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'''ウェストミンスター信仰告白'''(ウェストミンスターしんこうこくはく、{{lang-en|'''Westminster Confession of Faith'''}})は、[[カルヴァン主義]]神学の伝統にある[[改革派教会|改革派]]信仰の[[信仰告白]]である。[[イングランド国教会]]のため、[[1646年]]に[[ウェストミンスター会議]]で作成された信仰告白であるが、[[スコットランド教会]]でも聖書に「従属する教理基準」として採択され、世界的に[[長老派教会]]の信仰告白として全面的に、また、一部の[[組合派]]と[[バプテスト教会]]でも修正して採用している。
 
[[1643年]]に[[イギリスの議会|イングランド議会]]は、ウェストミンスター会議にイングランド国教会の礼拝、教理、教会政治と戒規についての勧告を要請した。この会議は5年の間に、ウェストミンスター信仰告白、[[ウェストミンスター小教理問答]]、[[ウェストミンスター大教理問答]]を作成した。以来3世紀以上の間、世界中の教会で信仰告白と教理問答は聖書に従属する信仰基準として採用されている。
 
[[ファイルFile:Westminster Abbey - West Door.jpg|thumb|left|150px|[[ウェストミンスター寺院|ウェストミンスター教会]]]]
 
== 歴史 ==
[[イングランド内戦]]時(1642年 - 1649年)、イングランド議会はスコットランドの政治を掌握していた[[カヴェナンター]]と同盟を結んで[[チャールズ1世 (イングランド王)|チャールズ1世]]に立ち向かった。121人の[[ピューリタン]]の牧師が参加したウェストミンスター会議の目的は、イングランド国教会の改革のための正式の文書を作成することであった。スコットランド教会は、すでに[[主教戦争]]で[[主教]][[監督制|制]]を打倒し、[[長老制]]を採用していた。[[イングランド]]と[[スコットランド]]は、同盟のため[[国民契約]]を結成した。それは、イングランド国教会が[[監督制]]を放棄し、カルヴァン派の教理と礼拝を採用することを意味した。イングランドは、信仰告白と教理問答でスコットランドの助けを得た。会議に出席していたスコットランドの委員は作成された信仰告白に納得し、この信仰告白は[[1646年]]にイングランド議会と、スコットランド教会の大会に提出された。スコットランド教会は[[1647年]]にそのまま改正なしの信仰告白を採決した。イングランドは根拠聖句を要求し、信仰告白を会議に差し戻した。議論の末、イングランド議会は、[[1648年]]に信仰告白を採決した。翌年、スコットランド議会は改正せずにそれを批准した。
 
[[1660年]]の[[イングランド王政復古|王政復古]]による主教制、監督制の復活の結果として、この議会の採決は無効にさせられた。しかし、[[名誉革命]]で[[カトリック教会|カトリック]]の[[ジェームズ2世 (イングランド王)|ジェームズ2世]]を廃し、[[ウィリアム3世 (イングランド王)|ウィリアム3世]]が王位につくと、王はスコットランド議会に再びウェストミンスター信仰告白の批准を認めた。
 
== 内容 ==
信仰告白は、カルヴァン主義の正統的な神学を体系的に説明しているもので、ピューリタンとカベナンター神学の影響を受けている。それは、[[三位一体]]、イエス・キリストの身代わりの死と復活など、すべてのキリスト教会で告白される普遍的な教理を含んでいる。また聖書のみ、信仰のみ、というプロテスタント信仰の教理が告白されている。さらに、議論の的となる二重予定説、アダムと業の契約、ピューリタンの[[確証の教理|救いの確信]]の教理、礼拝のミニマリズム、安息日の厳守についても述べる。また[[教皇|ローマ教皇]]を[[反キリスト]]と呼び、ローマ教皇を教会の頭とするカトリック教会の[[ミサ]]を偶像崇拝とし、[[ノンクリスチャン|ノン・クリスチャン]]、偶像崇拝者との結婚を禁止している。
 
=== 聖書観 ===
古[[プリンストン神学]]の[[ウォーフィールド]]はウェストミンスターの聖書観が、[[ジャン・カルヴァン]]の聖書観、聖書自身の聖書観、イエス・キリストの聖書観であるとしており、[[聖書信仰]]の[[岡田稔]]もそれに同意している。しかし、E・A・ダウイ2世はこれが実質原理より形式原理を重視する正統主義に由来すると主張する。宗教改革者と正統主義を区別するダウイらの見解に対しては[[自由主義神学|リベラル]]的であるとするブロミリの批判がある<ref>Geoffrey W. Bromiley,''The Church Doctrine of Inspiration, Revelation and the Bible''</ref>。岡田はさらにウェストミンスター信仰告白と聖書観を同じくする[[フランス信条]]がカルヴァンによることを指摘している<ref>[[岡田稔]]『岡田稔著作集』[[いのちのことば社]]</ref>
===日本===
つのぶえ社から、昭和26年10月号から29年12月号までの「ウエストミンスター信仰告白」という文書を、単行本として出版している。「先に竹内昭二教師の、「ウエストミンスター信仰告白講義解」が出版されていますが、本書とは少し行き方が違いますので併読して頂くことでお役に立つものと思います。」<ref>解説 ウエストミンスター信仰告白 岡田稔, つのぶえ社, 1976, p186</ref>
 
==脚注= 日本 ===
つのぶえ社から、昭和26261010月号から29昭和291212月号までの「ウエストミンスター信仰告白」という文書、単行本として出版されている。「先に竹内昭二教師の、「ウエストミンスター信仰告白講義解」が出版されていますが、本書とは少し行き方が違いますので併読して頂くことでお役に立つものと思います。」<ref>解説 ウエストミンスター信仰告白 岡田稔, つのぶえ社, 1976, p186</ref>
 
== 脚注 ==
<references />
 
==関連項目 参考文献 ==
* 『ウェストミンスター信仰告白』一麦出版社 ISBN {{ISBN2|9784863250086}}
*[[長老派教会]]
* 『ウェストミンスター信仰基準』新教出版社 ISBN {{ISBN2|9784400542407}}
* 『ウェストミンスター信仰規準』一麦出版社 ISBN {{ISBN2|9784900666634}}
* E・E・ケアンズ著『基督教全史』聖書図書刊行会 ISBN {{ISBN2|4791200403}}
* [[岡田稔]]著『岡田稔著作集』[[いのちのことば社]]
 
==参考文献 関連項目 ==
* [[長老派教会]]
*『ウェストミンスター信仰告白』一麦出版社 ISBN 9784863250086
*『ウェストミンスター信仰基準』新教出版社 ISBN 9784400542407
*『ウェストミンスター信仰規準』一麦出版社 ISBN 9784900666634
*E・E・ケアンズ著『基督教全史』聖書図書刊行会 ISBN 4791200403
*[[岡田稔]]著『岡田稔著作集』[[いのちのことば社]]
 
== 外部リンク ==
* [http://www.ccel.org/ccel/schaff/creeds3.iv.xvii.ii.html Westminster Confession of Faith A.D. 1647 (根拠聖句付き)] 英語とラテン語
* [http://www.rcj-net.org/resources/WCF/text/ ウェストミンスター信仰告白]日本語
 
{{改革派の信仰告白}}