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『'''ウィンフィールドの遺産'''』(ウィンフィールドのいさん、原題:{{lang-en-short|''The Winfield Heritance''}})は、[[アメリカ合衆国]]のホラー小説家[[リン・カーター]]による短編ホラー小説。[[クトゥルフ神話]]の1つで、1981年にゼブラブックス版『[[ウィアード・テイルズ]]』3号に掲載された。[[カリフォルニア州]]サンティアゴ<ref group="注">架空の地名で、実在の[[サンディエゴ]]とは異なる。</ref>のサンボーン太平洋古代遺物研究所にまつわる連作の一つ。後にシリーズ『超時間の恐怖』 (The Terror Out of Time)に位置付けられる、ゾス神話連作の一つである。『[[陳列室の恐怖]]』の続編であり、シリーズ最終作。
 
[[オーガスト・ダーレス]]が創造して『[[暗黒の儀式]]』で語り手を務めたウィンフィールド・フィリップスが、主人公兼語り手となっており、堕ちてバッドエンドを迎える。
 
カーターの設定好き固有名詞好きは健在で、本作独自の特徴としては、魔道書に限らない、作中作小説をコレクションとして登場させているという点がある<ref group="注">[[リチャード・アプトン・ピックマン]]の絵画、エドガー・ゴードン(ブロック:[[闇の魔神]])、エドワード・ダービイ(ラヴクラフト:[[戸口にあらわれたもの]])、ジャスティン・ジョフリイ(ハワード:[[黒の碑]])、マイケル・ヘイワード(カットナー:[[侵入者 (ヘンリー・カットナーの小説)|侵入者]])、アマデウス・カーソンの未発表原稿(カットナー:[[セイレムの恐怖]])ハルピン・チャーマーズ(ロング:[[ティンダロスの猟犬]])、アリエル・プレスコット(カーターの未訳作品)、[[ランドルフ・カーター]](ラヴクラフト)、フィリップ・ハワード(ロング:[[喰らうものども]])、ロバート・ブレイクの生原稿([[闇をさまようもの]])、など。</ref><ref group="注">作中時が1936年であることが影響している。ロバート・ブレイクが死んだ『[[闇をさまようもの]]』は1935年の出来事である。</ref><ref>KADOKAWAエンターブレイン『クトゥルーの子供たち』解題【ウィンフィールドの遺産】428-429ページにも解説がある。</ref>。[[ロバート・M・プライス]]は、書物を遺産として継承するという本作におけるテーマを、カーターがクトゥルフ神話の体系化において自ら果たしている役割と重ね合わせて魅力的に思っていたようだと解説している<ref>KADOKAWAエンターブレイン『クトゥルーの子供たち』解題【ウィンフィールドの遺産】426ページ。</ref>
 
また「黄衣の王」の別名として、<時知らぬもの>イーティルが挙げられている。これら2つの名は、[[ロバート・W・チェンバース]]に由来する。しかし、イーティルの方は定着しなかったようであり、1980年代以降のTRPGを初出とする「[[ハスター]]の化身=黄衣の王」とする設定が一般化する<ref>KADOKAWAエンターブレイン『クトゥルーの子供たち』訳注【ウィンフィールドの遺産】306ページ。</ref>。
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== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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{{クトゥルフ神話}}