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さらに、1816年に当時19歳の[[メアリー・シェリー]]が書いた『[[フランケンシュタイン|フランケンシュタイン-あるいは現代のプロメテウス]]』がある。科学者[[ヴィクター・フランケンシュタイン]]が死体を集めて繋ぎ合わせ、[[人造人間]]を作ることに成功する。しかし、その醜さゆえに彼は、人造人間(”怪物”)を放棄する。造られた”怪物”は「こころ」を持ち、幾度か人間と交流を試みるが、醜い容姿のせいでことごとく拒絶される。絶望した”怪物”は自らヴィクターの元に現れ、自分の伴侶となり得る女性の”怪物”を一人造るように要求する。彼は一度約束したが、女性の完成間近になってそれを破る。怒った”怪物”は、ヴィクターの妻や友人を殺害。ヴィクターの方もその死に怒り、”怪物”を殺すために追跡を始める。しかし、長い追跡の末、北極海でヴィクターは衰弱し死亡する。”怪物”は彼の亡骸の前で、複雑な心境を語った後、自ら焼死するために北極海へと消えた。
 
この小説は、メアリー・シェリーが夫([[パーシー・シェリー]])と共に[[バイロン]]の別荘(ディオダティ荘)に行った際の構想を元に書かれたものである。ある日バイロンは怪奇小説を書いて互いに見せ合う事を提案した。([[ディオダティ荘の怪奇談義]])パーシーとバイロンは途中で小説を投げ出した(バイロンがこの時書いた構想を借りて、彼の主治医である[[ジョン・ポリドリ]]が『[[吸血鬼 (小説)|吸血鬼]]』を書いた)が、メアリーはこれを仕上げた。
 
メアリーの『フランケンシュタイン』はSF的テーマを扱いながらも「怪奇小説」であり、科学小説を書こうというモチベーションによって書かれたわけではないが、ブライアン・オールディスをはじめとする後世の多くの作家や[[評論家]]たちがメアリーに先駆的な業績を認め、SFの先駆者あるいは、創始者であると捉えている。<ref>『[[#十億年の宴|十億年の宴]]』pp.28-31</ref>一方で、『フランケンシュタイン』は確かに重要な作品ではあるが、SFの起源とすることはSFの領域を拡張させ過ぎている、という意見も存在する。<ref>『[[#現代SFの歴史|現代SFの歴史]]』pp.30-32</ref>