「ミラ (恒星)」の版間の差分

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m 「最も~な1つ」という日本語は無い。恐らく「a most famous star」か何かを直訳したのだろうけれども、この場合のmostは中規模な辞書以上なら載っている「とても」とか「非常に」とか「特に」とかに翻訳するべき。
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| 視等級 = 6.53{{R|simbad}}<br />2.0 - 10.1(変光){{R|GCVS}}
| 変光星型 = [[ミラ型変光星]]{{R|simbad}} (M){{R|GCVS}}
| 分類 = [[共生星]]{{R|Sab18}}
}}
{{天体 位置
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| 視等級 = 3.04{{R|simbadA}}
| 変光星型 = [[ミラ型変光星]]{{R|simbadA}}
| 分類 = [[赤色巨星]]<br>[[漸近巨星分枝|漸近巨星分枝星]]{{R|Sab18}}
}}
{{天体 位置
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{{天体 物理
| 色 = 恒星
| 半径 = 332~402464 {{±|60}} [[太陽半径|R{{sub|☉}}]](平均){{R|Ryd01}}
| 質量 = 1.18 [[太陽質量|M{{sub|☉}}]]
| 表面重力 =
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| スペクトル分類 = M5-9e {{R|simbadA}}
| 光度 = 8400~9360 [[太陽光度|L{{sub|☉}}]]
| 表面温度 = 2918~3192約2800 [[ケルビン|K]](平均){{R|Ryd01}}
| 可視光明度 =
| 色指数_BV =
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| 色 = 白色矮星
| 半径 =
| 質量 = 約1 [[太陽質量|M{{sub|&odot;}}]]{{R|Ryd01}}
| 質量 =
| 表面重力 =
| 自転周期 = <!-- [[日]] -->
| 自転速度 =
| スペクトル分類 = DA {{R|simbadB}}
| 光度 = 約2 [[太陽光度|L{{sub|&odot;}}]]{{R|Ryd01}}
| 光度 =
| 有効温度 = 約30,000 [[ケルビン|K]]{{R|Ryd01}}
| 表面温度 =
| 可視光明度 =
| 色指数_BV =
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[[File:Mira in UV and Visible Light.jpg|thumb|紫外線と可視光で撮影されたミラ。]]
 
'''ミラ'''{{R|Hara}}{{R|nao_ac}}(Mira{{R|iaucsn}})は、[[くじら座]]の&omicron;(オミクロン)星(&omicron; Cet)Ceti)である。非常に有名な[[脈動変光星]]の1つで、[[ミラ型変光星]]の代表とされる{{R|GCVS2}}。2.0等と10.1等の間を約332日の周期で変光するが{{R|GCVS}}、極大等級も周期も必ず一定になるとは限らない
 
== 性質 ==
ミラは[[実視連星]]であり、[[赤色巨星]]の主星(ミラA)と伴星(ミラB)からなる。ミラAは赤色巨星の中でも[[恒星進化論|恒星の一生]]の最終段階である[[漸近巨星分枝]]に属し、毎年2.5{{e|-7}}[[太陽質量]]の割合で質量を放出している{{R|Ryd01}}。これは400万年で太陽一個分の質量を喪失するペースに相当する。ミラAは半径や温度が時間的に一定ではない上に球形から外れた引き延ばされた形をしているが、平均するとその半径は464±60[[太陽半径]]、[[有効温度]]は約2800[[ケルビン]]と見積もられる{{R|Ryd01}}。ミラAが球形でない理由にはいくつかの説があり、赤色巨星自身の非対称な脈動、非対称に生じた塵、伴星ミラBの影響などが検討されている{{R|Ryd01}}。
ミラは他の[[脈動変光星]]と同様に、星が最も収縮した直後に明るさが極大となる性質を持つ。収縮時には恒星が高温となり、単位面積当たりの明るさが増すためである。膨張時には逆の現象が起きるのに加え、低温の恒星大気に光を遮る[[酸化チタン]]の雲が発生し、光度の低下に拍車を掛けていると考えられている{{R|aa070223}}。2.0等と10.1等の間を約332日の周期で変光するが{{R|GCVS}}、極大等級も周期も必ず一定になるとは限らない。
 
ミラAは他の[[脈動変光星]]と同様に、星が最も収縮した直後に明るさが極大となる性質を持つ。収縮時には恒星が高温となり、単位面積当たりの明るさが増すためである。膨張時には逆の現象が起きるのに加え、低温の恒星大気に光を遮る[[酸化チタン]]の雲が発生し、光度の低下に拍車を掛けていると考えられている{{R|aa070223}}。2.0等と10.1等の間を約332日の周期で変光するが{{R|GCVS}}、極大等級も周期も必ず一定になるとは限らない
ミラの後方には全長約13[[光年]]にわたって[[彗星]]の尾のような構造が延びている。これは脈動の過程で放出された恒星の外層部の残骸とみられる。通常、恒星から放出された物質は[[惑星状星雲]]になるか拡散して観測できなくなるが、ミラは周囲の星間物質に対して高速で移動しているため、特有の構造が形成されたと推定されている{{R|naoj20070817}}{{R|tail}}。
 
ミラは[[実視連星]]でもあり、赤色巨星の主星(ミラA)と伴星(ミラB)からなる。ミラBも不規則に明るさを変化させる[[変光星]]であり、変光星名を'''くじら座&nbsp;VZ星'''(VZ&nbsp;Cet)という。ミラBは[[降着円盤]]を伴う[[白色矮星]]だと考えられている{{R|chandra}}。ミラを連星系として見た場合[[共生星]]に分類され、この種の天体としては最も太陽系に近い距離にあるものとされている{{R|Sab18}}。
 
ミラの後方には全長約13[[光年]]にわたって[[彗星]]の尾のような構造が延びている。これは脈動の過程で放出された恒星の外層部の残骸とみられる。通常、恒星から放出された物質は[[惑星状星雲]]になるか拡散して観測できなくなるが、ミラは周囲の星間物質に対して高速で移動しているため、特有の構造が形成されたと推定されている{{R|naoj20070817}}{{R|tail}}。
 
== ミラに関する年表 ==
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|publisher=[[国立天文台]]
|accessdate=2018-11-14}}</ref>
 
<ref name="Ryd01">{{cite journal | authors = Ryde, N. and Schöier, F. L. |year=2001 | title=Modeling CO Emission from Mira's Wind | journal=The Astrophysical Journal | volume=547 |pages=384| bibcode=2001ApJ...547..384R |doi=10.1086/318341 }}</ref>
 
<ref name="Sab18">{{cite journal | authors = Saberi, M. et al. |date=2018-04 | title=Detection of CI line emission towards the oxygen-rich AGB star omi Ceti | journal=The Astrophysical Journal | volume=612|pages=L11| bibcode=2018A&A...612L..11S |doi=10.1051/0004-6361/201833080 }}</ref>
}}