「紅葉伝説」の版間の差分

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== 概要 ==
[[信濃国]]の戸隠山に[[鬼]]がおり、平維茂によってそれが退治されたというのが共通する伝説の要素である。その鬼は女性であり、名前を紅葉(もみじ)であるとするものが一般に流布されている。この伝説は室町時代後期成立の謡曲『[[紅葉狩]]』より遡ることが出来ないため、元々素材になった伝説があった可能性もあるが、[[観世信光]]によって創作されたものとするのが定説である<ref name="jiten">[[村上健司]]『妖怪事典』[[毎日新聞社]]2000年、132頁。</ref>。戸隠周辺には伝説所縁の地が残っているが、それらはこの伝説が創作された後に作られた伝説地である<ref name="jiten" />
 
室町時代から江戸時代にかけて、[[能]]や[[浄瑠璃]]、[[歌舞伎]]では「[[紅葉狩]]」(もみじがり)という題名でこの伝説は描かれつづけ、平維茂が戸隠山におもむき、そこで出会った[[紅葉]]見物の美しい女性たち一行に出遭うという展開を設けている。その女性たちの正体が戸隠山の鬼、鬼女・紅葉であるとする。[[能]]をもとにして作られた[[河竹黙阿弥]]による歌舞伎『紅葉狩』(1887年)は、紅葉に相当する鬼の名を'''更科姫'''(さらしなひめ)としている。
 
明治中期に出版された『[[北向山霊験記戸隠山鬼女紅葉退治之傳全|戸隠山鬼女紅葉退治之伝]]』では、紅葉は[[大伴氏|伴氏]]の子孫であるとされ、[[天魔|第六天の魔王]]の力を持つ鬼とされる。都で[[源経基]](みなもと の つねもと)に寵愛され一子を宿すが、戸隠の地へ流される。里の者に尊崇されるいっぽう、徒党を組んで盗賊を働き、[[冷泉天皇]]の勅諚によって派遣された平維茂の軍勢により、退治される。紅葉の一生を詳しく描いており、紅葉の出所や戸隠以前などを示している紅葉伝説はこの本の出版以後、『大語園』<ref>[[巖谷小波]] 『大語園』 第3巻 [[平凡社]] 1935年 93-95頁</ref>などその内容を典拠としたものが多い<ref>[[小松和彦]]『日本妖怪異聞録』 小学館 1992年 ISBN 4-09-207302-X、136-137頁</ref>。
 
== 戸隠山の鬼 ==