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[[画像:構造式_ケテン類.PNG|frame|right|ケテン類の構造式。]]
 
'''ケテン''' (ketene) とは、構造式 CH<sub>2</sub>=C=O (ケテン単量体)で表される[[有機化合物]]である。またケテンと同様に[[アレン (化学)|アレン]]型に炭素二重結合と[[カルボニル]]二重結合が連結した[[クムレン]]構造をもつ化合物群もケテン(ケテン類)と称される。ケテンのβ炭素の[[置換基]]が一置換の物を'''アルドケテン''' (aldketene)、二置換の物を'''ケトケテン''' (ketoketene) と呼ぶ。
 
ケテン単量体は分子量 42.04、融点 &minus;134.1 ℃、沸点 &minus;41 ℃ の刺激性のある有毒な気体である。宇宙空間に存在することが判明した化合物の1つ。またケテンは容易に[[二量化]]してβ-[[ラクトン]]構造を持つジケテンとなる。'''[[ジケテン]]''' (diketene) は刺激性のある有毒な液体で、分子量 84.07、融点 &minus;6.5 ℃、沸点 127.4 ℃、比重 d 1.09 である。[[CAS登録番号]]は 674-82-8。
 
== 合成法 ==
ケテン[[単量体]]は[[アセトン]]<ref>Hurd, C. D. ''Org. Synth.'', Coll. Vol. 1, p.330 (1941); Vol. 4, p.39 (1925). [http://www.orgsynth.org/orgsyn/prep.asp?prep=cv1p0330 オンライン版]</ref>あるいは[[酢酸]]の[[熱分解]]により合成される。一方、置換ケテンは相当するαブロモカルボン酸臭化物に金属[[亜鉛]]を作用させるか、相当する[[カルボン酸塩化物]]に[[第三級アミン]]を作用させて生成する。
 
[[画像:反応式_ケテン生成反応.PNG]]
 
== 反応 ==
ケテン単量体は[[水酸基]]あるいは[[アミノ基]]と容易に反応して、相当するアセチル化体を与える。すなわちケテンはアセチル化剤として重要である。またケテン単量体は無水酢酸合成の原料でもあり、工業的には無水酢酸はケテンと酢酸とを反応させて製造する([[ワッカー法]]と呼ばれる)。また、ケテン類をカルボニル化合物と反応させると、相当するβ[[ラクトン]]体が生成する。
 
[[画像:反応式_ケテンの反応.PNG]]