公開に踏み切るまで、開発元である東急車輛製造がこの工法に関する関連技術情報の公開を拒んでいたためである。ただしこの間にも例外として東急車輛製造との共同設計として、[[アルナ工機]]と[[SUBARU|富士重工業]]で[[東武9000系電車|東武9000系]]が1981年、[[東武10000系電車|東武10000系]]が1983年に、[[日本車輌製造]]で[[京王7000系電車|京王7000系]]と[[京成3600形電車|京成3600形]]が1984年に製造しており、また[[近畿車輛]]では[[近鉄3000系電車]]を東急車輛製造とは違う工法でオールステンレスカーを製造している(これらはいずれも従来と同じ車体にコルゲート外板の構造であった)。
 
205系電車をはじめとする軽量ステンレス車の大量受注<ref group="注釈">国鉄時代には、本来は特許使用料の支払いを伴うような新技術の公開をメーカー側に強いた場合、その技術を使用する車両の発注について技術提供メーカーへの発注枠を通常よりも大きくすることで相殺し、また便宜を図るのが鉄道省時代からの慣例となっており、205系の場合も、第1編成をはじめ多数が同社へ発注されている。</ref>と引き替えではあったが、以後の日本における鉄道車両の設計製造技術の発展を考えれば大英断となった関連技術の公開が、東急車輛製造によって行われた[[1984年]]以降、この工法は東急車輛製造や近畿車輛を除く取引先メーカーの製造能力の制約や、公開入札を行う必要から、1社独占の技術の採用が困難で、やむなくセミステンレスで車両を製造していた私鉄や公営の鉄道などへ急速に普及し、国鉄を継承した[[JR|JRグループ]]旅客鉄道<ref group="注釈">先述の東急車輛製造は国鉄を継承した会社のうちの一社である[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]の完全子会社である[[総合車両製作所]]となった。</ref>でも全社でステンレス車両が採用されるまでに至った<ref group="注釈">一方で近畿車輛による工法は、当時の国鉄では採用されなかった。</ref>。しかし[[京浜急行電鉄|京急]]や[[南海電気鉄道|南海]]とを除く関西また、一部の私鉄では塗装済みアルミ車が既に普及していたこともあって、軽量ステンレス車の普及は進まず<ref group="注釈">ただし2000年代後半以降[[京浜急行電鉄|京急]]では[[京急1000形電車 (2代) |1000形6次車]]以降で、[[阪神電気鉄道|阪神]]は[[阪神1000系電車|1000系]]および[[阪神5700系電車|5700系]]で、[[神戸電鉄]]では[[神戸電鉄6000系電車|6000系]]および[[神戸電鉄6500系電車|6500系]]でそれぞれ軽量ステンレス車体を導入している。</ref>、2017年現在も[[阪急電鉄]]<ref group="注釈">ただし、子会社の[[北大阪急行電鉄]]は[[北大阪急行電鉄9000形電車|9000形]]で軽量ステンレス車を導入している。</ref>と[[京阪電気鉄道]]では1両もステンレス車を導入していない。また、前述の近鉄でも本格的な採用は見送られており、3000系の廃車後は軽量ステンレス車が在籍しない状態が続いている。
 
軽量ステンレス工法で組み立てられた車両はひずみ防止のためのプレスリブ(ビード)を入れた「ビード(ひも出し)外板」を用いている。コルゲート外板は用いられた理由から端部のつぶし処理と部材同士の接合が難しく、凹凸も多いために自動洗車機による洗浄にも問題があり、また見た目にも良くないため、[[東急8500系電車|東急8500系]]や京王3000系など、既に在来工法によるステンレス車を導入していた各社で、車体構造を軽量ステンレス車体に変更した増備車を導入する際に、編成としての美観の観点からコルゲートの継続採用を行ったケースを除き、軽量ステンレス工法の公開後急速に廃れた。