「ツァラトゥストラはこう語った」の版間の差分

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真夜中、至福の島の山の尾根を超え、山向の港を目指す。若い頃からの幾度もの旅路を思い起こし、孤独な漂白者として見てきたものを振り返る。彼の見たものは、貧しさと汚れと惨めな安逸による人間の卑小化で、これらに対するは吐き気のするような気分を抱えて、彼は山の戻っていく。山に戻った彼は、七日間起きる力もなく、屍のように横たわっていた。目覚めたツァラトゥストラは、この吐き気が、人間の世界からの吐き気ではなく、一切合財を含めて人間的なものを絶対的に肯定する最後のいざないであることを知る。そしてそしてこの「然り」と笑う精神こそが、指輪の中の指輪、永遠回帰であると悟る。
===第4部===
ツァラトゥストラは、山上の洞窟の中で多くの歳月を過ごし、白髪となって最後の下降の時を待っている。彼は、自身が養成者、調停者、教育者であることを自覚する。ある日、救いを求める人間の叫び声を聞き、それを探しに出かける。彼は途中、八種類のより高い人間に出会う。右手の王と左手の王、老いた魔術師、法王、求めてなった乞食、影、良心的な学究、悲哀の預言者、そして騾馬がそれである。ツァラトゥストラは彼らを洞窟に招いて、晩餐の席を設ける。彼らは、憂い苦しみを払い落とし、笑い声に溢れ、「ましな人間」と呼ばれるようになる。そして、「生とはこれだったのか、よし、今一度」と叫ぶ。<br>しかし、ツァラトゥストラが求めるものは、幸せではなくして事業、真夜中の酔歌ではなくして大いなる真昼における自己犠牲である。「永遠回帰」が、ただツァラトゥストラの存在によ、人間の殻に植え付けられたことを知る。彼はましな人間たちに対する同情が、彼に対する最後の誘惑であることを悟って、同情を克服する。最後に、鳩の群れと一頭の獅子がやってきたことで、彼は「徴が来た」と、別れのときがやってきたことを皆に伝える。「いざ、獅子は来た。我が子は近い、ツァラトゥストラは熟した。我が時は来たー。これは我が朝、我が日は始まる。来たれ、今こそ、大いなる真蒜!」と叫んで、ツァラトゥストラは再び山を下っていく。
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== 日本語文献 ==