削除された内容 追加された内容
m Botによる: {{Normdaten}}を追加
編集の要約なし
9行目:
自動車ではドアが左右2枚のみのものを指す。また[[ハッチバック]]車で3ドアと呼ばれるものや[[セダン]]車で5ドアファストバックと呼ばれるもの、または全高が1,400mm程度の[[Cセグメント]]以上のクラスの4ドアセダン型乗用車やハードトップ構造を持った一部の4ドアセダン型乗用車のものでも、「クーペ」と名乗る場合がある。[[スポーツ]]性や動力性能の高さを特に優先したクーペは「スポーツクーペ」と呼び分けられる場合もある。ドアが左右2枚のみでも、一般に[[ステーションワゴン]]や[[スポーツ・ユーティリティ・ビークル]](SUV)等は含まれないが、旧来のクーペ以外での分類は曖昧で、[[シューティングブレーク]]でクーペのようなスタイルを持つものや、5ドアではあるが[[クロスオーバーSUV]]でクーペを名乗るものがある。
 
ドアを2枚だけにすることでボディ剛性やスタイリングの向上が見込めるのがメリットで、[[実用]]性よりも[[趣味]]性を重視する[[消費者]]に好まれる。人の乗り降り、物の積み下ろし、狭い場所でのドアの開閉のしづらさなど、実用性では4ドア(5ドア)に劣るが、不便な車が買える余裕があるという意味で[[社会的地位|ステータス]]性を却って向上させている面もある。
 
本来、クーペは「主座席は1列」とされ、後部座席は元から存在しないか、あっても[[エマージェンシー]](補助用、緊急用)的なものとして設置されることが多かった{{efn2|古くはトランク、つまりキャビンの外に収納式の補助席を持つものが一般的であった。}}。現在では、クーペと呼ばれる車種の多くは後部座席を持ち、4人乗りまたは5人乗りとなる。しかしその座席空間は狭い場合が多い。スポーツクーペにおいてそれは顕著であり、後部座席は補助席程度の窮屈な空間、子供用、あるいは事実上の手荷物置き場としてしか活用できない場合すらある。このようなものは「2+2」(ツープラスツー)や「2/2」(ツーバイツー)と呼ばれることもあり、メーカー自身が車名に用いる場合もある。
 
セダン型乗用車をベースにしたクーペ型乗用車の場合、そこまで極端ではなく、一旦乗り込めば大人でも(ある程度は)快適な座席居住空間を実現した車種もある。大きなボディサイズを持つ高級クーペの場合は、セダン同様の快適さや豪華さを備えた車種もある。ただしいずれにしても、その後部座席に乗り降りする際は、前の座席をレバーやスイッチなどを使って前方向に倒し、できた空間とドア開口部の隙間とに体を滑り込ませるようにする。当然ながら倒す対象のシートに乗員がいる場合は一旦降りる必要がある。後部座席の乗り降り時に不便を伴い、一般的に居住性も劣るため、後部座席を日常的に使用する用途で自動車を選択する場合、クーペは根本的に不向きとされる。逆に、後席にドアが無いことから、子供を乗せる場合はむしろ安全であるという意見もある。
 
後部座席への乗り降り、またはデザイン上の理由から、クーペのドアは4ドア車に対し、前後に長いものが採用される。そのため[[駐車場]]や[[車庫]]などの隙間といった狭い場所(空間)でドアを開ける場合は特に注意を要する。[[リンク機構]]を用いてドア[[蝶番|ヒンジ]]の支点が外側に移動するようにし、ドア開口時の後端のせり出し量を固定支点の一般的なヒンジドアと同じとしながら、ヒンジ側の開き量を大きくしている車種もある([[トヨタ・ソアラ]](2代目)、[[ルノー・アヴァンタイム]]、[[メルセデス・ベンツ・CLクラス]]/[[メルセデス・ベンツ・Sクラスクーペ|Sクラスクーペ]]など)。
75行目:
[[ファイル:MercedesC216.JPG|thumb|right|200px|[[メルセデス・ベンツ・CLクラス]]]]
 
後席用のドアを持たないクーペは実用性に欠けるため、ビジネス用途からは一般的に[[忌]]さけられる。しかし逆に、[[高級車]]の歴史においては、その実用性を廃した点が「特別感」「パーソナル感」を強調し、さらには「贅沢の象徴」とされ、一定の存在価値を持っている。
[[フェラーリ]]や[[ランボルギーニ]]といった、いわゆる[[スーパーカー]]だけではなく、快適な乗り心地と豪華な装備を持つ大型高級乗用車にもクーペは存在し、多くの高級車メーカー(ブランド)において、イメージリーダーとして重要な役割を担ってきた。
4ドアセダンはビジネスにもプライベートにも使えるが、2ドアクーペはプライベートにしか使えない。だから贅沢だという価値観である。