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'''弁護人'''(べんごにん)は、[[刑事手続]]において[[被疑者]]または[[被告人]]が正当に[[権利]]を行使し、また正当な[[利益]]を保護するための支援者、代弁者である。[[日本国憲法]]の下では被疑者(被告人)は訴追側([[検察官]])と同等の立場にあるとされているが、通常一般市民である被疑者が自らを法的に防御することは難しく、現実としての立場は弱い。そこで[[弁護士]]など[[法律]]に精通した専門家を代理人としてその不均衡を補い、被疑者(被告人)の正当な利益を擁護する為、刑事訴訟法に基づき全ての被疑者(被告人)に対し弁護人を選任する権利が保障されている。
'''弁護人'''(べんごにん)は、[[刑事手続]]において[[被疑者]]または[[被告人]]が正当に[[権利]]を行使し、また正当な[[利益]]を保護するための支援者、代弁者である。弁護人は、単に法律上の支援にとどまらず、精神的な面での支援も行う者として、刑事手続において重要な役割を果たしている。
 
なお、職種もしくは資格そのものを指す「弁護士」との誤用がなされることがあるので、用法上の注意が必要である。
弁護人の役割は、単に法律上の支援(知識の提供、防御手段の教唆など)にとどまらず、孤独になりがちな被疑者の不安を軽減するといった精神的な面での支援も重要である。
 
==概要==
弁護人は1人である必要はないが、[[審級]]毎に選任する手続が必要である。
[[日本国憲法]]の下では刑事手続において被疑者(被告人)は訴追側([[検察官]])と同等の立場にあるとされている。しかし、通常は一般市民にすぎない被疑者が自らを法的に防御することは難しく、現実において捜査機関と比較すると、その立場は圧倒的に弱い。そこで、被疑者(被告人)がその不均衡を補い、刑事手続における正当な利益を擁護する為に、自らの代理人として選任した[[弁護士]]など[[法律]]に精通した専門家などのことを、弁護人という。刑事訴訟法は全ての被疑者・被告人に対し弁護人を選任する権利が保障している。
 
弁護人の役割の中心は、法律上の支援(権利告知、法知識・防御手段の提供など)がもっとも主要なものであるが、それにとどまらず、相談([[接見]])を行うことで被疑者の不安を軽減するといった精神的な面での支援も重要である。特に、被疑者・被告人が拘束されている場合には孤独になりがちであるため、精神的な支援の部分も主要なものとなる。
 
なお、弁護人は原則として弁護士から選任しなければならない(刑事訴訟法31条1項)が、一定の場合においては弁護士以外の者を弁護人に選任することが出来る(同2項)。また、弁護人は1人である必要はないが、[[審級]]毎に選任する手続が必要である。
 
== 種類 ==
===選任者による分類===
==== 私選弁護人 ====
被疑者被告人が自ら、またはその関係者(法定代理人、配偶者など一定範囲の親族)が選任した弁護人のことである。選任者が異なるという点を除けば、国選弁護人(前述)と職務及び権限の内容に違いはない。
 
原則として弁護人の選任は私選によって行わなければならない。
 
==== 国選弁護人 ====
国(裁判所)が選任する弁護人である。選任者が異なるという点を除けば、私選弁護人(後述)と職務および権限の内容に違いはない(ただし弁護士でなければならない)。被告人は経済的理由などで弁護人を選定することができない場合に裁判所に対して国選弁護人の選任を請求する権利がある。また、裁判所は[[必要的弁護]]の要する案件において弁護人がいないとき(出廷できない場合を含む)には国選弁護人を選任しなければならず、被告人が未成年者または高齢者である等の理由により職権で国選弁護人を選任することができる
 
被告人は、経済的理由その他の事情で弁護人を選定することができない場合に、裁判所に対して国選弁護人の選任を請求することができる(刑事訴訟法36条~36条の3)。また、裁判所は[[必要的弁護]]事件において弁護人がいないとき(出廷できない場合を含む)には国選弁護人を選任しなければならず、被告人が未成年者または高齢者である等の理由により職権で国選弁護人を選任することができる(同37条)。
==== 私選弁護人 ====
 
被疑者(被告人)またはその関係者(法定代理人、配偶者など)が選任した弁護人のことである。選任者が異なるという点を除けば、国選弁護人(前述)と職務及び権限の内容に違いはない。
被疑者については、長らく国選弁護人をつける法規定がなかったために批判がなされていたが、法改正がなされたためまもなく被疑者国選弁護の運用も開始される(同37条の2)。
*なお、[[当番弁護士制度]]は被疑者国選弁護がなかったためにボランティアで行われていた民間の制度であり、この制度に基づく弁護人の選任は私選弁護となる。
 
==== 特別弁護人 ====
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特別弁護人は、地裁において主任弁護人となれない制限を除き、訴訟法上において弁護士の弁護人と同等の権利を持つ。
 
 
===役割による分類===
====主任弁護人====
被疑者(被告人)に2人以上の弁護人が選任されている場合に、他の弁護人を統制・代表する者である。複数人の弁護人がいる場合には必ず選定されなければならない。他の弁護人のする申立てや質問、陳述に対する同意権を持つ。
 
==国選弁護人の問題点==
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==関連項目==