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ボディースタントではスタントマン本人がドラマの主要人物と戦う格闘シーンや爆破落下などの場面でアザーキャラクターズとして出演することが多い。
 
他の大きな役割としては、危険な動きや複雑高度な動きを俳優の代理として顔が見えない形で演じることもあり、その場合は'''スタントダブル'''(古くは'''替え玉'''とも[[吹き替え#映画における「吹き替え」の歴史|吹き替え]]とも称した)と呼称される<ref>{{Cite web|url =http://qola-la.com/articles/393/|title =世界を股にかけて活躍するエンターテイナーたち〜映画編〜|スタントマン 南 博男氏|publisher =qola-la.com|accessdate =2015-04-22|archiveurl =https://archive.is/20150422062133/http://qola-la.com/articles/393/|archivedate =2015年4月22日|deadurl =no|deadurldate =2017年9月}}</ref><ref group="注">「替え玉」は、一人二役を演じる際、両方が同時に画面に映る場合の代演者なども指す。声の「吹き替え」については[[吹き替え#「声の吹き替え」の歴史|吹き替え]]を参照。</ref>。女優についてはスタントウーマンが担当するが、以前はその数が圧倒的に少なかったため、男性が女性用[[かつら (装身具)|ウィッグ]]をつけ同じ衣裳を着て吹き替えをすることが多く、現在でも現場によってそういったケースがある
 
また、このスタントダブルから派生し日本で特に発達した役柄として、[[特撮]]ヒーロー番組などで着ぐるみを着用し戦闘アクションを担当する[[スーツアクター]]もある。
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|id=ISBN 9784800301024|pages=2-4}}</ref>、それらのほとんどはキャリアの初めにスタントマンとして活動した経験を持つ者である。
 
==日本の歴史==
1900年代初頭、プロのスタントパフォーマーは求められておらず、多くが無料で参加していた<ref name=Freese>{{cite book|title=Hollywood Stunt Performers, 1910s-1970s: A Biographical Dictionary|author=Gene Scott Freese|publisher=McFarland & Co Inc|date=30 April 2014|isbn=978-0786476435}}</ref>。最初に賃金が支払われたスタントパフォーマーが登場したのは1908年の『[[モンテ・クリスト伯]]』とされている<ref name=ActArtDe>{{cite web|url=http://www.actionartist.de/en/stunt.htm|title=The history of the Stuntman|author=Ilian Simeonow|publisher=ActionArtist.de|access-date=24 June 2014}}</ref>。1910年代から1920年代にかけて[[連続活劇]]が発達し、それに応じてスタントパフォーマーの仕事が増えた<ref name= Olivia>{{cite web|last1=Summers|first1=Olivia|title=A Look at the History of Stunt Performers|url=https://www.oliviasummers.com/blog/2016/10/5/a-look-at-the-history-of-stunt-performers|website=Female Stunt & Precision Car Driver|access-date=15 May 2018}}</ref>。
 
また、1910年代の[[サイレント映画]]時代のハリウッド初期において、たくさんの女性たちがスタントを行っていた<ref name= timeout210121>{{Cite web|url= https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/stunt-woman-interview-012121 |title= 映画史に残るスタントウーマンの軌跡を公開、監督にインタビュー |accessdate=2021/04/02|publisher= Time Out Tokyo |author= |date=2021/01/21 }}</ref>。最初の女性スタントパフォーマー(スタントウーマン)は1914年の『[[ヘレンの冒険]]』で活躍した[[ヘレン・ギブソン]]だと言われている{{R| Olivia}}。しかし、映画業界が盛り上がるにつれ、そのスタントの仕事は男性に奪われていき、男性が女性用ウィッグや女性の衣裳を着てスタントをすることさえあった<ref name= cinemandrake210329>{{Cite web|url= https://cinemandrake.com/stuntwomen |title= 『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』感想(ネタバレ)…ガラスの天井にも体当たり! |accessdate=2021/04/02|publisher= シネマンドレイク|author= |date=2021/03/29 }}</ref>。ドキュメンタリー『[[スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち]]』では、今なおスタントの世界では数多くの[[女性差別]]が存在することが指摘されている{{R| timeout210121}}。
 
===日本の歴史===
スタントマンという言葉すらなかった[[チャンバラ映画]]、[[ヤクザ映画|仁侠映画]]、[[ヤクザ映画]]全盛期の日本では、斬られ役、モブキャラクターの悪役や危険なスタントは[[大部屋俳優]]と呼ばれる撮影所専属の[[脇役]]俳優が務めてきた経緯がある<ref>
{{Cite web
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しかし、映画テレビの流行の移り変わりもあり、かつて一世を風靡した時代劇やヤクザ映画は制作される本数が目に見えて減り、[[刑事ドラマ]]においても時代とともに次第にアクションの占める割合が少なくなってゆくことになる。
 
===日本の現在===
現在、日本でのスタントマンの仕事としては、舞台やカメラの前でアクションを演じるだけでなく、学校などで行われる交通安全教室の[[デモンストレーション]]や<ref>
{{Cite web
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</ref>。
 
==仕事と能力==
===スタントマンに求められるもの===
スタントマンといえば、高所からの落下、炎の中からの脱出、クルマに当たるといった危険なスタントのイメージが先行しがちだが、近年[[コンピュータグラフィックス|CG]]が発達し、ワイヤーを操作するアクションも多用され、今では身体を張った命がけのスタントは減る傾向にある<ref name="oouchi-02"/>。
 
近年のアクション映像は、入り乱れるように同時に何人も相手にするのが主流となっておりアクションが立体的になった。そのためアクションの中心から外れた人間が、そのシーンで立ち止まっているわけにはいかないなど、違った部分で技術的には高度になってきている<ref name="oouchi-01"/>。
 
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</ref>。
 
===スタントマンの仕事===
映像撮影では、裏方として俳優のトレーニングに協力したり、俳優に撮影での動きを伝えるなどコミュニケーション能力も重要視される<ref name="oouchi-01"/>。現場では[[ワイヤーアクション]]でのワイヤーの設置や操作、道具の管理、現場の安全確認やそれにともなう準備などを行う<ref name="oouchi-01"/>。またスタントコーディネーターやアクション監督とともにアクションの設計にも携わり、現在ではアイデアを俳優やスタッフに伝えるためのビデオコンテ(テスト版映像)を制作する事例も増えてきている<ref>{{Cite web|url=http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104689/#intro|title=ノンフィクションW 日本のアクションを変える男 谷垣健治 〜香港の現場から映画「るろうに剣心」へ〜|publisher=WOWOW|accessdate=2014-9-19|archiveurl=https://archive.is/20141004093011/http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/104689/#intro|archivedate=2014年10月4日|deadurl=no|deadurldate=2017年9月}}</ref>。しかし日本の現場では、女性のみならず<ref>
{{Cite web
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</ref>。
 
===保険に関して===
ハリウッド映画と日本映画では、その産業規模の差、組合の有無など{{refnest|group="注"
|アメリカには業界に対し、加入者の報酬待遇や安全確保などについて強い影響力を持つ<ref>
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}}
</ref>}}環境が大きく異なるため、ギャラの形態<ref name="action"/>や[[傷害保険]]、[[労災保険]]などの面での違いがある。長らく労災問題改善に務めてきたアクション監督・殺陣師の[[高瀬将嗣]]によると、日本ではスタントマンは危険な職種のため労災が下りないのではなく、スタントマン[[個人事業主|自身が経営者つまり雇用主]]とみなされるため労災が下りないと言われてきたという。近年は[[厚生労働省]]の認識の変化もあり、スタントチームの会社化(スタントマンの社員化)、作品ごとの掛け捨ての保険加入や怪我をした際の労災の申請などにより、条件を整えれば、入院休業補償もされるようになった<ref name="action-02"/>。
 
==死亡事故==
スタントパフォーマーが危険なスタントによって死亡する事故もたびたび起きている。2017年7月12日、『[[ウォーキング・デッド]]』にてスタントマンの[[ジョン・バーネッカー]]が地上約7メートルのバルコニーからの転落シーンで事故を起こし、死亡した<ref name= cinematoday170718>{{Cite web|url= https://www.cinematoday.jp/news/N0092987 |title= 「ウォーキング・デッド」スタントマンが転落死 撮影は休止に |accessdate=2021/04/02|publisher= シネマトゥデイ |author= |date=2017/07/18 }}</ref>。2017年8月14日には、『[[デッドプール2]]』の撮影にて[[ジョイ・ハリス]]がバイクのスタント中にオフィスビルの窓ガラスに衝突して死亡した<ref name= cinematoday170815>{{Cite web|url= https://www.cinematoday.jp/news/N0093654 |title= 『デッドプール2』撮影現場で死亡事故…バイクスタント中 |accessdate=2021/04/02|publisher= シネマトゥデイ |author= |date=2017/08/15 }}</ref>。
 
==脚注==